山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

シルバ-ウィ-ク

2021-09-25 15:16:44 | 山歩き.散歩
今年のシルバ-ウィ-クのメインは黒部の平の小屋に投宿して岩魚と遊ぶ計画でありました

<1日目>
雨が上がった日曜日、連休の人混みを避けて瑞垣の森でハナイグチを見つけて山飯でもしようとこの小さな沢を渡ります



雑木林を抜ければカラマツ林、、、なのですが、かつては林立していたカラマツも伐採されて今ではまばらになっています



キヌガサタケやカラカサタケにも出逢いますが美味しそうじゃないのでパスします

 

2時間徘徊して見つけたのはこのハナイグチ3本だけ、他の入山者も殆ど絶望的な成果に諦め顔でありました

 

この貴重な3本のハナイグチ、湯せんして冷水で洗ってからもみじおろしとポン酢で美味しく頂きました



さて十分に仮眠をとってから午後6時、扇沢に向かうと電気バスの駅の遥か手前で車を止められまして
駐車場が満杯のため明日もここからシャトルバスでピストン輸送すると告げられ仕方なく小屋の予約は順延となりました



<2日目>
さて2日目は暇つぶし、奥飛騨で温泉に浸かって飛騨牛とお蕎麦でもと考えていたところに
飛騨地方震源の地震が発生したとのニュースを聞いてそれではと北信の立ち寄り湯に変更して
『まだらおの湯』でのんびり午睡を愉しんだり読書をしたりと久方ぶりの骨休めの一日となりました

 




<3日目>
21日(火)の平日、扇沢の駐車場も電気バスもガラガラ、天気も快晴で気分爽快に歩きはじめます

 

オヤマタンでちょっとだけ竿を出そうと遡行し始めた途端に油断して浮石を踏んでしまって痛恨の捻挫、痛くて早々に納竿です

 

チタケの季節は過ぎていて1本もみつからず、この百段百段の登り降りも辛くて



いつもの2倍の時間をかけてようやくナカンタニに辿り着いたものの
ゴロタ石の沢を遡行するのは困難で目の前の流れにフライ投じてチビ岩魚を2尾、もちろん黒部岩魚の刺身は諦めるしかありません



チタケうどん用に持参したナスと岩魚のタタキ用のミョウガを使って貧粗なうどんとビール、なんとも侘しい川飯だこと!



足を引きずりながらやっとの思いで平の小屋に辿り着けました



この日の宿泊者は4人、しかも釣り人だけでした
左の小鉢のキノコはホコリタケの幼菌の煮もの、あの踏んづけるとホコリが飛び出すアレなんですね
ホコリタケの幼菌は食べられると知ってはいたのですが、まさかこんなに美味しいとは思いもしませんでした

 

これはナラタケの味噌汁、富山ではボリボリと呼ぶそうでヌメリと歯ごたえのある美味しいキノコです

 

この夜も小屋主の佐伯さんを交えて釣りやキノコの話に盛り上がりつつ11時過ぎまで呑んでしまいました





<4日目>
さて一夜明けて、足の痛みは昨日よりも強烈で連泊しての釣りは諦めてゆっくり歩いて帰路につきました



なんだか佐伯さんの話を聞きながら呑むために来たようなものですが、こんなこともありますよねえ(2年連続ですが)



そろりそろりとしか歩けない身、せっかくですからキノコでも探しながら歩きましょうかね
この季節はナラタケ祭り、もうこんなのが20か所以上もあってより取り見取り状態で楽しいったらありゃしません

 

これはもう完璧な極上品でございます、鍋にもウドンの具にも欠かせない存在でございます



ブナハリタケもあちこちのブナの倒木に鈴なり、季節外れのタマゴタケは1本だけ寂しそうに佇んでおりました

 

傘の裏に針のような突起のあるブナハリタケ、言い得て妙ではありませんか(煮ものにするとしっとり美味しいキノコです)



モミやツガの木が並ぶ登山道には乾いたハナイグチが並んでおりました

 

苔に隠れてこんな可愛いハナイグチがいくつも見つかりました
右のキノコはスギタケモドキでしょうか、以前は可食でしたが今では毒キノコに分類されています

 

いやぁキノコのお蔭で意識せずにのんびり歩けたことで足の痛みもさほど感じることなく最後まで歩き通すことができました



黒部ダムに辿り着いたら必ずこれで締めくくり、これを頂きながらの一服の美味しいことったらありゃしませんね~!





<5日目>
最終日は小菅の湯に寄り道して、温泉で疲れを癒してから家路に着きました
今年もアクシデントに見舞われながらもキノコのお蔭で良い締めくくりができました!




コメント (20)
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ロ-カル線沿線 蕎麦巡り

2021-09-09 01:05:58 | 蕎麦、うどん、ラーメン
今回は平の小屋に投宿して黒部の峪で岩魚と遊ぶ計画でありました
駄菓子菓子、大雨にめげ、かつ酒好きの小屋主が不在という寂しさにもめげて方向転換と相成った次第です

『雲の平さん(ブログ友達)』の記事にアップされた鬼無里の蕎麦の写真を拝見して
あぁ、しばらくお蕎麦にもご無沙汰しちゃったなあと思った途端に無性にお蕎麦が食べたくなって、、、、

さあどこ行こう、第一候補は福島の喜多方を起点に磐越西線~飯山線~只見線沿線の名店巡りだったのですが
そういえばと、お休みしていた富倉『はしば』のおばちゃんに逢いたくなって飯山から巡り始めることに決めた次第です。

9月4日(土)午前9時に飯山の道の駅着、ちょいと大雨の影響を確認しようと湯滝温泉下のカヌーポ-トへ立ち寄ると
千曲川の水嵩は70~80センチほども上がっていて川幅一杯に増水、こりゃ黒部の峪もあかんよね~と少し諦めもついた訳でして、、、



先ずは『はしば』さんへ、ところが入り口の看板は『休店』の張り紙が雨に打たれてヨレヨレになっておりました。
もう何年もお休みとはもしや、、、お店がなくなるということは懐かしい人にも逢えなくなるということなんですよねえ!

