山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

引き分け~!

2024-06-16 19:43:37 | フライフィッシング
釣友『へっぽこフライ師』さんから強烈なミサイルが撃ち込まれた!
へっぽこさんとは一度も一緒に渓に立っていないのに釣友と呼べるのかと疑問が残る
そんな釣友ではない酒友が38.5センチの大岩魚を仕留めたといって写真を送りつけてきた
それも解禁日に僕がボーズを喰らったふるさとの渓の一番奥のチャラい流れからだという
こんなことがあっていいのであろうか?  まあそれはさておきこれ実にいい岩魚ではありませんか?



されば我はもっともっとチャラい流れで38.5センチを超える大岩魚を仕留めてやろうと勇躍出撃した訳でありまして
仕留めた岩魚の写真は後でお見せすることにして、、、先ずここで1尾!



ここでも一尾!



更にここでも一尾!






今日は久しぶりに



岩魚のてんぷらで



一杯やろうと



油もてんぷら粉も用意してきた



しかも



ここまでの道すがら



ウドの若芽とミツバも摘んで



てんぷらの準備は万端である



さて




僕がここで




仕留めた




岩魚を見て




驚きめさるな!




ホレ、、、、、、、、、、




9.5センチ



いやぁこれは難しい1尾でありました~!












これも9.5センチ
これまた実に難しい一尾でありました
このサイズを連発するなんざ
僕もなかなかのテクニシャンである証左と言えましょうか?








これは14センチ
僕の集中力もこと切れて
残念ながらちょいとサイズアップしてしまいました~!
テクニックを駆使して10センチ未満の岩魚に的を絞って釣り続けることは正に至難の技であるのです



さて岩魚たちとの邂逅に充分満たされて
いつものダイニングに移動して川飯の準備を始めようとしたのですが



空を見上げると快晴だった空に雲が広がり始めている
午後は雷雨になるかもと聞いていたので念のため車に移動することにした



先ずは鯛をさばいて8切を鯛茶漬けのタレに漬け込んでから



残った鯛の刺身と野沢菜漬けでビールと缶チューハイでほろ酔う



お湯を沸かすのも面倒になって〆は鯛茶漬けが鯛の漬け丼になったけれど
これはこれでなかなかの美味でありました



てんぷらにしようと持ち帰ったミツバとウドの若芽はしおれてもはや使い物にはなりまへん



さて、へっぽこフライ師さんとの釣り比べは
サイズではへっぽこさんの完勝、テクニックでは僕の完勝ということで
まあ今回は引き分けということにしておきましょうかねえ(チャンチャン!)




コメント (22)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑い日はこれが一番!

2023-07-30 01:12:28 | フライフィッシング
暑中お見舞い申し上げます
酷暑の日々を皆様はいかがお過ごしでしょうか?
山歩きも森林限界を超えると灼熱地獄と午後の雷が恐ろしくて
結局足を向けるのはこんな清冽な流れ、冷たい水の中をじゃぶじゃぶと遡行しながら岩魚と遊ぶのが一番でございます



向かったのは甲州の渓、午前6時半に入渓したというのに渓畔はもう足跡だらけ
やる気のある釣り師の皆さんたちのご出勤はなんとお早いことでしょうか



竿抜けのポイントを丹念に探って、ようやくチビ岩魚が顔を見せてくれました
本日のフライはムネアカオオアリのパラシュ-ト一点張りでございました



あの白泡の右奥から、、



23センチのきれいな岩魚が、、、と言ってもピンボケで分かりませんよね?



そして当たりはパッタリ止まったまま午前9時過ぎに脱渓して左側の斜面を登って林道に



さて、これからが長~い一日の本番でございます
峠を越えて清里方面の立ち寄り湯でひとっ風呂浴びてから、さあビールです
美味しい岩魚と信州サーモンのお刺身を酒肴にビールが殊のほか旨し!



厚めの馬刺しもまた旨し!



小海産のそば粉を使用した手打ち蕎麦?
別注の50円のとろろを頂いてなめらかなのど越しを味わうことができました



蓼科牛のロ-ストビ-フ丼を注文したお隣のライダ-さんたちは
メニュ-の写真と全然違うこんなパサパサなローストビ-フはないでしょ
コレ取り換えてもらえませんかとフロア係に強烈なクレームを突き付けておりました
横目でちらちらと盗み見すると確かに紳士的な僕でもクレーム付けちゃうかなというくらいの代物でございましたねえ!

立ち寄り湯も食事は大切な要素のひとつであるわけでお客様の期待を裏切ってはいけませんよねえ!
ライダ-さんたちは1400円の食事を口にすることなく不機嫌そうに立ち去って行かれました

満腹になった僕は冷房の効いた休憩室で日暮れまで心地よく夢の国を彷徨っていたという次第でございます。

コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

解禁釣行

2023-07-17 10:32:31 | フライフィッシング
解禁釣行が年を追って遅くなっている
一昨年は6月11~12日に寅さんと北ア天泊釣行、昨年は7月17日に瑞垣で解禁を迎えていた

今年は7月16日、下界は38~39度の酷暑予報、何はともあれ涼しい渓で解禁を迎えたい
午前6時半入渓、深い木々に覆われた渓は空気が冷たくて上着を羽織らないといられない




渓相は申し分ないし




水量も充分なのに




岩魚がとても神経質になっていて10センチほどのちび岩魚がピチャっと反応してもフライを咥えない




釣れないからテンポよく遡行して1時間ほどで先行者に追いついて話を聞くと
この先にも先行者がいるのが分かったので諦めて脱渓するという




仕方なくミズナラの森を登って別の小渓へと転戦することにした




緑濃い穏やかな小渓に癒される、左側の白泡が消えるあたりから、、、




今日1尾目、鮮やかな柿色の腹の6寸岩魚で片目が開いた




このポイントも白泡の消えるあたりから




6寸岩魚で両目が開いた、6寸がこの小渓のアベレ-ジであろうか




この落ち込みはお留守、更に上流のポイントから、、、




今日一番の美しい魚体の7寸岩魚、この小渓にしては良型岩魚といえようか?




