山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

山上湖de夜会

2013-11-26 02:29:44 | 蕎麦、うどん、ラーメン
半年ぶりに通いなれた大好きな北信濃を訪ねることができました。
今回は新蕎麦のはしごを楽しんでから、のんびりと千曲川を漂うつもりです。

先ずは富倉蕎麦が美味しいと評判の郷土食堂(ごうどしょくどう)に向かいます。
11時開店の5分前に到着すると駐車場には既に先客が、しかもお客は次から次へとやってきて、、、







開店と同時にテ-ブル席も小上がりも一瞬のうちに満席、人気の程が伺えます。






30人ほどのお客さんの中で蕎麦前を楽しんでいるのは我らだけでした。
野沢菜漬けと枝豆、特に野菜と野草のてんぷらの彩が北信濃の自然を思わせてなんとも美しい趣に!



お蕎麦は平打ちの富倉蕎麦、程よい腰の強さと小気味よい歯ごたえ、なめらかな喉越しを大盛りで堪能しました。
美味しさにつられてあっという間に手繰ってしまい画像がないのが返す返すも残念でなりません。







さて次は熊さん絶賛のお蕎麦屋さんへ、で何が絶賛かというと味もさることながらこの驚愕の富士山盛り!
3人前はあろうかという超大盛り、育ちのよい僕とオ-ちゃんはとても食べきれず残りは熊さんの胃袋へと消えてゆきました。









昼酒のあとは野沢温泉の外湯めぐりに、こんな素敵な湯に誰でも無料で入れるなんていいじゃありませんか。
僕は既に2回ほど外湯めぐりをしているのであと2日もあれば外湯13湯を制覇できそうです。





ここはちょっと高級な温泉宿の一角でしょうか?
野沢温泉はお安い民宿や昔ながらの温泉場特有の夜店やゲ-ム場があったりして夜のそぞろ歩きもまた楽しいのです。





温泉郷の入り口に戻って新田の湯に浸かります。





大酒後の入浴は慎むようにとの注意書きがありますが僕らは小酒の後なので特に問題はありませぬ!





しかししかし、ここの湯は熱湯かと思えるほどにめっちゃ熱くて高血圧の体にはエラクこたえるのです。
エイヤっと気合を込めて入っては涼み、またエイヤっと入っては涼んでいると、人間の感覚って不思議なものですねえ
まるで拷問のように思えた熱湯も次第に心地よくなってきて、いつしか熱湯の刑に酔いしれて気分爽快になってしまう不思議、これはもしやマゾでしょうか?












新田の湯から上がると、それを見計らったように山上湖で待つ寅さんから電話が入った、夕焼けが美しいから早く来いと。
まだ3時半の時刻に夕焼けが美しかろう筈もないのだけれど早く酒をやりたい僕らは誘いにつられて急いで山上湖へと向かった。

飯山の寅さんが手作りのスモ-クサ-モンとスモ-クチキン、寒い夜には何とも有り難い鍋を用意して待っていてくれた。
ビ-ルと酒しか用意していない僕らは、いつもながら寅さんに感謝しながらほんわかした寅さんの笑顔に心が暖かくなる。





今年、黒部デビュ-を果たした寅さんは9月下旬、穴場のO谷で尺上3尾を筆頭にたった3時間で30を超えるイワナを抜きあげていた。





男の夜会に焚火は欠かせない。
寅さんが用意してくれた薪で6時間以上も豪快な焚火を囲んで呑んで語ったということか?