さて気を取り直して、こうなりゃアソコまで走ってしまおうか?



12時20分、ここは新潟県只見線の大白川駅舎2階にある『平石亭』さん、自宅からここまで約500kmも走ったことになります



席はほぼ満席、先ずは『どぶろく大白川』で喉を潤しましょう
どろっした酸味のある発泡酒のような爽やかさ、こりゃお土産に1本買って帰らなくちゃね~!



注文したのは『鬼面そば』
お蕎麦は大盛りでとお願いしたら、だいじょ~ぶ、超大盛りになってますから、、でございました
先ずはからっと揚った5種類の野菜のてんぷらと小鉢(ぜんまいときくらげの白和え、山菜の漬物)の味が懐かしい!



すぐにお蕎麦も運ばれてきました
きりりと角が立って、噛めばきゅっと音が聞こえそうな凛々しいお姿でございます



2杯目のどぶろくを頂きながら一口啜れば、あぁぁぁ、、、もうヘタな解説は必要ありませんねえ!



お蕎麦が美味しくて、もう一枚味わいたくて、とろろ蕎麦を追加してしまいました(これは並み盛りです)



うぅぅぅむ、お蕎麦が実に美味しい!
一気に500kmも走ってここまで訪ねた甲斐がありました





さて、宿が取れなかった1日目は鏡ケ池に隣接する『道の駅いりひろせ』で仕方なく車中泊となりました 
鏡ケ池の遊歩道をぐるっと小一時間散策してから『湖上レストラン鏡ケ池』を覗くと『ごっぼう蕎麦』の看板に引き寄せられて、、、



山ごぼうの葉を繋ぎに使った『ごっぽう蕎麦』 これ、オヤマボクチ(山ごぼう)の富倉蕎麦と同じなのかしら?
薬味は山葵、刻み葱のほかに天かすと砕いたクルミが添えられていました



ひと口啜ると、なるほど適度なコシと滑らかな喉越しは富倉蕎麦にちょいと似ているけれど、打ち手によって蕎麦も変わるものですねえ



一夜が明けて小雨の鏡ケ池を散策しているとナラタケ(サワモダシ)の株を見つけましたが食べる予定がないので惜しいけれどパス






二日目、先ずは津南の『とみざわ』さんへ、暖簾が掛かると同時に入店して席は地元の方々でほぼ満席



へぎ蕎麦を頂きたかったのですが3人前からなので泣く泣く諦めて注文したのは大盛り蕎麦



ふのりという海藻を繋ぎに使ったお蕎麦は適度なコシの強さと滑らかな喉越しで満足の一枚でございました



さて二軒目は本命の『そばや清兵衛』さん、十日町駅から20分ほど山に向かって車を転がして辿り着いたのが民家が3軒ほどの此処
二階に上がって女将さんの前で来訪者の記帳をするのですが、コロナを気にして東京からですが入れてもらえますかと訪ねると
まぁ東京からお出でて頂いたなんて嬉しいじゃありませんか、どうぞどうぞと招き入れて頂いて思わず感激したことは言うまでもありません



店内はほぼ満席、かろうじて空いていた小上がりの一席につくと卓上にはクルミなどが置いてあって砕いてご自由に薬味にどうぞと書いてある



先ずは、まさかお蕎麦屋さんで頂けるとは思いもしなかった旬のジュンサイをば
酢醤油の強い酸味が実に爽やかで叶うならば日本酒の冷やをぐびっとやりながら味わえれば昇天していたかもね~!



注文したのは、へぎ蕎麦2人前、薬味は山葵と刻み葱と天かす、添えられた茄子の天ぷら一本が嬉しい
そばつゆのおちょこが無いので薬味の入った小皿にそばつゆを注いで頂こうとしていると
あらま~ごめんなさいねえ、それ薬味皿なんですよ~と花番さんが急いでおちょこを持ってきてくれまして、、、



どうですかこのぬめり具合、つなぎに海藻(ふのり)を使った滑らかな喉越しが見ただけで想像できますよね~!



ひとくち啜れば、おぉぉぉぉたまりましぇ~ん、適度なコシの噛み心地とつるっとした喉越し、病みつきになりそうです!



へぎ蕎麦を堪能してテーブル伝票を見ると、もり蕎麦950円、追加650円、じゅんさい400円、合計2000円と書いてある
僕が頂いたのは、へぎ蕎麦2人前2650円とジュンサイ400円の〆て3050円、女将さんを呼んでこれ違ってますけどと伝えると
いいんですよ~、わざわざ東京からお出でてくださって嬉しいじゃありませんか、是非また来てくださいませねえと返されて
押し問答するのは差し控えて遠慮なくご厚意に甘えさせて頂くことにした次第でございます(こんなお心遣い嬉しいものですねえ)



二日目の夜も宿が取れずに飯山の道の駅で車中泊、また腰を痛めそうだ
キャンピンクカ-は無用の長物だけれども、せめて大の字に足を延ばして寝られる車が欲しいと痛感した二日間の車中泊でございました

黒部の岩魚釣りは叶わなかったけれど、いつかは訪ねたいと思っていたローカル線の蕎麦巡り、ようやく叶って大満足の旅となりました(完)
コメント (22)
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