更に上流の小さな落ち込みから朱点鮮やかな6寸の黒岩魚




更に遡行して 最後の落ち込みから
幼い容貌なれど朱点と腹の柿色鮮やかな7寸岩魚で本日の解禁の締めくくりとなった
さあ脱渓して、これから僕も冷えたビールにほろ酔って心地よく午睡をむさぼるとしようか?




脱渓点のブナとミズナラの森のなんと美しいことか!




涼しい木陰の車止めにテーブルとイスを設えて、先ずは冷えたビールで喉を潤した




缶チューハイもあっという間に空けて、〆のそうめんでおなかを満たして眠りにおちた



涼しい渓と美しい緑と愛しい岩魚のお陰で久々に癒された一日でございました。

コメント (20)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

某月某所 釣り日和

2022-10-18 00:26:14 | フライフィッシング
いつのことだったやら、この山深い渓にはいつになく穏やかな時間が流れていた
ゆったりとしたアクションでテンカラを振る寅さんの幸せそうな表情がこの日のすべてを物語っている



ジンクリアな流れの先にロールキャストを決めるオ-ちゃんの動作もなぜか緩慢に見えてしまう
滑の一枚岩の先では、よしよしいい子だからおとなしくしてね~と寅さんが優しく岩魚を取り込んでいる



激渋でなかなか岩魚と出会えないオ-ちゃんは急ぐこともなくフライをチェンジしながら
こういう時間が好きなんだよなあと、まるで釣果なんてどうでもいいんだとでも言いたげに、、、、







さて、僕はと言うと

そりゃ勿論、幸せでございましたとも

なんてったって、シャクヨンスンに出会えたんですからねえ

シャクヨンスンって言ったって、韓国の麗しき女性のことではない訳で

尺四寸、正真正銘42センチの大岩魚、この日僕が出会えたのはこの一尾のみでございました








この渓には餌になる虫が少ないのでしょうか?
ちょっと痩せてはいるけれど、厳つい顔、黄色味を帯びた腹、ヒレピンの尾びれを見ていると
厳しい大自然の中でひもじい思いをしながらも厳然として生き抜いてきたこの大岩魚の風格を感じてしまいます
これから迎えるであろう雪に閉ざされた厳しい冬に餓死せずに何とか生き延びて欲しいと唯々祈るばかりです



さて寅さんはというと
グリ-ンバックの美しい26センチの雌岩魚



泣き尺の雌岩魚



可愛そうなくらい痩せてはいるけれど何と36センチの雌岩魚、30センチのネツトを大きくはみ出しています
この3尾ともみなヒレピンの尾びれが美しい、これがこの渓の岩魚の特徴といえましょうか?
このあと寅さんは更にロッドを振って35センチを筆頭に激渋の条件にも関わらずツ抜けを果たして『釣る男』の面目躍如と相成った次第です





さて、釣りは刺身のツマとはよく言ったもので
一日のうちで一番楽しい時間というのは釣りの後にやってくるくつろぎの時間にある訳でありまして
この夜も唯々寅さんの振舞料理にひたすら舌鼓を打ちながら幸せな時間が流れてゆくのでございました



お刺身でもいけそうな新鮮なきびなごのムニエルに

 

ちょいとレモンを振りかけて頂けば、カリッ、フワッの食感とバタ-の深い風味に
まるで高級料理を味わっているような感動を『うまっ!』『うんまっ!」の一言でしか
感謝の気持ちを表現できないボキャブラリ-の乏しさを痛いほど感じた夜でありました



きびなごのムニエルの後は、寅さんが越後の海で釣りあげた70センチ、4キロの鯛で鍋を作ってくれました
肉厚の鯛のほか、豚肉、豆腐、シイタケ、シメジ、エノキ、水菜、白菜、長ネギ、ニンジンの10種類の食材を使った鍋は



レモン風味のツユがことのほか美味しくて飲み干してしまい、〆のウドンを煮込む頃には殆どツユが残ってなくて
追いつゆを作る寅さんに心の中で申し訳ないと詫びた次第です(平打ちのウドンも実に美味しゅうございました)





寅さんの絶品料理とランタンの灯りに癒されたオ-ちゃんは
〇ボの無念もいつしか消えていつもの穏やかな笑顔と語り口を取り戻しておりました



美味しい料理とほろ酔い酒と仲間との何気ない語らいが
こんなにも穏やかな心をもたらしてくれる幸せをいつになく感じさせてもらえた一日となりました
唯々心置きなく語り合える親愛なる相棒たちに感謝する次第です!


コメント (20)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南アルプスの小峪に遊ぶ

2022-09-18 01:31:25 | フライフィッシング
平日3日間の休みをとって釣友寅さんとふたり南アルプスの峪に遊んだ
道の駅で待ち合わせイッパイ飲ってから前泊し、翌朝4時半に寅さんのハイエ-スで送迎バスの駐車場へと向かう
不覚にも僕のミスで予約していた7時半の始発に間に合わず第2便の11時半スタートとのっけから大チョンボをかましてしまった

12時半、さわらじまロッジの個室に不要な荷を置いて近場の峪に向かった
先週のオヤマタン釣行の際の扇沢前泊で患った風邪を引きずったままの歩きがことのほか辛かった

本流に架かる橋をふたつ渡ってからジグザクの急な踏み跡を辿って豁に降りる



雨が少なかったためか前回に比べると峪の流れはかなりの減水状態であった



どんなシチュエ-ションでも快調に釣果を上げる寅さんに先行してもらい、、、



激しい咳で体調不良の僕は後からゆっくり釣りあがる



下流域で遊んでくれるのは型の小さいニッコウイワナばかり

 
 

取水堰堤までの区間は峪もさして険しくもなく歩きやすい



小型ではあるけれど寅さんもコンスタントに竿を曲げていた



最後に僕の竿を曲げた8寸岩魚
完璧ではないけれどヤマトの血が色濃く残っている美しい魚体であった
(二日目の釣果もこの日と似たようなものであった)





これは寅さんが僕の目の前で釣りあげた今日一番の良型岩魚、今日の刺身はこの子に決めましょうかね!



ここをダイニングに決めて寅さんが冷麺の準備を始める



少々のツマミと岩魚の刺身で冷えたビールが旨い!

 

体調不良で食欲不振の僕にとって寅さん提供の冷麺が殊のほか美味しくて食が進んだ、夏の川飯に冷麺もいいなあ!



