山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

名もなき小渓に憩う

2018-07-15 16:23:17 | フライフィッシング
かれこれひと月も休みが取れずに悶々としているときに釣友の熊さんから誘いがあった。
林の中の小渓だけどネイティブ岩魚が釣れて人もいなくて涼しい渓を見つけたと言う。
これは正に釣りに憩いを求める我らの理想郷ではありませんか、誘いに乗らない手はありません。
なんとかやりくりして現地に辿り着くと、いい雰囲気の小さな沢が林間を縫うように流れている。




午前8時半、熊さんに上流域を譲ってもらって遡行を始めると




型は極小だけれど腹の黄色いネイティブがポイントごとにフライにアタックしてきて実に楽しい。




遡行するにつれてこんな落ち込みが適度に現れて型も7寸ほどにサイズアップする。




そして中流域のこんな小さなポイントで信じられないことが起こった。




2番のグラスロッドを弓なりにさせたのは腹の柿色も美しい32センチのネイテッイブ岩魚であった。




名もなき小渓恐るべしである!




ここでは泣き尺の岩魚に出逢えた。




どういう訳かフラッシュが発光してこんな画像になってしまったけれど、これも美しい岩魚であった。




ここから上流は流れも極端に細くなって岩魚も釣れなくなった。




11時に待ち合わせの場所に戻ってから
1尾だけキ-プした岩魚で焼き枯らしを作る、帰宅したらこの焼き枯らしで岩魚茶漬けを頂こう。




おそらく下界はうだるような暑さだろうが、ここは沢の流れと深い緑に覆われて涼しくて快適な空間である。




熊さんが提供してくれたイベリコ豚を頬張りながら飲るキンキンに冷えたビ-ルが体の隅々にまでしみわたる。




ビ-ル2本で爆睡モ-ドになった。




ここで午後4時半までたっぷり午睡を楽しんで山を下った。

ほんの2時間あまりの釣りでこんなに幸せを感じられたのは久方ぶりのことである。
どんなに忙しくても人間には息抜きというものが必要なんですね。
熊さんのお蔭で心地よい一日を過ごさせて頂きました、アリガトネ!





コメント (30)
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ぼちいこがもう見られない!

2018-07-08 21:54:23 | 独り言
穂高岳山荘に宮田ハチロウさんという管理人がいらっしゃった。
面識はないけれどハチロウさんの含蓄のあるブログ(ぼちぼちいこか)が大好きで
神々しい北アルプスの映像の虜になって時を忘れて見入っていたものである。

訳あって20年も北アルプスの山から遠ざかっていた僕が
またやろうと思わせてくれたのもハチロウさんの映像によるところが大きい。

そのハチロウさんが4月5日にシ-カヤックで出廷した南伊豆で
行方不明になったことを奥様のブログへの書き込みで知ることとなる。
5月下旬に発見され、ハチロウさんのご遺体であったことが7月6日に告知された。

毎年北アルプスで命を落とす遭難者を見送ってきたハチロウさんはよくこんなことを書かれていた。

ほんのワンミスが命取りになる。
だから慎重にならなければならない。
謙虚でなければならない。
山を畏れなければならない。

人は死ぬために山に登るのとはちがうのです。
生きるために登るのです。
日常の暮らしでは得ることができない
自分の命が精一杯に輝く時を求めて山に身を置く筈なのです。

山へ一歩踏み入るということは
命を失うことに同意する契約書にサインすると言うことなのです。
だから慎重に、謙虚に、北アルプスを大いに楽しんでほしい、、、と。


今年の夏は呆れるほどに忙しくて山を歩けない。
8月まで続くのか9月まで続くのか見当もつかない。
そんな時に、いつも癒されていたハチロウさんのブログも息を飲むほどの映像ももう見られない。
せめてハチロウさんの言葉を深く胸に刻んで、ぼちぼちと山を楽しみたいと思います(合掌)


(どうぞコメントはご遠慮下さいませ)
コメント (10)
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