山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

春の女神 降臨せず!

2017-03-26 19:34:15 | 山歩き.散歩
この石砂山に春の女神が舞う季節になりました。
菜畑山以来7週間ぶりの山歩きは、鈍った体を慣らすにはちょうどいいコ-スです。




登山道にはアブラチャンや山椿の花が咲いて冬から春へと衣替えを始めています。

 


20分ほど山に入ると登山道沿いにカンアオイがたくさん見られるのですが今年は数えるほどしか見当りません。
交尾を負えた岐阜蝶がこの葉の裏に卵を産み付け、孵化した幼虫がこの葉を食べて成長し、蛹は枯葉の下で冬を過ごします。
カンアオイが激減すれば岐阜蝶も激減し、やがて絶滅するかもしれないという嫌な予感が脳裏をよぎります。

 


山を徘徊して1時間、山飯にお誂え向きの場所を見つけました。
途中で摘んできた蕗の薹と野蒜の素揚げで軽くビ-ルをやってからインスタント焼きそばで朝食を済ませます。



 


これから頂上直下の急登が始まります。
岐阜蝶を守る会の方々によって登山道は山ビル被害や道迷いがないようにと落ち葉がきれいに払われていました。
春蘭もまだ固い蕾のままだし、岐阜蝶が好んで蜜を吸うモミジイチゴも開花前、これでは春の女神も期待薄かなあ?



 




牧馬ル-トから登り、春の女神を探しながら伏馬田ル-トと篠原ル-トの途中まで歩いてみましたが出逢うことは叶いませんでした。
午前11時半、諦めて頂上に登ると25人ほどの登山者がベンチや草の上に腰を下ろして談笑しながら食事をしておりました。
女神に出会えましたかと問いかけると、みな口々に今日は寒いし風が強いからダメですねと諦め顔、僕は焼山を眺めるいつもの特別席に向かいます。




今日は上物の野蒜を摘んだので、野蒜チャ-ハンを作ります。
鮭のおにぎり1個をばらして卵を混ぜて、先に野蒜を炒めてからおにぎりを投入、1年ほど行者にんにくを漬け込んだ醤油をひと回し。

 
 



おにぎり1個では足りないので次は野蒜パスタ60グラムです。
味付けは醤油に付け込んだ行者にんにく5本で薄味に仕上げます
風味豊かなギョウジャの調味料はチャ-ハンによしパスタにもよしの優れものでございました。




今回の舞姫詣では不発に終わってしまいましたが
4月になって山に花が咲き乱れる頃には春の女神の乱舞に出会えそうですね!
コメント (27)
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早春のセレモニ-

2017-03-12 15:13:12 | 自然薯 山菜
あわただしい毎日に一区切りがつきました。
居てもたってもいられずにふるさとの野に立ちました。
向こう側に車を止めて秋山川にかかる橋をゆっくり渡ってここから歩きはじめます。




ここは僕が生まれ育った集落の二つ隣の集落で幼馴染はみな都会に出ています。
山女魚の棲む小さな沢に沿って春の野草を探しながらのんびり歩こうと思います。

 


優しい色合いの蕗の薹、アザミの若芽、やぶ甘草、雪ノ下の新芽、みな約束したようにいつもの場所で出逢えました。

  
 


集落の湧き水の前に腰を下ろして野草の下処理をします、田舎者にはこんな時間が何よりも愛おしいのです。
左から時計回りに、野蒜、クレソン、ヨメナ、やぶ甘草、アザミ、蕗の薹、そして中央がユキノシタ、早春の野草は美しいですね。




さあ場所を移して野草を味わいましょう。
塩を振っただけのクレソンをつまんでビ-ルをやりながらヨメナとやぶ甘草のお浸しを作ります。
甘みのあるシャキシャキのやぶ甘草、えぐ味の強いヨメナ、お浸しは春の味と香りを一番感じる料理です。

 


天ぷら粉が少ししかなくて殆ど素揚げの野草です。




野蒜の素揚げは香りも歯ごたえも申し分なくビ-ルにベストマッチの大ヒットです。
ちょっとだけ粉をつけて揚げた蕗の薹はさっくさく、僕の天ぷらの腕も少しは進歩したのかも?