二日目も寅さんが蕎麦をふるまってくれた、食欲不振でもなぜか麺なら美味しく頂ける
麺のお陰で3日間、難なくエネルギ-チャ-ジができて僕の体力も維持することができたような気がする

 

小屋で体を休めるため午後2時に脱渓しようと橋までの急登を登り始めたところで左太ももがプチッ、軽い肉離れだ
消炎鎮痛剤を塗り、膝のサポ-タ-を外して太ももに強めに装着し、更にマジックテ-プで締め上げて何とか小屋に辿り着けた



その後、寅さんはこの橋の袂から入渓して本流を釣り、ほんの2時間ほどでツ抜けを果たし
しかも完璧に近い泣き尺ヤマトまで釣り上げて小屋に帰ってきて写真を見せてくれた



午後5時過ぎ、レストハウスのテラスで飲る生ビールが旨い
閉店時間を過ぎてしまったために3杯目を呑みそこなった寅さんは
ロッジに戻って更に500mlの缶ビールを煽ってから風呂に浸かった
2日間とも貸し切り状態のお風呂が心地よくて、じっくりと疲れを癒すことができた



2日目は3時間歩いて尺ヤマトの峪に案内する予定であったのに
僕の体調不良のために2日間とも同じ小峪の釣りになってしまった
寅さんにとってはさぞかし消化不良の遠征であったろうに不満ひとつ漏らすことなく
北アとはまるで異なる雰囲気の南アの峪にお付き合い頂いたことに感謝しきりです

さああと2週間、皆様がお気に入りの渓で有終の美を飾り無事にシーズン終焉を迎えられますように!








コメント (22)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1日だけの黒部

2022-09-08 02:46:47 | フライフィッシング
8月上旬、釣友寅さんが黒部オヤマタンから龍王岳への単独でのフィッシュ&ピークをやり遂げた
熊との接近遭遇の恐怖や沢源頭からの急登に耐えての完登後、一の越から黒部平への下山路では大転倒し
大量の鼻血と激痛の末、一週間ほどは味覚も嗅覚も失うという大怪我を負いながらの成果にも関わらず岩魚の釣果は惨敗に終わっている
この惨敗が余程悔しかったのかリベンジを果たしたいというので寅さんのリベンジの見届け人としてオヤマタンに同行することとなった

いつものことながら入山前夜は扇沢で呑んで語り、気が付けば午前2時を過ぎていた

                    

寅さん差し入れの日本酒を相棒のオ-ちゃんと二人で気持ちよく呑み干して午前6時まで爆睡した
アルコ-ルが残るふらつく足取りではあってもチタケを探す目だけは爛々と輝いてチタケの方から僕の目に飛び込んでくる



1時間半のCTを30分オーバ-してオヤマタンに辿り着いた、僕とオ-ちゃんの衰えは隠しようがない



オヤマタンも年々渓相が変化し岩魚の付くポイントが少なくなっている



寅さんは上流へ釣り上がり、オーチャンは下流へと釣り下り、僕はこの辺でのんびりロッドを振ってみた



流れのタルミや巻き返しで岩魚はアタックしてくるもののサイズは7寸程度でキープサイズが出てくれない



ようやく8寸ほどのきれいな岩魚に出会えた



ちょうど12時、寅さんが8寸岩魚を2尾ぶらさげて集合場所に帰ってきた
豁の流れで冷やしたビールが喉に沁みる、寅さんもオ-ちゃんも顔や体がひときわ引き締まっているのが羨ましい!



寅さんが振舞ってくれるお蕎麦の前に急いで3尾のイワナを捌いてタタキにする
今日は忘れ物ばかりでオオバもミョウガも忘れてショウガだけのタタキになってしまった



酒肴は質素でも仲間と語らうことで限りなく豊かな時間を共有できるのが嬉しい!

 

本日の収穫の一部、今日はめんつゆのためのナスも忘れてしまっていた



寅さんに十割蕎麦を2枚も振舞ってもらえた
ナスはないけれどチタケの出汁はそれなりに取れていたような気がする
頂いたお蕎麦のあとの蕎麦湯で今日の釣りも川飯も十分に満足な1日として完結できた



真昼のビールが効いたオ-ちゃんは黒部の風にあたりながら気持ちよさそうに落ちてしまった

 

たった2時間の岩魚釣り、寅さんのリベンジをしかと見届けることができた

 

午後4時に黒部ダムに帰着、台風の影響か強風が吹き始めた
1泊の予定を日帰りに変更して正解だったかも、、、、
たった1日、たった2時間の釣りだったけれど十分に満足して今年の短い黒部の夏は終わりを告げた!
コメント (20)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岩魚解禁

2022-07-18 16:50:55 | フライフィッシング
8ヶ月間治まっていた脊柱管狭窄症が再発したようである
今月に入って腰が痛みはじめ、次に右足が痺れはじめて遂に足に痛みが生じてきた
激痛で歩けなくなってしまう前に岩魚と遊んでおきたいと瑞垣の森にやって来た

午前8時半、釣り券を求めて五郎舎に立ち寄ると、今日は朝6時前から沢山の釣り人が立ち寄ったとのこと
本流も枝沢も殆どの車止めに車があって入る沢がない、仕方なく水量が少なくて魚影も薄い最上流部に入ることにした



連日の雨にもかかわらず沢に降り立ってみると水量はご覧のとおりの超渇水状態であった



しばらくロットを振ってみたけれど岩魚の反応は全くなし



諦めて別の沢に移動した、この小渓は釣りにくいためかいつもそこそこ岩魚が残っていてくれる



チビ岩魚をいくつもバラした後でようやく10センチほどの岩魚で片目が開いた、見事にフックが上顎に掛かっている



しばらく遡行すると足が痛みはじめるので岩に腰掛けて小休止、足の痛みが治まるとまた遡行の繰返し



ちょっとサイズアップ、これはフックが下顎に掛かっていて釣り名人に笑われてしまう



ちょっと平坦になったここでまた小休止、一服つけているうちに足の痛みが治まった



あの白泡とヒラキの境から、、、



19センチ弱の鼻の丸い雌岩魚、この小渓では良型の範疇に入る



ここでまた小休止して足の痛みを和らげる、何年か前たまボブさんがここでチビ岩魚を釣りあげたっけ



左側の白泡から14番のテレストリアルを流すと、、、



この日一番の美形の雄岩魚、この小渓で7寸のサイズなら尺上の満足感がある



右側の二つの石の陰から、、、



この小渓の岩魚はおしなべて柿色の腹が見事で美しい



午前11時過ぎに雨が落ちてきた
ひんやりと涼しいこの沢で昼飯を作ろうと食材とビールをザックに詰め込んできたのだけれど
ゲリラ豪雨に遭ったら川飯どころではない、早々に車に戻って頭上を木々の葉に厚く覆われた路肩に移動した



