山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

巨樹を訪ねて

2012-11-26 23:40:47 | 山歩き.散歩
今年はどうも北信濃には一度も行けなくなっちまいそうで、、、
なんのこたあないのです、今年も新蕎麦の季節に千曲をカヌ-で下り、富倉で新蕎麦のハシゴをしてからのんびり温泉に浸かろうと計画していたのですが
週間天気予報を当たり前のように外す気象庁がまたもや雨だ雪だイヤ晴れるとやらかしていたものだからやむなく近場の小菅と丹波山で新蕎麦の食べ歩きをやることにした訳で

でもねえ、ただ蕎麦を喰らうだけじゃあ余りにも芸が無いっちゅう訳で、ちったあ山でも歩こうかと幼馴染のOちゃんを誘ったらバカが風邪引いて寝込んでいるし、
熊さんは熊さんで前夜の酒に思いっきり敗北しやがって携帯鳴らし続けても出ないし玄関でブザ-慣らしても起きないしどいつもこいつもどないにもなりまへんのどす

まあいろいろありまして、今回は巨樹を訪ねる旅をテ-マにしようという企画に落ち着いた訳で、酔っ払いの熊さんをアッシ-君に仕立てて松姫峠ヘ、、、
10台ほどのスペ-スの車止めには4台ほどの車があったのですが山屋さんの車は1台もなくてすべて峠の景色を眺めに来ただけの人たちでありました。

ここから中高年の山歩きが始まりますが熊さんのおかげで1,100mの高みまで連れてきてもらったので今回の山歩きはとても楽ちんです。

             



先ずは適度な登りの鶴寝山へと向かいます。
CTは30分とありますが20分でてっぺんに辿り着いてしまった老体の僕が自信をもっていいのか否かちょっとビミョ-、、、?

 



いやぁ、日本人としては何はともあれ富士山ですわねえ!
これさえあれば取りあえずビ-ル、もといとりあえず満足、なんとまあ日本人の単純なこと。



 




ここから大マテイ山までは巨樹の道を辿ります。





ブナやミズナラの老木の樹間を縫って登山道を辿ります。







山沢入りのヌタ、ここから山地図には載っていない栃の巨木とワサビ田を経由するル-トで小菅の湯へと、、、





このごつごつした木肌、まさに年輪を重ねた爺さんそのものですね。





ここから1時間、ひたすら急斜面を下り続けます。





北斜面の日蔭には昼でも霜柱、冬にビバ-クするなら北斜面は絶対にあきまへん、寒いですぞ~!





幾筋もの沢筋には段々のワサビ田がありました。
人の手が入った土地も管理が行き届いてさえいれば美しいものなのです。

 



わさび田から下る道もなかなかいい雰囲気を醸しているのです。
この沢にはヤマメの魚影があったので来年はちょいと釣ってみようかと、、、でも熊さんの情報によれば通年禁漁だとか。





さて、お蕎麦です。
今回は3軒のお蕎麦屋さんを巡ることにしていたため朝から我慢して何も食べずに山を歩いていたため完全にシャリバテ気味で頭はくらくら
蕎麦前6品と生ビ-ル2杯を写真に収める間もなく平らげてしまったので画像は残せませんでした~。

 



まあ、何はともあれ新蕎麦を頂いた訳なのですが
やはり富倉蕎麦を食べたいですねえ、会津の腕っこきの蕎麦職人さんが打った十割蕎麦も食べたいなあ!


