山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

ほっこり飯山の旅

2014-10-29 01:05:11 | カヌ-ツ-リング
僕の第二のふるさと飯山を訪ねました。
幼馴染のオ-ちゃんがどうしても釣りをしたいと言うリクエストに応える旅でした。

ここは飯山の寅さんが足しげく通う冬でも釣りができる清流、この日は京都ナンバ-など日本各地からの釣り人多数。
ここで寅さんは50センチを超える見事なブラウンやレインボ-を幾つも釣り上げて腕が腱鞘炎になるほどの釣果を上げている。





釣りの後で鬼無里村を訪ねた。
里の紅葉も鮮やかで美しいのだけれど僕はビ-ルと蕎麦がいい。
名の知れた蕎麦屋は2時間待ちの行列ができていてうんざりする。
探してみると身を隠すようにひっそりと佇む『おに屋』さんに辿りついた。





十割蕎麦、しかも新蕎麦、きりりと角の立った蕎麦は薫り高く満足の喉越し。
それにも増して、娘さんなのだろうか若い二人の花番さんの心地よいもてなしが心に残った。





午後5時前、今日の宿のロッヂに入る。
ぎっくり腰の僕は明日の千曲下りに不安を感じていたのだけれど
訪ねてきたくれた寅さんの『下りましょうよ』の一言に背中を押されて決心をつけた。
ロビ-で一服してから浴衣に着替えて野沢温泉を散策し外湯に浸かって体をほぐした。





ロッヂの夕餉を楽しみにしていた、ビ-ルが喉に染みる、このあと更に4品が供された。





ナメコ、ヒラタケ、ムキタケ、ナラタケ、クリタケ、香茸など具材豊富なキノコ鍋、素材を生かした優しい味わいに思わずほっこり癒される。




とろりとした食感のナメコ、肉厚のヒラタケとムキタケ、ちょっと苦味風味の香茸と様々なキノコの味と食感を堪能した。
カレイとキノコのホイル焼き、アケビのひき肉包み、ブナハリタケの煮物と酒好きにはたまらない酒肴が並ぶ。

 
 



ビ-ルを3本空けたあとはお酒に切り替える。
同宿した方々が引き上げてからも呑み続けた。
どうぞ時間は気にせずに楽しんで下さいというご主人の心遣いに甘えさせていただいた。





天ぷら三種、サクッと揚がったクリタケ、ヒラタケ、ムキタケのジュ-シ-な食感が忘れられない。



 



〆はキノコ鍋の残り汁で作って頂いたス-プ雑炊、加えられたキノコと併せて最後まで優しい味が嬉しかった。



 




朝食は懐かしい釜炊きのご飯、これ絶品でございました。
しかも朝から6品、中でもご主人手作りの『ほうてき豆腐』はふわふわでクリ-ミ-な食感に昇天してしまいそう。
(ほうてきとは、飯山の方言でふわふわの新雪を表すのだそうです)

 
 




午前9時、寅さんと約束した場所に向かいます。
このバイク、なんともいえぬ味わいを醸しているのです。
寅さんが淹れてくれたコ-ヒ-をすすりながら一服、心憎いほどのお心遣いに感謝です。





快晴の千曲に舟を漕ぎ出して、ただひたすらに心地よい浮遊感に酔いしれます。





舟を止めて一休み、あの稜線が信越トレイルの山々だと寅さんが教えてくれました、いずれ歩きたいと思っています。





4年ぶりのプチツ-リング、ちょっとパドリングのあとにまた手を止めて浮遊感に浸る、なんとも贅沢な時間でございます。





湯滝温泉上流の瀬、ここを越えれば千曲の短い川旅も終わります。







カヌ-ツ-リングの後に寅さんが連れて行ってくれたお蕎麦屋さん。





3人前はあろうかという超大盛りの富倉蕎麦、これ常連客盛りだそうで常連客の寅さんに感謝です。
ちょっと太打ちの腰の強い食感を堪能できました。







今までノ-マ-クだった長嶺温泉、この温泉も寅さんに連れて行ってもらいました。
源泉かけ流し、ちょうどいい湯加減、やはり地元の人の強みですね。





広間では大勢の方々が集まってのカラオケ発表会、僕たちもビ-ル片手に楽しませていただきました。

 


釣り、山、カヌ-、温泉、山菜、キノコ、馬刺し、お酒、僕が求めるものすべてを満たしてくれる飯山。
そしてさり気なくもてなしてくれる寅さんの存在、ふらっと飯山を訪ねてしまう条件が揃いすぎているのが僕にとっては致命的なのでございます。