ここなら少々の雨でも濡れることはない
イスとテーブルをセットして心地よい昼寝のための山飯づくりに取り掛かろう
先ずはナスを半分炒めてから刻んだ3個のミョウガと一緒に煮込んでめんつゆを作り氷水に浸けて冷やしておく
残ったナスのショウガ焼き、ウインナとホウレンソウでビールと缶チューハイがイケる
不動滝経由で下山してきた登山者のグル-プが不思議そうにのぞき込んでは話しかけてくる

 

〆は冷やしためんつゆをぶっかけたそうめん、夏の我が家の定番が旨い!



超出遅れの解禁になったけれど涼しい小渓の岩魚は健在で満足の一日にしてもらえた
涼しい木陰でたっぷり午睡のあと、渋滞を避けて午後11時の帰宅となった

帰宅すると注文した本が届いていた



さて脊柱管狭窄症の運動療法、自力で症状を改善できるかどうか試してみようと思います。

コメント (20)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お手軽な避暑

2021-07-25 17:27:56 | フライフィッシング
瑞垣の森にも随分ご無沙汰である
ほぼ1年ぶりに林道沿いの小さな溪に入ってみた
午前6時半、下界はむっとする暑さだというのに溪の中にいるとひんやりと心地よい



苔むした林間の溪を歩いているとまるで太古の森にいるような錯覚を覚える



小さな岩魚がポイントごとにフライを咥えて楽しませてくれる



サイズは如何ばかりか?
これが今日一番のサイズと言えば笑えてしまうけれどなんとも愛おしい



この手前からアタリがぱったりと止まった



更に1時間ほど釣りあがってもサッパリなのでここで納竿して林道に上がった



林道を歩いて下って行くと2か所の車止めに釣り人の車が1台づつ
2か所目の車止めでは3人が釣りを終えて着替えていたので聞いてみた『どうでしたか~?』
『いやぁ、、、』、、、そりゃこの小さな沢に3人一緒に入ったら厳しいよね~




場所を変えて林道脇の木陰の下にテーブルとチェア-を設えた
午後から雷雨との予報なので早めに呑んで昼寝を決め込むことにする

酒肴はお手軽にファミマの冷凍ほうれん草といつものワサビステ-キ

 

炭水化物は冷やした稲庭うどんに辛子めんたいとマヨネ-ズを絡めて刻み海苔をトッピングしてみた

 

これが絶品で焼酎のアテにもなるし、しばらく嵌りそうな予感がする



午後2時前、雷の轟音に目を覚ますと間髪入れずに降り出した雨は豪雨となって林道はたちまち沢状態になった



埃だらけの車もこれでピカピカになる
無料の洗車機に洗車を任せてまた眠りに落ちた




コメント (22)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北アの峪で天泊宴会

2021-06-13 17:33:44 | フライフィッシング
天泊装備を詰め込んだ重いザックを担ぐのは何年ぶりのことだろうか?
酒と食材で満杯になった相棒寅さんのザックは優に20キロを超えてズッシリと肩に喰い込んでいる
釣りに行くのだというのに夜の焚火に想いを馳せた寅さんの眼は既に恍惚状態で朝から虚ろに潤んでいた



午前8時半、寝床を設えてからブランチにしよう



簡単なつまみと寅さん差し入れの笹寿司でビ-ルを飲りながら寅さんが〆の蕎麦を茹でてくれる
午前9時半、焼酎まで飲ってしまった僕はお蕎麦の後の蕎麦湯で完全に落ちてしまった

 

目の前の登山道を1人、次に二人組の釣り師が通り過ぎてゆく、この上には釣り師のテントも1張り
焦ることはない、北アの峪の涼風を受けながら心地よく眠って夕まずめをのんびり釣れればそれでいいじゃないの





さあ酔いも醒めた、これで気持ちよくロツドが振れる
精力的に釣る寅さんはポイントごとに北ア独特の黒岩魚を引き抜いている



僕はこれが2尾目、8寸弱でも柿色の腹と黒い体色が北ア岩魚そのものである



2尾でようやく解禁が叶った僕は充分に満足した
この大岩に横になって寅さんの釣りを眺めているうちにまた眠りに落ちた、峪の風の何と気持ちいいことか!



テンバに戻る途中で3尾目、寅さんは20尾を越えていたが期待した尺上は出なかったようだ




午後6時過ぎ、焚火を起こしてから寅さんが宴会料理の仕込みを始める



その間に僕は、寅さんが仕留めたオレンジがかった美しい9寸岩魚を捌いて2尾を刺身に



1尾をタタキにしてビールを飲りながら寅さんの宴会料理を待つことにしよう



根曲がり竹、信州特産のアスパラとベーコン
アジは新潟の海で寅さんが釣って手造りした35センチの分厚い干物

 

優しい味のポトフは焚火の前では欠かせない一品でございました



この峪の底でまさか根曲がり竹を頂けるとは、、、、



さあビールのあとは寅さんが担ぎ上げて溪の冷水で冷やした福島の酒『夢の香』を頂きます
アジの干物の塩加減が絶妙で日本酒のアテにこれ以上のものがあるのでしょうか、、、できることなら銀シャリが欲しい!



