山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

ちょっとだけ山籠もり

2011-10-31 23:17:48 | 山歩き.散歩
どういう訳か今年は異常なくらいに忙しいのです。
忙しい時ほど山を歩きたい、山で眠りたいという心の叫びが沸々と湧き上がってくるのです。

疲れ切った体でピ-クハントなんて望むべくもありません。
ただ山を森を樹間を彷徨うだけでいいのです、ほろ酔って山に眠り山と同化できればそれでいいのです。
ただそれだけで心と体が解きほぐされて生気が蘇るような気がするのです。


 




白樺はすでに葉を落とし、ダケカンバやモミジが終わりゆく秋に彩りを添えています。








春には山菜を、夏にはイワナを、秋にはキノコを、冬には幻想的なモノト-ンの世界を
この森は四季の移ろいと日本独特の侘び寂びをひときわ感じさせてくれる僕の大好きな世界です。


 
 




つがいの岩魚たちは、この小さな沢に次の命を託して自らの命を全うしようとしていました。







2時間ほど森を彷徨って今日の棲家を探しあてました。
大きな岩と小高い岩と木々に囲まれたとても落ち着ける僕の好みの空間でした。








ひっそりと独りの夜を過ごすのにはこんな空間がいいのです。
張り終えたテントにもぐりこむとフカフカの落ち葉の感触がとても心地よいのです。








午後2時半、遅めの昼飯の準備にとりかかります、この時間がいっちゃん落ち着くのです。
前菜は白菜とシメジの塩バタ-蒸し、少々の塩とバタ-と胡椒でホイル焼きに、早くて簡単でビ-ルに合うのです。
半分食べて、残りの半分はもみじおろしとポン酢でさっぱりと二つの味を楽しみましょう。


 




今日の食材は白菜、シメジ、エノキ、卵、牛の切り落とし、シャウエッセン、これですべての食事を賄うのです。







麺つゆを3倍に薄めてフライパンに、


 




沸騰したら、すき焼きの具材を並べましょう。








麺つゆだけのすき焼き、美味しくない訳がありません。









ビ-ルのあとは赤ワイン、美味しくない訳がありません。
安上がりだけれどちょっと豪華な山飯、絶品でございました。


 




〆は稲庭風細うどんを煮込みます。
牛肉とシメジのエキスが浸み込んだウドン、美味しくない訳がありません。
秋と冬の山では毎回これにしようかと思わせるほどの山飯中の山飯になりそうな逸品でございした。


 

             




午後5時過ぎ、疲れを癒すには山で眠るに限ります。
今日は冬用のシュラフ、防寒着がなくても快適な夜を過ごせるのです。
これにスリ-シ-ズンのダウンシュラフを組み合わせれば厳冬期も無敵です。








ぐっすり眠って10時過ぎ、静寂を破る甲高い鹿の鳴き声に目を覚ましました。
テントの外に這い出ると天空には満天の星が輝いて感動せずにはおられません。
感動するとなぜかお腹がすくもので、ワインをやりながら白菜たっぷりの辛ラ-メンを食べてしまいました。



  

             


誰もいない静寂の森に独り、こんな夜が一番好きかな!





午前7時、朝日がさしてきました。









暖かい食事を摂って


 




テントを撤収して、さあ帰ったら今日もまた仕事です。






山は元気と命の源、そんなことを教えてもらったプチ山籠もりでございました。
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完敗のみずがき

2011-10-16 20:57:19 | キノコ狩り
終わりゆく秋の八つでテン泊しようと考えていました。
でも時間がとれず急遽、今年最後のキノコと決めて瑞垣にやってまいりました。






山に入ったのが午前11時、これでは勝負になりません。
夜明け前に鹿が山を一巡し、そのおこぼれを朝一で入った人間様が頂いた後の廃墟の山には何も残っておりませんでした。







少しばかりの天然シイタケと取り残しの小っちゃなヒラタケでは食材にもなりません。







仕方なくミズナコブでも摘んで味わおうとヤマトの沢に入ったのですが台風の大水でミズも全滅しておりました。
この時期のミズのコブはタタキにしても浅漬けにしても美味しいのです。いやあホンマについてなかとですねえ。






でも一つだけ嬉しいことがあったのです。
沢を覗いてみると連続する小っちゃなプ-ルの殆どにヤマトらしき岩魚がペアリングしているのです。
仲睦まじく遊ぶ岩魚の姿に感動すら覚えてしまいました。ここは来年もそっとしておきたいと思います。









という訳で、今日の収穫は何もありません。
それでも山の楽しみはいくらでもあるのです。
先ずは薪を集めて焚火、これがあれば何もいりません。









遅い昼飯というか早目の晩飯と言いましょうか、山では何を食べても美味しいものです。




 







午後5時半、辺りは暗くなり始め空気も少し冷えてきました。
お腹が満たされて酔いが回ったら温々のシュラフにくるまって野宿です。






こうして一日が過ぎてゆくのもまんざら悪いものではありませんね!




コメント (26)
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