山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

冬の上高地散策

2018-01-23 00:09:29 | 山歩き.散歩
1月20日、大寒の入りに期待して上高地に向かった。
午前8時半、釜トンネル入口の気温はマイナス6度、快晴無風
この暖かさでは期待していたダイヤモンドダストはおろか田代池の霧氷も無理かもねえ?




1310mの穏やかな勾配の釜トンネルを抜けると上高地トンネル665m、このトンネルの完成により雪崩のリスクは軽減した。




およそ1時間で大正池、最下流の流れ出し付近は厚い氷に覆われていた。
正面が焼岳、右に割谷山、そして槍見台、西穂高岳へと稜線が連なっている。




正面に奥穂高岳、吊り尾根に続く前穂高岳、巨大な岩峰の明神岳が快晴の空にスカイラインを描く。
大正池にぼんやり映る逆さ穂高、もうすこし太陽が移動すれば鮮明な逆さが拝めただろうにと悔やまれる。




大正池から田代池に向かう途中で焼岳が全貌を現した、いい山だ。




踏まれていないもっふもふの無垢の雪が生クリ-ムのように見える。




田代湿原で小休止、マイナス2度ほどであろうか冬装備の身にはポカポカ陽気に感じてしまう。




手前正面の藻の陰に40センチほどの岩魚が定位しているのが見えるだろうか?
10頭ほどの猿の群れを観察していると、木の芽をついばみ、流れに手をいれて藻を食べている。
この長く厳しい冬をささやかな木の芽と藻だけを頼りに生き抜くのだろう野生の逞しさを垣間見た。



 


トレッキングコ-スはしっかり踏まれていてワカンもスノ-シュ-も必要なし
凍結した林道で軽アイゼンかチェ-ンスパイクがあれば安心で快適という程度かな?




河童橋の手前で焼岳を振り返る、デカくてカッコいい!
2年前、ホワイトアウトの中で何度か道に迷った末に辿り着けた思い出の山である。




河童橋、夏の喧騒が嘘のような静けさだ。
第5峰まである明神もデカくてカッコいい岩峰である。




河童橋から唐沢のカ-ルが手に取るように見える、河畔のケショウヤナギが赤く染まって春の訪れが待ち遠しい。




風もなく穏やかな河童橋のベンチで穂高連峰を眺めながらまったりとランチ、上高地は冬もまた別天地だ。




午後1時半、下山開始。
山には雲が湧き始め風も出てきて気温が下がり始めた。

 


帝国ホテルを過ぎ、大正池辺りで急激に気温が低下して雪になり翌朝まで降り続くことになる。




午後4時、中の湯温泉にお世話になる。


 


温めの湯舟に浸かって体をほぐしてから1時間ほど眠った。




松本からの送迎と釜トンネルまでの送迎が付く登山者向けの一番お安いプランなのにこの料理は何とも嬉しい!
南瓜葛豆腐、海老しんじょ、里芋の炊き合わせが優しい味付けで美味しく手の込んだ和の味を堪能できた。
生湯葉と蟹の豆乳蒸しも風味豊かでビ-ルを誘う、さらに中の湯で人気の手打ちそばが付くのも嬉しい。
鴨鍋は思わず笑みがこぼれてしまうほどに出汁が秀逸で、不躾とは思いつつご飯を投入して鴨雑炊で〆てお腹も心もほっこり。



 
 



あとは部屋に帰って心ゆくまで眠ります。




目覚めると綿雪、朝食の目玉は朴葉みそと豆乳豆腐、とりわけ豆乳豆腐の優しい味にとろけそうでした。

 


午前9時半、雪のちらつく中を出立します、中の湯は心安らぐいいお宿でございました。





帰路はしっかりお蕎麦で〆ないと旅は終わりません。
松本近くの山形村の唐沢蕎麦集落に立ち寄りました。

1軒目は山法師さん
蕎麦前は馬刺しと、おばちゃん心づけのパリパリのたくあんと野沢菜漬けがイケる。




お蕎麦はオ-ちゃんがざる蕎麦、僕は麺状にした山芋を載せた「やまっち蕎麦」
山形村特有のやまっち蕎麦は喉越しなめらかで美味しいのですが蕎麦本来の味を楽しむならざる蕎麦に限りますねえ。
しかしこのお蕎麦の量、並み盛りを注文したのに大盛りのボリュ-ムに大満足でございます。




2軒目は水車本店で粗挽き蕎麦の大盛りを頂きます。
惜し気もなく大皿に盛られたのはまさに超大盛り、海苔が別添なのが嬉しいじゃありませんか。




水車さんを訪ねるのは今回で二度目なのですが
この粗挽き蕎麦の味、香り、歯触り、喉越し小気味よく文句なく美味しいお蕎麦でございました。




完食!





