山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

山菜シーズン終焉

2022-05-30 00:33:52 | 自然薯 山菜
5月29日大安、締切り期限ぎりぎりの超過密スケジュ-ルの業務がすべて完結した
動悸が起きるほどの緊張の連続から解き放たれると一気に倦怠感に襲われて腑抜け状態に陥る
せめて1日だけでも眠り続ければ疲れが取れるのに山に癒されたい衝動に駆られる山屋の習性が悲しい

午前6時、3週間前に野宿した厳道峠



左に進めばムギチロ~入道丸へ、右に進めば道志の赤鞍ケ岳に至る

 

初っ端から始まる針葉樹林の急登を15分耐えれば尾根道に辿り着く



ここからムギチロまでは広葉樹の穏やかな尾根道に癒されながら快適に進む



3週間も外界と隔絶されていると花や木々の緑が感動するほどに眩しい

 



CTに少し遅れてムギチロ、ここは数年前に綱子峠を経由して歩いたことのある懐かしいポイント
平野峠への道を少し進むと谷底に身を投じるような急降下、帰路の急登を思うと気力が萎えて潔く引き返した

 



午前9時半過ぎ、フライロッドを携えて岩魚を釣りながら山菜を摘もう、同じ山梨でも場所を移すと雰囲気はこんなにも変化する



岩魚の気配むんむんなのに疲労のためか釣欲が湧かず最後までロッドを繋ぐことはなかった



小1時間ほど小渓を遡行しながら山菜を摘んだ、左から時計周りにミツバ、ミズ、シドケ



左上のシドケのお浸しは麺つゆで、右上の三つ葉のお浸しは醤油で(卵と炒めても美味しい)
ミズは葉を取り除き皮を剥いて塩昆布を和えて揉めば15分ほどで美味しい酒肴が出来上がる



今年最後の山菜をツマミにビールが旨い!
〆は韓国風そうめん、暑い日には氷水で割ったキムチ鍋の素に酢を加えた冷たいスープが旨い
トッピングのキムチと煮玉子とスライスしたきゅうりでビールがもう一杯イケちゃう

 

今年は適期を逸して伸びすぎたハリギリに笑われた
代わりに小さな山椒の木を持ち帰って鉢に植えた

 

3週間前に摘んだ山椒の若芽でこしらえてもらったニシンの山椒漬け
沢山作って常備食にすれば酒のアテにご飯の伴に美味しく頂けます



ほんの2時間ほどの山歩きなのに体を動かした疲労感が心地よい
梅雨入り間近、雨はしっかり降って欲しいけれど週末だけは晴れて欲しいものでございます!
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新緑の山

2022-05-08 11:37:43 | 自然薯 山菜
今年のGWは事務所を10日間お休みにしたのだけれど5月は1年のうちで2番目に忙しい
僕はひとり前半の6日間を仕事の時間に充てて5日~6日の2日間を休みにして新緑の山を歩くことができた

午後から秋山村の山に入ってタラの芽を探すも一番芽は殆ど摘まれていた
阿寺沢の最源流に場所を移してひんやりと涼しい細流の斜面を探すと食べごろのタラの芽と独活が残っていた
タラの芽は持ち帰って天ぷらに、たっぷりの山椒の若芽はニシンの山椒漬けにしてもらって珍味の酒肴を楽しめる

 
 

峠道の途中の路肩で早めの夕食にした、あの山の右手に今夜天泊する峠がある



味噌で味わう生の独活も、一味を振ったキンピラも独活独特の香りを楽しみながらの酒が旨い
〆は独活をたっぷり具に加えた大盛りのペペロンチ-ノ、摘みたての独活尽くしの口福感に浸りながらひと眠りした

 


午後7時前、夜の帳が下りた秋山村と道志村を結ぶ厳道峠、今夜はここでテントを張って一夜を過ごそう
芝生を敷き詰めたような峠の緑の平には先着のテントがひと張り、若者がヘッデンを灯して夕食を楽しんでいた



挨拶を交わして若者の隣にテントを張って独活のキンピラと白州の水割りをお裾分けしながら話を聞くと
今日は富岡~阿夫利山~金波美峠~厳道峠を、明日は赤鞍ケ岳~朝日山~菜畑山を縦走して道志に下り紅椿の湯に投宿すると言う
お若いのになぜに地味な山域の縦走をと問いかけると、人の少ない静かな山歩きが好きなのでと僕後好みの嬉しい言葉を返してもらえた




翌朝、若者と別れの挨拶を交わして、さて今日歩く山をどこにしようか?
特に当てはない根無し草の旅だけれどふと新緑のブナの森を歩いてみたくなった



松姫峠を午前8時過ぎに歩き始めて45分も費やして鶴寝山、雪の残る富士を眺めながらの一服が旨い



大菩薩に向かって狩場あたりまで歩いてみようか?



眩いブナの新緑の開放感が実に心地よい、見慣れた風景だけれど来てよかったとつくづく感じさせてもらえた



CTを1時間も遅れて狩場を折り返しここで昼飯にしようか



ビ-ルのアテにと独活を調理していると介山荘に泊まるという同年輩の方が通りかかって『おっ、独活ですな』とのぞき込んできた
独活が大好物だというので残っていた1本をお裾分けすると『なんと天然物ではないですか』と大層喜んでくれて
お返しにと昨日小管で買ったという行者ニンニクを2本、さっそくお浸しにしてビールのアテとラーメンの具にして美味しく頂いた
今回はこんな出会いが二度もあって思わず頬がゆるんでしまう

 

行きも帰りもブナとミズナラの新緑に癒されながらの幸せな時間を過ごすことができた

 

ただし70歳なりの決定的な課題も突き付けられた
松姫峠~狩場までの往復に6時間を費やしてしまった
昨年までなら昼食時間を挟んでも4時間半で歩けたものをと愕然となった
これはもう本気でトレーニングしないと黒部の釣りも長い山旅も夢に終わってしまいそうである(悲)
コメント (21)
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