夜も更けて山上湖から眺める星空には満点の星が輝いて、このまま眠らずにいつまでも眺めていたいと思わせてくれる。
焚火から離れると凍えるような冷気に襲われるのだけれどテントの中は暖かくてシュラフに包まれて幸せの眠りに就くことができた。









ぐっすり眠って午前6時、テントから這い出でると肌を刺すような冷気が新しい朝を実感させてくれる。
焚火の前にテントを張った熊さんが夜通し焚火を守ってくれていた。






外気温は零下3~4度、テントに付着した結露を払うとこんな感じになる。
テント内はというと結露も程ほどで真冬のテン泊でダブルウォ-ルとシングルウォ-ルの違いが殆どないことに気付かせてくれる。






誰もいない山上湖、これから静かに朝焼けのショ-が始まるのだ。






山上湖の湖畔を僕は1時間かけてのんびりと散策してみた。
歩き始めは霜に凍えた野沢菜畑から、雑木林を辿っていくと対岸には子宝祈願の石仏と祠が祀られていた。






霧に煙る岬で一心にルア-を投げる若者、ついぞ当りをみることはなかった。





外気温よりも水面の温度が高いために水面から絶え間なく霧が立ち込める
幻想的なこの風景を墨絵にしたらどんなに素敵な絵になるのだろうか?
正直ぼくは誰もいないこの山上湖で2~3日何もしないでひっそりと過ごしてみたいと思ったりするのです。





今回は釣りのために帰省していた寅さんの息子さんも焚火に付き合ってくれました。




熊さんも、遠く飯山の寅さんともネットからのお付き合い。
お気に入りの土地に気の合った同好の士がいることの幸せをつくづく感じさせていただいた一日となりました。

20年以上も通い続けた飯山は僕にとっての第二のふるさと、深い雪さえなかったら僕は飯山に住みたい。
そんな風に思わせてくれる飯山への旅でした。
飯山、野沢温泉、斑尾高原、富倉蕎麦、リンゴ、千曲の流れ、皆様も是非訪れて頂きたいと思います。


寅さん、今回も何から何までお世話になりました。
来年はぜひとも黒部の旅をご一緒しましょうね。

えっ、千曲川下りはどうしたかって?
いいじゃありませんか、そんなこと!
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おかあちゃんの手打ちそば(小金持ち工房)

2013-11-18 00:09:46 | 蕎麦、うどん、ラーメン
サクサクと枯葉の道を歩くのは気分がいいものですね。

山慣れという言葉がありますが
1週間も高い山に入っていると最初の2日間ほどは重いザックと登りにヘロヘロになるけれど
3日もすると体が慣れてきて重いザックもキツイ登りも長時間の歩行にもあまり辛さを感じなくなる。
もう一つの山慣れ、僕の場合は月に2回ほどのペ-スで山を歩いていると体が山に馴染んで山歩きが楽になる。
気分転換と山慣れのために最近はなるべく月2程度の山歩きを続けようと思っているところです。





尾根に上がってもふかふかの枯葉のジュ-タンはどこまでも広がっていました。
たまらずに厚く敷き詰められた枯葉の上に大の字になって少し眠った、陽だまりの暖かさが実に心地よい。
落葉帰根という言葉があるけれど、冬枯れの木々や落ち葉を見ていると命の循環が良くわかる。
大きく茂って生を謳歌した木々の葉も秋には地に落ちて肥沃な大地を作り木々の命を育んでいるのだということ。





眼下には深城ダムを臨み





西方には富士がかすんで見えました。





心地よい汗をかいて小菅の湯に立ち寄る。
と、奥の方にのぼりがはためいているのが見えます。
おかあちゃんの手打ちそば、こんなところにお蕎麦屋さんがあったとは。
湯につかる前にと恐るおそる暖簾をくぐるとオバチャンたちが楽しげに茶飲み話しに興じていました。





何と暖簾をくぐった目の前には蕎麦打ちの台がデ~ンと鎮座し、その奥は厨房になっている。
またまた恐るおそる『ここ、お蕎麦屋さんですよね?』と尋ねると、いらっしゃいませと笑顔がかえってきた。
厨房の右奥に通されると3人がけのテ-ブルが2つと5~6人ほどが座れるカウンタ-になっている。
テ-ブルの一つで3人の先客が暖かい天ぷらそばを美味しそうにすすっていた。