寅さんの確かな舌で紡ぎ出される酒肴を唯々ご馳走になるばかり、こんな時間がいつまでも続けばいいのに、、、、





2日目、寅さんは早朝4時半から釣りに出かけて15尾を仕留めたと言う
僕はこの風景を前にしたら釣りをするのがもったいなくて
寅さんが淹れてくれたコ-ヒ-を啜りながら紫煙をくゆらせつつ
また釣りに出てゆく寅さんを見送ってのんびりと無為に過ごす時間に幸せを感じていた次第でございます



何はともあれ、ようやく両目を開けられた解禁で幸せな2日間となりました
やはり時間の余裕がもてる天泊はいいものですねえ!
寅さん、幸せな時間をありがとうございました!
コメント (22)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

解禁はいつも。。。。。

2021-05-05 16:23:33 | フライフィッシング
コロナ禍のGW、皆さまは如何お過ごしでしょうか?
我らは緊急事態宣言の最中であることは重々承知のうえで人里離れた地にプチ遠征して参りました

ここは夏に釣る溪



雪代の冷たい流れ、大渇水、低い気温の三重苦の中でドライフライで釣りあがるには
ちょいと厳しい条件なのですが溪に立てるだけで喜びを感じるのは釣り師の性なのでしょうか?



ニンフを沈めるオ-ちゃんも竿がしならないまま時間だけが過ぎてゆきます



眩いほどの新緑、溪に咲く花、雰囲気だけは申し分ないんだけれどねえ、、、、





12時過ぎに溪から上がり20分ほど車を走らせていつもの蕎麦屋さんに直行するとナント11組待ちですって
20分ほどで席に案内されて大盛り蕎麦を注文すると今日は大盛りはなし、ならば蕎麦とうどんを一枚ずつ頂こうか

 

鰹出汁で頂く蕎麦はいつもながら美味しくて



初めて味わう手打ちうどんもつるつるしこしこで大満足でございます







さて蕎麦屋さんを出ると空は厚い雲に覆われて冷たい風が吹き始めていた
2日間釣る予定のこの源流帯は潔く諦めて2時間南下して辿り着いたのが此処

誰もいない湖畔の駐車場は強い風が吹いて体感温度はさながら真冬を感じさせる
雨が落ちてきたので急いでタープを張って午後5時過ぎ、七輪に炭をくべて暖を取りながらお湯割りの焼酎を呑み始めた



朝摘みの大量の山ウドは5~6本料理に使って残りは濡れた新聞紙に包んで持ち帰ることにした



午後7時半、泥酔した状態でテントを張って中に潜り込んだ、、、あったか~い!
たった1枚の薄い幕を隔てるだけで冷たい雨と強風から逃れてこんなにも暖かい空間に籠れる有り難さよ!



熟睡して午前6時、散歩しようと外に出ると隣に張られた2張りのテントで登山者が荷造りをしていた
気温2度、雨と風が止んで昨夜の寒さが嘘だったようにとても暖かく感じる、快晴無風のナント幸せなことでしょうか




午前8時半、オ-ちゃんは馴染みのフィッシングエリアで昨日の憂さを晴らすという



僕は流れのないエリアフィッシングは苦手なので雄大な甲斐駒ケ岳を眺めながら山飯でもしようとザックを背に山に向かう



道すがら山椒の大木を見つけたのでカミさんにニシンの山椒漬けを作ってもらおうと袋一杯に山椒の葉を摘んだ

 
 

更に歩いて昨年見つけたタラの芽の群生地に辿り着くとナント無残に切り倒されていて10本ほどしか生き残っていなかった



芽が出たばかりの小さなタラの芽を5個ほど摘んで南アルプスが一望できる場所に腰を据えて山飯にしよう
右側に甲斐駒ケ岳の雄大な岩峰が聳え、その左には鳳凰三山、その奥には雪を頂いた真っ白な北岳を望む特等席を独り占めだあ~!



きのう摘んだ山ウドのキンピラ、ベーコンとタラの芽のソテ-はほんの10分で出来上がった
貧粗な酒肴でも南アルプスの眺望と山の恵みがあればビールと缶チューハイが文句なく旨い!



今日は山ウドをたっぷり添えた贅沢なペペロンチ-ノ、寅さん旨かったですよん!







午後5時過ぎ、中央高速に乗ると電光掲示板には大月~大垂水の区間が110分の大渋滞との情報が、、、
渋滞に嵌らぬように大月で下りると国道20号も大渋滞で動かないので小管経由で上野原に向かう
上野原でも国道20号は相変わらずの大渋滞なので逆走して鶴島に下りて裏道を藤野に向かい
藤野からも裏道を相模湖まで行くと国道20号からはすっかり車が消えていた
あの大渋滞の車たちはいったい何処へ消えてしまったのだろうか?
このミステリアスな現象を解明できる方がいたら是非ぜひ教えて頂きたい



う回路のお蔭でまったくストレスなく走って八王子で軽く夕食を取って難なく帰宅できた
今年の解禁もまた岩魚は顔を見せてもらえなかったけれどそれなりに息抜きができた2日間でございました。
コメント (22)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山トレ第三弾(黒部)

2020-08-19 23:54:50 | フライフィッシング
山トレ第三弾は黒部平の小屋へ
深夜2時に扇沢に着いて軽くイッパイやってから3時間ほど仮眠をとって釣友寅さんと歩きはじめる、とにかく眠い!

そしてナカンタニへ、決してエイヤっとばかりにテレポ-テ-ションした訳ではなくて
楽しみにしていたチタケは1本も摘めず、小休憩した場所にメガネを置き忘れて登山道が霞んで見えたりと
それなりに苦闘しながら4時間ほどかかって辿り着いたというわけで、初日から完璧な山トレと言えましょうか?




何はともあれ先ずは冷えたビールで喉を潤してから寅さんの十割蕎麦を2枚頂いて腹ごしらえ、旨かった~!



さあ釣るぞ~というときになって待ってましたとばかりに雨が降り出して
ついでに僕の足も攣っちゃって動けなくなり苦痛に耐えて鎮痛剤を塗りながら
オレはここまで足を攣りに来たんじゃね~、岩魚を釣りに来たんだ~と悪態をついたりして、、、




仕方なく目の前の流れに竿を出したら今年初めての岩魚が食らいついてきた、これはデカイぞ!




って、たったの7寸、黒部の峪でこれですかい?