今回も、のんびりほっこり命の洗濯をさせていただきました。
友のさり気ない心遣いに重ねて感謝したいと思います、ありがとうございました。



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ダブルストックの功罪

2014-10-19 23:43:57 | 山歩き.散歩
10日ほど前にちょっとした不注意でギックリ腰をやってしまった。

冠雪する前に相棒と北穂高に登ろう計画していた。
北穂から槍へと続く大キレットの荒々しい稜線を眺めようと計画していたのだけれど
それは潔く諦めてリハビリ登山に切り替えた。霧に煙るブナとミズナラの森も、これはこれで幻想的で美しい。





きのこも沢山出ていた、このキノコは割って実が白ければ食べられるそうだが食指が伸びない。






これが全部ウニならば僕はここでテン泊して酒宴をひらいていたことだろう。





ここで山飯の準備をしていたら老夫婦が通りかかってしばらく話に興じた。
ご主人はナント79歳で、大病をしてしばらくは寝たきりの生活を余儀なくされていたと言う。
若い頃から山を続けていて今もご夫婦で山を歩くのが生甲斐なのだと言われた。
右手のストックを見やりながら、山にはすまないと思うのだがストックのお世話にならないと歩けなくなったと嘆いておられた。

ストックが山にダメ-ジを与えてしまうことを気にかけておられるのが良く理解できた。
僕も膝を痛めていた頃は主に下山路でストックのお世話になったものだが回復したこの2年ほどは殆どストックを使わない。





3年ほど前に読んだ本を思い出した、方々の山小屋の主人の話をまとめたもので参考になるものがいくつもある。
そのなかに「ダブルストックは山を駄目にする」というセクションがあるので紹介しておきたい。

「昔はストックを突いて山を歩く登山者をあまり見かけなかったが、中高年が山に来るようになってから
殆どの人が使うようになった。 山でやめてもらいたいことのひとつだ」

「ストックを突くと登山道に穴が開いて荒れてしまう。特に雨の日など20人ほどの団体客がダブルストックで山を歩いた後は
登山道が畑のように掘り起こされて無残だ。それで済めばいいが、そこに水が溜まり泥田のようになってどんどん崩れていく。
後から来た団体がそれを嫌がり、その横を同じようにダブルストックで歩く。すると瞬く間にもう1本道が出来て荒地が広がるばかりだ。
ダブルストックを使う前に足腰を鍛える方が先決なのではないか。」 こう結んでいる。

山雑誌や山具店がストックの効用を説くのに対して、山が荒れていく現場を目の当たりにしている方々の危機意識は極めて対照的である。


                 



山の本や登山用具店の勧めもあるのか、今では若い登山者がファッションの一つのようにダブルストックを使っているのが目につく。
なにも団体でなくても1日100人の登山者が山を歩けば、1歩進むごとに200個のダメ-ジを山に与えることになる。
ストックを使うことで膝への負担も体力の消耗も軽減し山歩きが楽になる、僕もいずれまたストックのお世話になるときが確実にやって来るだろう。

それでも今は、山小屋のご主人が言われるように「ダブルストックを使う前に足腰を鍛える方が先決なのではないか」、この言葉を肝に銘じて
出来る限り山にダメ-ジを与えないように山を楽しんでいきたいと考えている次第です。









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小さい秋

2014-10-06 08:50:03 | キノコ狩り
山はもう秋の気配に包まれています。
爽涼の森を大菩薩に向けて歩き始めると
2組の初老のご夫婦が山栗を拾っていました。





僕も足を止めてほんの10分ほどでこんなにたくさん集まりました。
山栗は小粒なのですが、茹で栗や焼き栗にするととても甘いのです。





この日も何人もの地元の人たちがキノコ採りに入っていました。
この人たちは舞茸を探すそうです、僕にはちょっと舞茸探しはムリだな。





ミズナラの森に入ると雑きのこがいっぱい、これはヒラタケ、てんぷらやキノコ汁が美味しい。





ナラタケ、これもきのこ汁に。





クリタケの株、今回はパスタの具に使いました。
これからクリタケのシ-ズンが始まりますね。





ハナイグチ、寂しいけれどこのキノコのシ-ズンも終わりです。
カラマツと雑木が混生するこの森はハナイグチや雑きのこの種類が多くて楽しい。





幼馴染のオ-ちゃんが付知川で釣った鮎を届けてくれました、ついでに秋の山の打ち合わせ。





さっそくご相伴にあずかります。
背の身を一口、時間をかけて焼いた鮎はふっくらとして実においしい。





渓流シ-ズンも終焉となり、色づいた山をのんびり楽しむ季節となりました。

今回も沢山のキノコを収穫できました。
登山そのものにも十分に満たされるのですが
秋の恵みを収穫して味わうことも山ならではの楽しみ方のひとつでございます。




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