全行程約3時間、ちょっと歩き足りない中高年の山歩きでした。
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石砂山ノスタルジア

2012-11-21 01:23:14 | 山歩き.散歩
久しぶりにカミさんと映画を観た、『北のカナリヤたち』
映画を観ていたら無性にあの山を歩きたくなった。

あくる朝、菅井小学校の脇に車を止めた。
校舎は建替えられて昔の面影はないが校庭はそのままで懐かしい。
11人の同級生と6年間を共に過ごした場所に佇むとあの頃のことが鮮明に浮かぶ。

小学校からしばらく車道を歩いて山道に入り30分も登ると伏馬田城跡に至る。
伏馬田(ふすまだ)は僕が生まれ育った集落の名で武田方の動静を探る北条方の出城の一つ。





あの頃は、この山でクリを拾ったり木に登ってアケビを採ったり





棒っ切れを背中にたすき掛けして忍者『霧のトンベえ』になったり





爺さんたちは大きな背負い篭に落ち葉を一杯にしてこの山道をせっせと運んでいたっけ





運んだ落ち葉は堆肥を作るために大きなプ-ルに集められてふわふわのリングになる





ふわふわのリングの上で大はしゃぎしてプロレスごっこに興じたものだ
子供たちが大暴れすればするほど落ち葉はこなごなにこなれて良い堆肥の素になる





この道を右に仕事道に入ると鰻がわんさか居る沢があった
マムシに注意しながらバケツ一杯の鰻が捕れたその沢も今はもう涸れて水がない





道の脇の小高い台地に唯一の人工物、寝そべってオニギリを食べたり取り留めのない話をしたり





焼山、黍殻山、姫次へと続くあの稜線を小学3年生の頃から5月の連休に毎年欠かさず歩いて山を覚えた





このもみじの前に立つといつものこと『よく来たね』と父と母の声が聞こえる
『またおいで』その声が聞きたくて200回を超えてこの道を辿っているのかも知れないとふと思うことがある。





11人の同級生の名を声に出してみた、誰の名も忘れてはいなかった





50年が過ぎたというのに一人一人の声も笑顔も着ていた洋服さえも脳裏に浮かぶ
僕の知らないところで11人それぞれが幸せに穏やかな人生を送っているものと信じたい





6年間の担任の先生方の優しさや厳しさも蘇る





最近、健忘症というよりもボケが始まっているような気がするけれど
あの頃のことに限っては記憶に深く刻み込まれているような気がする





山頂を少し下るとテントが2張ほど張れるほどの平地にがあって
ここに幼馴染のH君が設(しつら)えた古ぼけた腰掛とテ-ブルがある





雑木林に包まれたこの空間がいつしか僕の指定席になった





焼山へと続く稜線を眺めながら質素な酒肴を作って静かな秋の山を味わう
何か考え事をしたい時、柄にもなくノスタルジ-に浸りたい時、訪れる人の少ないこの山がいい








暖かい日差しの中で2時間ほど午睡を楽しんで満たされて山を下った。

自分にとっての心の山、この山のお蔭で心はいつも平静を保っていられるような気がするのです。












コメント (24)
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山から下りたら焚火と野宿

2012-11-05 00:52:19 | 山歩き.散歩
秋と冬は山がいい。
蝶や木曽駒の夕焼けや雲海もいいけれど静かな山歩きもまたこの季節にふさわしい。

秋山村や道志の山々は人気(にんき)がないためか人気(ひとけ)も無くていい。
今回は雛鶴峠の手前、秋山村の穴路沢に沿ってつけられた登山道から入山した。

杉林の中をしばらく進むと指導標にこんなものが架けられていて思わず頬が緩む。





更に進むと沢沿いに仙人小屋のような佇まい、覗いてみると竈(かまど)も設えてある。
ここで独り寒い夜に焚火を眺めながら酒を舐め瞑想に耽って静かな時を過ごすのだろうか、分かるなあ!





沢沿いの道を進むと杉林から雑木林に変わる、ここで手つかずの山への扉を開ける。





登り続けて50分、穴路峠は倉岳山、高畑山、鳥沢駅からの登山道が交わる十字路、先ずは倉岳山へと右に進む。





初っ端から登り、歩幅を小さくとってリズムよく進む。





急登が続くけれど15分程度の距離なので苦痛は感じない。





登りから解放されて穏やかな尾根道を歩いていると山に来てよかったとつくづく思えてくる。
雑木林のしっとりした尾根道をどこまでも歩き続けていられたらどんなに幸せなんだろうか?





峠から25分ほどで倉岳山(990m)
秀麗富嶽12景のひとつであるけれど雲がかかっていて富士を望むことは叶わなかった。





てっぺんに居たのはほんの数分で山を下りた、この方はこの日言葉を交わした二人目の方。





いったん峠に下りて高畑山への登りに取りつく。





いきなり登り、、、





そして穏やかな尾根道、やわらかな色合いに言葉を失う。





そしてまた登り、、、





紅葉のトンネルを快適に登る。





峠から30分ほどで高畑山、晴れ間ものぞいてきたけれどここでも富士は望めなかった。
倉岳山もこの高畑山もなんも自己主張などしない地味な山であるのだけれどそれこそが低山の誉れなのかもしれない。





殆ど休むことなく大桑山に向かう。





狭い尾根道に紅葉が美しい。





岩稜帯をちょっとトラバ-ス、右側は垂直に切り立っていて低山も侮れない。





ここもちょっとトラバ-ス気味に進む、大桑山への道はスリルがあって楽しい。





狭い岩稜帯、この先はもっと狭くて険しくておもしろい。





昼近くになって空はきれいな青空に変わった。





大桑山から高畑山に戻る途中で山飯にした。
山にどっぷり浸かるなら時間をかけて山飯を楽しみ、まったり眠るのがいい。
どっかりと胡坐をかいて山の風を感じながらビ-ルで喉を潤したい。
おにぎりもいいけれど、この季節は暖かいものがあるとひときわ幸せ気分になれる。
というのは僕だけなのだろうか? さあここで眠ろう!



 






高畑山から大ダビ山を経由して雛鶴峠に下山、しっとりとした良い山旅を味わえた。





まっすぐ家に帰ってまったり風呂に浸かって眠りたかったのだがワイルドな男たちとの約束があった。

午後8時に大河原に集結したのだけれどいつもの橋の下はなぜかファミリ-テントでイッパイになっていた。
というわけで今回の焚火野宿会は急遽という訳でもないのだけれど誰もいない神の川に向かった訳で、、、





焚火を起こしランタンで明かりをとったら
先ずは熊さん差し入れの山形銘酒『杉勇生酒』で乾杯!
ところでこの杉勇、ビンに何か怖いもの(顔)が写っているの分かります?





良酒水のごとし、爽やかな喉越しは杉勇特有のものだす。





メインデッイッシュの前の前菜代わりにキムチ鍋とyukkyのつみれ鍋、
写っていないけれどヒロキチさんの海鮮出汁の美味しい野菜ス-プもあったような、、、





今回のメインディッシュは熊さんが市場から仕入れてきた上物のシロコロ1キロとカシラ1キロ
しかも野人とは思えないほど繊細な2種類のタレに『仕事をやめて焼肉屋になれ』コ-ル鳴りやまず!





シロコロの上質な脂はB級グルメの頂点を極めているのが理解できますな、杉勇がすすむ君だ~!





シロコロ、カシラ、杉勇、焚火の薪と今回は熊さんに感謝状ですな!
次回12月は自然薯をたらふく食わせて下さいね、さもなくばリンチだね!





これヒロキチちゃんが伊豆で釣った鮎の塩焼き、これも絶品でござんした!













十二分に呑んで最初に落ちたのは僕だったようで熊さんの快適な寝床を占拠したのでしょうか?
気が付くと熊さんはシュラフもなしに寒空に転がっておりました、さすがに野人の証左です。





ヒロキチちゃんが朝まで焚火を守ってくれたので快適な野宿となりました。
山に朝日が昇る頃、寒さに震えながら飲むコ-ヒ-が至福のひとときになるのです。





久しぶりに釣友と会い焚火を囲んで酒を酌み交わしました。
12月の焚火野宿は多分第二週の土曜日、改めて業務連絡致します。
出来る限り大勢で心置きなく(静かに静かに)呑み明かすことにしましょうかね!


コメント (26)
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