2時間ほどして魚留まで釣りあがった寅さんが魚網をぶら下げて帰ってきた




聞けば釣果は10尾ほど、尺の2尾を持ち帰ったのがこれっ!
魚留で35センチを超える岩魚に糸を切られたと悔しそうな顔が印象的でありました




さっそく捌いてヅケにして今晩の酒肴にする
と、この時、椅子にしようと平らな石を持ち上げたら右腕の力こぶがプチっと音がして激痛が走った
腕の肉離れというヤツでしょうか、とにかく痛くて力が入らずやっとの思いで岩魚を捌いたという訳で、、、





2年振りの平の小屋には懐かしい佐伯さんの顔があった
食事を終え、総勢3人の宿泊者と呑みながら佐伯さんと語らったあとはミニライブとなりまして
富山の猟師さんのギタ-と共に古き良き時代の懐かしいフォークソングを皆で口ずさんだりして、、、、






朝食は午前7時、僕はご飯を半分だけ、寅さんは美味しそうに2膳、パワ-の差を感じるひとコマでした。




富山の猟師さんは五色が原で天泊、僕らはオヤマタンで釣って帰ります




そしてオヤマタン、ビールとそうめんで腹を満たしたあと
ロッドも振れない程に悪化した僕の右腕を心配しながらも
喜々として大物を狙いに行く寅さんを見送った僕は少々昼寝して先に出立することにした




道すがら小さなチタケを数本摘んで帰宅後にかろうじてチタケソーメンを味わうことでできた

 

メガネの置き忘れ、腕の肉離れ、年と共にこんな出来事が益々増えていくのであろうか?
何はともあれ山トレ不足でも往復8時間を何とか歩き通せた
今年もまた6日間の飛騨山脈、歩き通せる微かな自信がついたような気がする次第です。
コメント (24)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひと月ぶりの外遊び

2019-11-10 22:02:13 | フライフィッシング
先週の三連休、前半2日間を休んでひと月ぶりの外遊びに興じた。
神奈川も山梨も養沢も自然渓流の管釣りはどこもかしこもズタズタに破壊されて無傷なのはポンドだけ。

エリアフィッシングはあまり好きではないけれどオ-ちゃんお気に入りの山上のエリアに案内してもらった。
ちょっと霞んではいるけれど南アルプスの山並みを遠望しながらのエリアフィッシングものんびりできてなかなか楽しい。




11月の午前9時半だというのに10番のドライフライに40センチを超えるレインボ-が食らいついてくる。




いくつか釣り上げているうちに魚は遠ざかってしまってセブンハ-フのロッドでは届かなくなった。
やむなくオ-ちゃんの9フィート5番ロッドを借りて40センチオ-バ-の引きを更に楽しむことができた。




午前11時頃になると魚は中央の浮島周辺に寄ってしまって5番ロッドでも届かなくなった。
こうなると12フィート7番ロッドを振り回すオ-ちゃんの独壇場になって僕はタバコの吸い殻だけが増えることになる。




傍を流れる沢から水を引いているのでまだ少し濁りが入っている。
岸際にはタニシや小さなエビが沢山棲息している、これを食べるレインボ-や岩魚たちは美食家である。




連休初日だと言うのに釣り人は僕たち二人を併せて7人だけなのであくせくすることもない
昼はビールを飲りながら隣のベンチの釣り人と他愛のない話しに興じながら池のライズを眺めたり、、、、





金欠の我らは宿をとることもなくテントで一夜を過ごした
キャンプ場に天泊したのは何十年ぶりのことだろうか、このキャンパ-の多さにビックリ
でも皆さんマナ-がすこぶる良くて、広大な敷地にびっしりのテントなのに騒々しさを感じることなく過ごすことができました。




この夜の寒さは尋常ではなくて練炭の火鉢と寄せ鍋とキムチ鍋が無かったら凍死していたかも、、、、
僕は飲みかけのビールや缶チューハイをオ-ちゃんに押し付けて焼酎のお湯割りでホカホカになっておりました。




拷問のような冷たいビ-ルで体が冷え切ったオ-ちゃんは極寒の夜に4回もトイレに行ったという次第です。






さて翌日は、杖突峠を越えて高遠まで足を延ばして新蕎麦を味わいます。




高遠城址公園では新蕎麦祭りで賑わっていたのですがこれはパスして
第一候補の壱刻(いっこく)』さんに向かったのですが満杯の駐車場を目にしてこちらもパスして『ますや』さんへ

頂いたのは蕎麦三昧、一枚目は玄






二枚目はぬき






三枚目はいなか、僕たちの好みは一枚目の玄でございました。






2軒目は『紅葉軒』さんで桜花丼と高遠蕎麦を二人でシェアして頂きました。
桜花丼はとろけるような馬刺しを生姜醤油で頂きます、お蕎麦はまあまあといったところなので写真はありません。




3軒目は『紅さくら』さん
バイクと釣りが趣味という蕎麦打ち担当の女将さんが釣った美しい大岩魚の剥製が目に入ります




頂いたのは高遠蕎麦ではなくてもり蕎麦、
この日は個性豊かなお蕎麦を色々味あわせて頂きましたが僕たちの好みは文句なく江戸打ちのコレでございます!




さて、最後は高遠に2軒ある立ち寄り湯のどちらかで〆めようと決めていたのですが
結局は地元に戻って秋山温泉に浸かることになりました、やっぱり地元に帰るとほっとしますわ~!




お蕎麦だって乾麺なのに懐かしい味で何かとっても安心するのです。




今年の蕎麦巡りの旅、あと何回できるのかしら?





コメント (22)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨と岩魚の薬師沢(後編)

2019-09-16 22:08:46 | フライフィッシング
(四日目 赤木沢へ)


天候の安定を待って最終日の今日の決行を決めたのだけれど晴れマ-クが消えて天気予報は曇り時々雨に変わった。
赤木沢までには3~4回の渡渉がある、豪雨になって増水したら小屋に帰れない可能性もあるけれど決行することに決めた。
午前8時にスタート、先ずは左岸を遡行して右岸に渡渉する、深くて水勢も強かったけれどストックを使って何とか突破できた。




ここまで2度3度と渡渉を繰り返したが、先行する寅さんのルーファイはまるでこの遡行を経験しているかのように的確であった。




午前9時過ぎ、ここで寅さんが淹れてくれたコ-ヒ-で小休止




午前9時半、肌を刺すような冷たい流れに胸まで浸かってのヘツリは辛いのでここから左岸を高巻く。
巻道や高巻と聞けば安易で安全かと思いがちであるがここの高巻は決して生易しいものではなかった。
きつくて危険で今までよくぞ転落死する者が出なかったものだと不思議にさえ思えるほどである。
(家を出てから5日目、寅さんの頬には無精ひげが浮かんでいる)