 


〆は野蒜のパスタ50グラム、アルデンテのサラスパを多めの野蒜と一緒に軽く炒めて
塩少々と醤油ひと回し、野蒜の風味を強く感じるとても美味しいパスタに仕上がりました。




本当の〆はこれ!
おにぎりの上に鯛の切り身をたっぷり乗せて、なんちゃって鯛茶漬け。




永谷園のお茶漬け海苔を振りかけて熱湯を注げば出来上がり~!
小料理屋やお寿司屋さんで我儘言って作ってもらう胡麻ダレの本格鯛茶漬けに引けをとらない絶品の大ヒットでございます。

 


午後1時、ちょっと風が出てきました。
ほろ酔った体をシェルタ-に横たえて誰にも邪魔されずに眠りたいだけ眠ろうと思います。




さあ、早春の儀式も無事終わりました。
解禁された皆さんの後を追って少しずつ始動開始です!


コメント (32)
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なんとか生きてます!

2017-03-06 01:19:54 | 蕎麦、うどん、ラーメン
10年後、AI(人工知能)に仕事を奪われるらしい職業のTOP10に僕の仕事も入っているという。
コンピュ-タ1機が人間10人分の能力を遥かに超える仕事をしてくれているというのに仕事は一向に減る気配もない。
これだけ忙しいと、AIよ、好きなだけ仕事を奪ってくれと懇願したいほどであるがそれはまだ先のことになるのだろうか?

幼馴染のオ-ちゃんと呑んで語り合ってから2週間も過ぎると平日と週末の境界線もなくなってメリハリも無くなってくる。
これではイカンと2週間ぶりに陽の光を浴びながら『お鷹の道』を歩いて武蔵国分寺辺りを散策して気分転換した。





この山門をくぐると由緒正しき武蔵国分寺。
万葉の花を愛でようと境内を散策してみたけれど時期尚早で咲いていたのは木瓜(ぼけ)と沈丁花だけであった。





長い石段を登り八幡神社を通り抜けて大通りを10分ほど進むと





お蕎麦の名店『潮』
このお店はこれから蕎麦打ちを始めようとする人たちがお手本とするお店の一つなのだそうです。
午前11時半、開店とほぼ同時刻に暖簾をくぐるとカウンタ-には既に女性がふたり座って玉子焼きとそばぎりを注文した。
左端に腰を落ち着けた僕は『そばぎり』の大盛りを、蕎麦前をやりたいのは山々なのだけれどそれは2軒目のお楽しみということで。





先に出されたのは濃い目のツユに薬味はワサビのみ
ほどなく運ばれたお蕎麦は緑がかった細切りの十割蕎麦で、コシ、歯ごたえ、のど越し申し分なし!
料理自慢のこのお店はやはり夜の部、蕎麦懐石を囲んでまったりとお酒と会話を楽しまないともったいないですね。





大盛の『そばぎり』を一気に手繰って午前11時45分、
お鷹の道をのんびり歩いても12時開店の『きぬたや』には十分に間に合う。





12時きっかりに『きぬたや』の暖簾をくぐると店内には3人掛けのカウンタ-に2人のみ、ここでゆっくり蕎麦前を楽しもう!
中央のテ-ブルには予約席の札があったので残された窓際の小さなカウンタ-に腰を落ち着けてメニュ-を眺めていると
店主が慌てて駆け寄ってきて『せっかくいらしてくださったのに申し訳ありませんが本日は予約で満席でして、、、』と申し訳なさそうに、、、




人生なんて所詮こんなものである。
それとも、まだ仕事が残っているのに呑んでいる場合ではないぞという神のお告げか?
あゝ、こんなことなら潮で蕎麦前を楽しんでおけばよかった、、、というのは後の祭り
図らずも見事な落ちがついちゃったという訳でございます!
コメント (24)
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