寒い朝であった
冬は寒ければ寒いほどいい
山に雪があればなおさらいい
『神の川(かんのがわ)』から仰ぐ山は雪化粧を施して殊更に美しかった
犬越路から檜洞丸へと続く稜線も雪に覆われて真っ白になっている
雪の重さにしなだれた枝葉を払いながらの稜線歩きは楽しい
霧氷がまとわりついて真っ白になった木々の枝は得も言われぬほどに美しい
積もった処女雪をきゅっきゅっと踏みしめながら歩く快感は雪山に踏み入った者でなければ分からない
今回は幼なじみのオ-ちゃんとそんな風にして檜洞丸への雪景色を楽しみたいと思っていた
オ-ちゃんも『たまには雪中泊して雪中宴会もいいなあ』などと言っていた、
のにのに、『やっぱ釣りにしよ』と掌を返すように軟弱なことをぬかしやがったのだ
オ-ちゃんは実は可哀想な男なのである
数年前に犬歯を抜いてからと言うもの何もかもがダメになってしまった、そう何もかも
抜群の登攀技術も登攀力も衰えが激しいし高血圧で過激な行為もあかんようになったし
姉羽の耐震偽装事件の影響を受けて自分の設計事務所を閉じて今では某ハウスメ-カ-の設計部長に甘んじているし
鮎プロ並の腕を持っているばっかりに日本中の鮎を追って慢性金欠病から回復する兆しはないし、、、
と言うわけでもないのだけれど僕たちは『神の川』の川原に下りて体を温めながら寒さの弛むのを待つことにした
午前11時過ぎ、陽が昇り暖かくなった頃合いをみて下流のうらたんに下りた
川原に腰を下ろして湧かしたコ-ヒ-をすすりながらライズが始まるのを期待もせずに待つことにした
この冬の水量は盛期の3分の1ほどであろうか?
この川原も一面流れに覆われているのであろうに今はこの状態である
今年の源流行の約束などを語り合いながら待つこと2時間半あまり、午後1時半を過ぎた頃にようやく
単発のライズが始まり程なくプ-ルの流れ込みから縒れが消える周辺のあちこちでライズの饗宴が始まった。
ハッチしている虫は見えないほどに小さいがライズは水面上である
9Xのティペットに結んだのは28番のミッジアダルト(この画像はミッジピュ-パです)
オ-ちゃんは流れ込みの向側で、僕はこちら側に立ってライズの手前にフライを送り込む
小気味よいヤマメの引きを楽しみながら岸に引き寄せてリリ-スし、フライにドライシェイクをまぶしてまたロッドを振るという繰り返し
ほぼ入れ食い状態のライズの釣りは興奮状態のまま40分ほど続き、そしてパタリと止んだ
さっきまでのヤマメのざわめきとライズリングが消えた水面はまるで嘘だったかのように静けさを取り戻していた
2時間半待った甲斐があったと言うものである、エキサイティングなライズの釣りを堪能できた
冷え切った体を温泉でほぐし余韻に浸りながらビ-ルを楽しめば充たされた一日は完結する
そして眠りに就いたオ-ちゃんの寝顔が幸せそうに見えた
この集落にも小学生時代からの同級生がいる
お嫁に行ってこの地を離れているけれどたまにはこの『いやしの湯』に浸かりにくるのだろうか
そんなことに思いをめぐらしながらいつしか僕も眠りに就いたようであった
充たされた今日一日に感謝感謝です。
冬は寒ければ寒いほどいい
山に雪があればなおさらいい
『神の川(かんのがわ)』から仰ぐ山は雪化粧を施して殊更に美しかった
犬越路から檜洞丸へと続く稜線も雪に覆われて真っ白になっている
雪の重さにしなだれた枝葉を払いながらの稜線歩きは楽しい
霧氷がまとわりついて真っ白になった木々の枝は得も言われぬほどに美しい
積もった処女雪をきゅっきゅっと踏みしめながら歩く快感は雪山に踏み入った者でなければ分からない
今回は幼なじみのオ-ちゃんとそんな風にして檜洞丸への雪景色を楽しみたいと思っていた
オ-ちゃんも『たまには雪中泊して雪中宴会もいいなあ』などと言っていた、
のにのに、『やっぱ釣りにしよ』と掌を返すように軟弱なことをぬかしやがったのだ
オ-ちゃんは実は可哀想な男なのである
数年前に犬歯を抜いてからと言うもの何もかもがダメになってしまった、そう何もかも
抜群の登攀技術も登攀力も衰えが激しいし高血圧で過激な行為もあかんようになったし
姉羽の耐震偽装事件の影響を受けて自分の設計事務所を閉じて今では某ハウスメ-カ-の設計部長に甘んじているし
鮎プロ並の腕を持っているばっかりに日本中の鮎を追って慢性金欠病から回復する兆しはないし、、、
と言うわけでもないのだけれど僕たちは『神の川』の川原に下りて体を温めながら寒さの弛むのを待つことにした
午前11時過ぎ、陽が昇り暖かくなった頃合いをみて下流のうらたんに下りた
川原に腰を下ろして湧かしたコ-ヒ-をすすりながらライズが始まるのを期待もせずに待つことにした
この冬の水量は盛期の3分の1ほどであろうか?
この川原も一面流れに覆われているのであろうに今はこの状態である
今年の源流行の約束などを語り合いながら待つこと2時間半あまり、午後1時半を過ぎた頃にようやく
単発のライズが始まり程なくプ-ルの流れ込みから縒れが消える周辺のあちこちでライズの饗宴が始まった。
ハッチしている虫は見えないほどに小さいがライズは水面上である
9Xのティペットに結んだのは28番のミッジアダルト(この画像はミッジピュ-パです)
オ-ちゃんは流れ込みの向側で、僕はこちら側に立ってライズの手前にフライを送り込む
小気味よいヤマメの引きを楽しみながら岸に引き寄せてリリ-スし、フライにドライシェイクをまぶしてまたロッドを振るという繰り返し
ほぼ入れ食い状態のライズの釣りは興奮状態のまま40分ほど続き、そしてパタリと止んだ
さっきまでのヤマメのざわめきとライズリングが消えた水面はまるで嘘だったかのように静けさを取り戻していた
2時間半待った甲斐があったと言うものである、エキサイティングなライズの釣りを堪能できた
冷え切った体を温泉でほぐし余韻に浸りながらビ-ルを楽しめば充たされた一日は完結する
そして眠りに就いたオ-ちゃんの寝顔が幸せそうに見えた
この集落にも小学生時代からの同級生がいる
お嫁に行ってこの地を離れているけれどたまにはこの『いやしの湯』に浸かりにくるのだろうか
そんなことに思いをめぐらしながらいつしか僕も眠りに就いたようであった
充たされた今日一日に感謝感謝です。