寅さんが先行して登って行くと途中で踏み跡が消えた、寅さんの的確なルーファイで5分ほど進んで踏み跡に復帰できた。
この先に僕が死を覚悟した箇所がある、雪のために熊笹が下向きに密生した垂直に近い壁を横向きに5~6m進む箇所である。

殆ど足場もなく熊笹でつるつるに滑る壁を両手に5~6本の熊笹の茎を鷲掴みにして
慎重に左向きに進んでいるとつま先が滑って両足が壁から離れて宙づりになってしまった。
必死の思いで交互に熊笹を持ち替えながら両腕の力だけで安全地帯に辿り着いて事なきを得たが
もし熊笹の茎が折れたら、熊笹の根が抜けてしまったら、自分の両腕で体重を支えられなかったら
確実に転落死していた筈であり、あの数分間は死の恐怖と必死で戦っていた数分間でもありました。

高巻のてっぺんから眺めるとゴルジュはまだもっと先にまで続いているように見えた。
ここからまた掴まる草木もなく足場も心もとない垂直に近い壁を固定された細いロープ1本で下る、濡れて滑る壁が怖かった~!




さて、この恐怖の高巻を突破して左岸を歩いていると、なんとまだ高巻が残っていた。
2度目を突破してもう終わったぞと一気に脱力して歩きはじめると、まだ残っていたんですわ高巻が。
しかも、この壁も垂直に近いわ、昨夜の雨でつるつるに滑るわ、掴まる草木が1本も生えていないわで
壁を攀じりながら、この壁マジで怖いわ~、帰りにこの壁下りるのイヤだな~、俺この壁で落ちて死ぬのか~
俺生きて帰れないかもな~、なんて本気で恐怖を感じていたら実は寅さんも同じように恐怖を感じていたことを後で知らされた。




恐怖の高巻を何とかやり過ごして進んでいくと、見えたぞ~ナイアガラの滝だ~!




左から黒部本流が、右から赤木沢が出合う正に息を飲むようなこの風景は僕にとっての憧れの地でもある訳で
67歳にしてようやく巡り会えた聖地のような雰囲気に浸って溜息を漏らしながらうっとりと眺め入っておりました(幸せ~!)




赤木沢の奥を覗いて見ると深いゴルジュの奥に小さめだけど落差のあるナイアガラの滝がもう一つ架かり
更にその奥には人を魅了してやまないエメラルドグリ-ンの神秘的な流れがどこまでも続いているのでありました。




雲行きが怪しくなってきたのでのんびりしてもいられない。
慌ただしくロッドを繋ぎ思いっきりラインを延ばして対岸にフライをプレゼンテ-ションした。
何度目かで激しく水面を割って岩魚が食らいついてきた、久々のロングラインの釣りは実に爽快であった。
寅さんも一尾釣り上げたところで雨が落ちてきた、10センチの増水でも渡渉は難しくなる、急いで雨具を着けて帰路に就いた。




ここからまた3度の高巻が始まる、先行する寅さんに8ミリザイルを渡したのだけれど気が重くて足が進まない。
寅さんも同じ思いだったようで泳ぎも覚悟のうえでヘツルことにして少し上流に戻ってから対岸に渡った。
この対岸で流れに入ってみると気分爽快と感じる程度の水温で、胸まで浸かってヘツリを続けて難なくこの流れを突破できた。
みなさん、赤木沢に行くなら高巻は危険です、平水ならネオプレ-ンのタイツとジャケットを付けてヘツルことをお勧めしておきます。




豪雨の増水が恐ろしくてひたすら下り続けてようやく小屋まで辿り着けました。
今日は寅さんと何度手を握り合ったことでしょうか、赤木沢へ無事往復できたのも一重に寅さんのお蔭でした。




無事に小屋に帰還して飲るビールの旨かったこと
僕はちょっと下流に下って小屋の見える大岩に寝そべってビールを飲りながら昼寝
寅さんは薬師沢に入って最後の釣りを楽しみ15尾を釣り上げました(薬師沢に入る寅さんが小さく見えています)

 


3連泊目の食事も実に美味しゅうございました。
今日まで僕が釣ったのは正味7時間、寅さんが8時間半で110尾を優に超える釣果に大満足の旅となりました。








(五日目 下山)



名残惜しいけれど下山です。
下山の朝、小屋のスタッフの皆さんと一緒に写真を撮らせて頂きました。
皆さんのスマイルが実に素敵ですが、僕と寅さんはちょいと緊張気味でございます。




今回の旅の目的は勿論たくさんの岩魚に出逢うこと、そして赤木沢を眺めること
そしてミ-ハ-な僕たちのもう一つの願いが薬師沢のマドンナやまとけいこさんのサインをもらうことでした。
念願かなって、やまとけいこさんの著書のカバ-にこんな素敵なイラストとサインを頂くことができてもう思い残すことはありません。




帰路、最終日にしてようやく黒部ブル-の空の下を歩く幸せに浸れました。




これから始まる急登に備えてクロマメとクマイチゴ?でビタミンCを補給しましょう。

 


延々と登り続けて3時間、ようやく太郎平小屋が見えたときの安堵感といったら、、、、、




さぁここからはもう3時間ちょい下るだけ、ビールも安心してちょっとだけ頂きました。

 


旅の終わりに太郎平を仰ぎ見て、この5日間の旅を振り返りながらちょっとしんみりしてしまいました。




折立に辿り着いて寅さんと手を握り合って乾杯、冷たいファンタの美味しかったことといったらありゃしませんでした。

   


体の鈍り切った僕にとって今回の旅はとてもきつい旅ではありましたが
それを遥かに超える喜びと幸せと感動に満ちた旅になりました。
赤木沢に導いてくれた寅さんには感謝の言葉しかみつかりません。

来年はもう少し体を鍛えて山慣れし、高天原まで足を延ばしたいと考えています。
年を重ねて体力が衰えてきたからこそ来年も目指す夢の地があることの有りがたさに心から感謝している次第です。               

コメント (28)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨と岩魚の薬師沢(前編)

2019-09-08 17:31:16 | フライフィッシング
(一日目 入山)