いやはや冬の上高地、霧氷にもスタ-ダストにも出逢えなかったけれど
北アルプスの鋭鋒を心に刻みつつ美味しくてほっこりな旅を終えることができました!
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倉岳山

2018-01-08 15:41:37 | 山歩き.散歩
上高地を歩くなら晴れた寒い日に霧氷と煌びやかダイヤモンドダストの舞を眺めたい。
1週間前に明神の宿に予約の電話を入れると週末は雪の予報で地吹雪になるかもしれないと言う。

諦めて近場の倉岳山でのんびりしようということになった。
午前10時すぎ、秋山村浜沢の田んぼの脇に車を止めてゆっくりゆっくり歩きはじめる。
1時間ほど登ると穴路峠、ここは秋山村と鳥沢を結ぶ生活の道で昔は荷を担いで行き交う人たちで賑わっていたに違いない。




尾根に上がるとナラやクヌギの林になる。
幸運にも風のない穏やかな日和に恵まれたけれど
昨日の予報では上高地の週末も晴れマ-クが並んで必ずしも心境穏やかとは言えず。




穴路峠から30分ほどで倉岳山、下界には北側に鳥沢や猿橋の街並みが広がる。




西側を仰げば富士、倉岳山の広い頂きには中央線の梁川、鳥沢からの登山者が20人ほど
高畑山~九鬼山を縦走して禾生(かせい)駅に下りる人たちは早々に歩き始め
高畑山から鳥沢駅に下りる人たちは富士を眺めつつ思い思いにお弁当を広げていた。




ここ倉岳山は秀麗富嶽十二景のうちの一座
風もなく、ふんわりと浮かぶあの雲に乗って下界を眺められたらいいだろうになどと思ったりして、、、、、




ひとしきり富士を眺めてから山飯を広げて呑み始める。
とりとめのない話をしながらのビ-ルがいい、穏やかで温かいこの日は昼寝にはうってつけの日和であった。




高畑山に足を延ばすこともなく2時間あまりを倉岳山でのんびりと過ごしてから山を下った。




午後5時に道志村の「紅椿の湯」に浸かって体をほぐしてから8時まで呑み続けた。





部屋に戻って呑みなおすこともなく翌朝8時までたっぷり12時間熟睡できた。
山小屋とは比較にならないほど快適でしかも格安、金欠病の我らにとっては実にありがたい宿である。




朝風呂に入ることなく美味しい朝食を頂く、オ-ちゃんはご飯を2杯も平らげた。




翌朝は三国峠まで足を延ばして新春の富士と山中湖
遠く南アルプスの山々はしっかり雪に覆われているのに富士はまだら模様のまま、それでも富士を眺めるとほっとする。




帰路、オ-ちゃんの実家近くの休屋さんに立ち寄って蕎麦を頂く。




旅の終わりはやはりお蕎麦ですわねえ!
宿に泊ることでこんなにものんびりできる
いい骨休めができた2日間でございました。

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小さなチャレンジ !

2018-01-04 00:01:29 | 独り言
皆様、明けましておめでとうございます。
喜怒哀楽、艱難辛苦の日々を越えて迎える平穏な年の初めに心から感謝したいと思います。
3日、新春恒例の石砂山は山飯もビ-ルも楽しめないほどの強風の洗礼を受けて散々な山詣でとなってしまいました。

さて、我が家の正月は今年も家族揃っての騒々しくも和やかな正月となりました。




孫たちは、ばあば手造りの車で遊んだり、ばあばが提供した大量のクリップと磁石を使って不思議な力に狂喜したり

 


ばあばの指導でチ-ズと生ハムの春巻きを作ってみたりと孫たちにとってはわくわくするような体験のひとコマであったようです。

 


今年は頂いた大きな毛ガニがメインディッシュになりました。
このあと、カニの殻でとった出汁で作るカニ雑炊が一番おいしかったかも、残りの一杯は後日ふたりで頂きます。

 


孫たちが巻いた春巻きがこれ、子供たちは一つずつ小さなチャレンジを重ねながら成長していくものなんですね。
物作りや料理もその一つ、少しでも楽しいと思えるものに出逢い、手作りの喜びを感じてもらえたらこんなに嬉しいことはありません。

 


さて、僕の今年の目標です。
あまり大それたことは考えず、ちょっと冒険したり、ちょっとチャレンジしたりでちょうどいいかなと考えています。

1.冬の上高地で霧氷とダイヤモンドダストを眺める。
2.黒部五郎の山麓に流れる雪解け水でコ-ヒ-を淹れる。
3.黒部最源流の最初の一滴でコ-ヒ-を淹れる。
4.黒部最奥の温泉に浸かり、小谷で岩魚と遊ぶ。
5.高遠の蕎麦屋さんを巡り地酒と蕎麦を味わう。

このうちの一つでも実現出来たなら、あゝ今年も良い一年だったなあと納得して1年を終えられそうに思うのです。

さあ皆さんは、どんな1年になりますでしょうか?
今年も何卒仲良く遊んで頂ければ幸いです!

コメント (28)
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