メニュ-は、もりそば(600円)、かけそば(600円)、季節の天ぷら(300円)のみ、シンプルでいい。
もりそばの大盛りを注文すると程なく蕎麦前3品が運ばれてきた。
こんにゃくの煮しめ、シメジとずいきの煮しめ、大根と自然薯の漬物、これだけでお酒二合はイケそうです。
冷酒をお願いすると、お酒は置いてないんです、じゃあビ-ルを、ビ-ルもおいてないんですよ。
お酒がないと蕎麦前にはならないわけで蕎麦前の楽しみは封印しなければならないけれど、
車のお客が多いので儲けより安全運転を願いながら蕎麦本来の味を味わって欲しいというオバチャンたちの良心が伺えますね。






運ばれてきたお蕎麦を一口すすると、それはコシの強いもちもちの懐かしい田舎蕎麦。
客は僕ひとりになったのでオバチャンたちとお蕎麦や地の物の話に興じる。
原始村にあったお蕎麦屋さんがなくなって寂しく思っていたら、同じオバチャンたちが今年4月にこのお店を始めたそうで。
今年3度もここにきているのに今まで気が付かなかったのは何とも不覚、あぁ、それにつけても蕎麦前が欲しい!





オバチャンたちの割烹着と姉さんかぶりも懐かしい。
僕の故郷でも冠婚葬祭や建前の時などは割烹着姿のオバチャンたちが総出でもてなし料理を作っていたものでした。
それにしても仲良しのオバチャンたちが集まって世間話に花を咲かせながらお蕎麦屋さんを営むなんて楽しそうじゃありませんか。




さてここでCM(コマ-シャルメッセ-ジ)です。
皆さん、小菅を尋ねたら是非ぜひ『おかあちゃんの手打ちそば 小金もち工房』にお立ち寄りくださいませ。
小さな小さなお店ですが、丹精込めた田舎蕎麦の味わいと気さくなオバチャンたちとの話も楽しんでほしいと思います。

お蕎麦の味も、気さくなオバチャンたちも実にいい味を出していて懐かしい思い出にちょっとだけでも浸って頂ければ幸いです。
なお、お店は12月から3月まではお休みするそうですからオバチャンたちに会いたい方はお早めにどうぞ!


さて来週は北信濃で新蕎麦のはしごと千曲川下りの予定です。
寅さん、無理言って申し訳ありません、夜会を楽しみにしちょります。
コメント (22)
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漂泊の森

2013-11-04 16:19:24 | 山歩き.散歩
久しぶりに幼馴染のオ-ちゃんとブナとミズナラの森を歩いてみました。





標高は1400mほどでしょうか、山は淡い色に染まって落ち葉とのコントラストがいい雰囲気を醸しています。





穏やかな起伏の尾根道はとても体に優しいのです。
歩き始めたのは午前11時半、遅いスタ-トにも満杯のザックにもそれなりの理由があるのです。





途中の小ピ-ク、始まりかけた紅葉の優しい色合いに心なごみます。





この日はクリタケやナラタケ目当ての地元の人たちに何人も会いました。





午後4時半過ぎ、森は薄暗くなりはじめ気温も下がってきたのでそろそろこの辺で
と思うのですが地元のキノコ採りの人たちがまだあちこちでクリタケやナラタケを探しています。





仕方なく場所を移動して





今回のもう一つの楽しみがこれ!



 

狭いテントの中、膝を突き合わせて呑んで語るひと時もまた山ならではのものですねえ。









ぐっすり眠って翌朝、、、






里に下りると山の斜面にうずくまっている野兎を見つけました。




気丈に逃げていく後姿を見ていると左足がちょっと痛そうで、、、
これから始まる長い冬をなんとか乗り越えてくれればいいのですが。


厳しい自然の中に生きる野兎に比べれば
我らの野遊びなんて実にお気楽なものではありますが、それでもなくてはならないものでもあるのですねえ!
コメント (28)
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