釣友寅さんの同行を得て5日間の予定で薬師沢に入ることになった。
登山口の折立で寅さんが用意して下さった鮎と鰤カマを酒肴に舌鼓を打って前泊し翌朝7時に薬師沢小屋を目指した。
登山口から4キロ弱の距離で760mの高度差を稼ぐ急登に辟易しながら3時間もかかって第一目標の展望台に辿り着いた。

 


アラレちゃんポイントに至る前から雨が降り始めて展望台辺りからは暴風雨に変わり
寒さに晒されながらダラダラと続く坂道を2時間半ひたすら登り続ける(天気予報は大ハズレじゃね~か~!)
ようやく太郎平小屋が小さく見え始める頃になって雨は小降りになったのだけれど心は既に折れはじめていた。




薬師沢小屋はきっぱり諦めて太郎平小屋にお世話になった(鍛えている寅さんはここまで息切れ一つしていないから驚く!)
寒さにふるえる手で受付をして個室に落ち着き、ぐしょぐしょになった着衣や登山靴を乾燥室に持ち込んでようやく一息ついた。

 



(二日目 薬師沢小屋へ)



初っ端からエラい目に遭ったが二日目は何とかなりそうで午前8時に小屋を発って薬師沢に向かう。




急坂を下りきると第一渡渉点、次の第二渡渉点で我慢できずにそそくさとロッドをつないだ(午前9時半)

 


ここは薬師沢の中俣最上流部、更に分岐を左の沢に入って魚留まで釣りあがる。
型は7寸止まりだけれど鮮やかな柿色の腹のネイティブ岩魚が小気味よくフライを咥えて楽しい!

 
  


勾配のきつい小さなポイントで寅さんが小ぶりの岩魚を釣り上げた、良い腕してます!




更に魚留の小さな滝壺でも岩魚、こんなところも岩魚は軽々と遡上してしまうんですね~!




1時間半ほどの釣りで満たされて薬師沢小屋に向かう、草木も吹く風も既に秋の気配です。




午後1時半、薬師沢小屋でビールと昼食を摂ったあと、薬師沢を出合いから1時間半ほど釣りあがる。




釣れる岩魚は8寸程度にサイズアップ、この日は二人で40尾ほどの黒部岩魚らしい引きを楽しませてもらった。

 


この日の宿泊者は7名、二人分のカイコ棚を一人ずつ割り当てられてゆったりと熟睡できた。

 






(三日目 本流へ)



今日は午前4時から7時までの間、強烈な雨が降り続いた。
午前5時半の朝食のあと雲の平や高天原に向かう登山者が小止みになった7時過ぎにスタートして行く。

 


薬師沢には濁りが入り黒部本流も増水している。




午前11時、少し水が引くまで待ってから黒部本流を1時間下ったA沢出合から釣りあがろう。




左の黒部本流と右の薬師沢の出合に薬師沢小屋が佇む、いい雰囲気ではありませんか?




増水した黒部本流は落差のあるポイントでは恐ろしいほどの怒涛の流れを作っている。




ここは小屋から25分ほど下ったポイント。
1時間下って釣りあがっていたら夕飯までに小屋に帰れないと判断して僕はこの辺りから、寅さんは少し下流から釣りあがることにした。




いったいどれだけの岩魚が入っているのであろうか?
深い流心から12番のテレストリアルめがけて1投ごとに8~9寸岩魚が食らいついてくる。
この下のポイントで5尾ほど、このポイントでは30分ほどで15尾、フライチェンジすればもっと釣れただろうけれどもうお腹一杯です。

 
 


今日だけ、2尾の9寸岩魚の命を有りがたく頂いた。




1尾は刺身に、一尾はみょうがと生姜と醤油でタタキに。




ザックの軽量化のため4回とも小屋にお弁当をお願いした、薬師沢小屋のチマキのお弁当がとても美味しゅうございました。




午後2時半、さあ小屋までもう少し岩魚と遊びましょう!
今日は二人で60尾、尺上は出なかったけれど黒部の9寸岩魚の引きを満喫することができました。




僕と寅さんは連泊メニュ-でした。
ビールもワインもウィスキ-も進んで本日も爆睡と相成りました、幸せ!




明日はこの旅のもう一つの目的にチャレンジです。
夜9時から激しい雷雨となりましたが、果たして朝までに水が引いてあそこに辿り着けるのでしょうか(つづく)
コメント (28)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熱中症世代

2019-08-18 16:27:44 | フライフィッシング
午前6時、今回もチタケを探して小菅の別の山へ入ったのだけれど不発に終わってしまった。
午前9時、約束していた道の駅でオ-ちゃんと合流して奥多摩湖のインレットから上流のC&R区間の釣りに切り替える。

魚がたまっている最下流で釣るオ-ちゃんを置いて僕は上流を遡行した。
15分ほど遡行して雨が降り始めた途端に、たぶん管釣から落ちてきたのであろう良型のヤマメが来た。
雨が上がると遮るものが何もない本流は気温が急上昇して頭や首筋に水をかぶりながら歩いても遂にダウンの時を迎えることになった。
目まい、頭痛、倦怠感、これは熱中症に違いないと急いで車に戻って木々に覆われた涼しい支流に逃げ込むことにした。




スポ-ツドリンクを飲みながらふらつく足で支流を少し歩いて




ここでウェーデインシュ-ズも山ズボンも脱ぎ捨てて腹這いになって全身を冷たいプールに浸してクールダウンした。




小一時間ほど水に浸かったり上がったりを繰り返していると症状が少し収まったので
釣りを再開したものの全身がダルくて集中力も減退して釣りにならずここで納竿とした。




午後2時前、本流に戻るともうムリとオ-ちゃんから電話が入った。
彼も熱中症にやられて休んでいたようで早く上がってビールを飲りたいとのたまう。

小管の湯は駐車場が満杯のため1時間半走って秋山温泉に逃げ込んでようやくビールにありついた。
このツマミ付きのビールセットが680円とお安くて僕は2杯、オ-ちゃんは3杯飲って閉館まで爆睡した。




熱中症にビールが良いのか悪いのかは分からないけれど
我らは既に熱中症世代に突入している訳で過信は禁物、くれぐれも死なないように気を付けたいものでございます。
コメント (26)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする