山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

I 沢でイワナ炸裂.....

2008-06-22 10:19:39 | フライフィッシング
1年ぶりにI沢に入った。

前回、沢屋さんのパ-ティや釣り人に先行されて入溪を断念した谿である。
あれからずっと身体の疼きが消えずにいた。
この疼きは、あの谿に身を置かない限り決して静まることはないだろう。
再度の挑戦は、そのためであった。

およそ40分、林道をさかのぼり、そして仕事道を辿って谷底を流れる本流へと下る。



屈曲した本流を、何度も対岸への徒渉を繰り返しながら遡る。



I沢の出会いで一休みし、紫煙をくゆらせながら身支度を調える。
これから深山の谿に入る、身の引き締まる一瞬である。




水無月 中旬 曇り空。
ウイ-クデイの深山は怖いほどの静寂に包まれていた。
こんな時、独り占めの優越感と一人きりの恐怖感がいつもつきまとう。

目に見えぬものへの恐れ、自然の脅威、そして自分の体力の衰え。
それが、ない交ぜになって恐れは更に増幅する。



ならば何故に深い谿へと踏み入るのだろうか?
暗い岩陰に潜む谿の主と出逢いたいから。
急峻な溪に磨かれた至宝を手にしたいから。



何故に一人、深山の谿へと向かうのだろうか?
一人きりの怖さと不安と寂しさが好きだから。
そして、それを克服する冒険心を満たしたいから。



今日はザックの中身を最小限にした。
こんな簡素な食事が、何にも代え難い至福の時間を作り出してくれる。



純白に輝く流れは急峻な谿を駆け下り、エメラルドグリ-ンに色を変えて小さな淵に安らぐ。
ここには何もない、何もないから満たされるのだろうか?

あの滝を越えれば、また桃源郷が待っている。

と、そのとき。
何か不穏なものを感じて耳を澄ませた。
あれは雷鳴ではないのか?
ずっと高みの尾根で雷鳴が轟き始めたようである。

もしあの尾根で激しい雷雨が始まったら、どうなるのだろうか?
この両岩切り立つV字谿を怒濤のように押し寄せる轟音とともに
私はひとたまりもなく木っ端微塵となって消え失せるのか?

恐怖感が突然襲ってきた。
独り占めの楽園は、一瞬にして一人きりの恐怖に変わる。
震える手でロッドをたたみ、ピンソ-ルを装着し、手袋をして巻き道への崖をがむしゃらによじ登った。



巻き道に這い上がっても安心はできない。
この巻き道は、何度か溪と同じ高度になる。
怒濤の流れが牙を剥く前に本流に辿り着かなければ。

細い木枝に捉まりながら出会いに辿り着いた。
このまま本流を下るのも危険である。
出会いの対岸にあるエスケ-プル-ト、露出した大岩の斜面を林道まてよじ登った。



汗だくで辿り着いた水場で喉を潤し人心地ついた。
ゆっくり休みながらデジカメを覗いてみた。
炸裂する筈であったイワナは一つも写っていなかった。



林道を下りながら谷底をのぞき込んでみた。
本流は平水で、何もなかったように流れている。
取り越し苦労だったのだろうか、徒労感が急にこみ上げてきた。



今度こそ、去年出逢ったような美しいイワナに出逢いたい。

歩調に合わせるように、チリ-ンチリ-ンと熊鈴の音色が寂しげに響いていた。
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大都会の恐怖

2008-06-18 01:07:06 | 独り言
この画像、何だか分かりますよね?
分からない方はね、首をちょっと左に、そうそうカック~ンと90度傾けて見てくださいな。
決して右に傾けてはいけませんぜ。

新宿センタ-ビル51階でセミナ-がありましてね、その休憩時間に撮影した高層ビルなんですな。
この写真を撮影しているときにですな、隣の人が言ったんですわ。
『ここでいま大地震が発生したら嫌だよねえ』って、そんなの嫌に決まってるっしょマッタク。
私なんざ地震と雷が大大大っ嫌いですからね、色んなところが縮み上がってしまいましたわホンマに。

考えただけでもぞっとするでしょ。
だって、ここから飛び降りる訳にもいかないし、階段なんて超満員のパニック状態になって
殺し合いが起きるかもしれないし、エレベ-タ-に閉じこめられたりしたらオシッコ我慢できないし、
もう絶望的ですよね。あなただったらどうします?

私なんて1ヶ月のうちの半分は都心に出てるわけですからね、地震のこと考えたら仕事なんて
やってられない訳で。



セミナ-が終わって、新宿駅までの道のり。
あふれんばかりの人々が行き交っているわけでして。
秋葉原の事件があったばかりですからね、人混みの中にいると恐怖を感じてしまう訳ですよ。

思わずきょろきょろと人の顔を見てしまう訳なんですね。
目つきの悪い奴はいないか、うつろな目をしている奴はいないかなんてね。
若い男がバッグに手を入れた瞬間、思わず身構えてしまいましてね。
ナイフを取り出して向かってくるんじゃないかなんて考えてしまう訳ですよ。
もし向かってきたら書類カバンで防御しるしかないかなんて考えても、別の奴が後ろから襲ってきたら防御しようがないしね。

ホ-ムに出たら出たで、後ろから押されたらヤバイぞなんて考えたら一番前に立てなくなっちゃって。
そんなこと皆が考えたらおもしろいだろうななんて考えたら、一人で笑ってしまいましたわ。

だって、一番前の人が怖さのあまり一番後ろに回ったら、つぎに一番前になった人がまた一番後ろに回ったりして、
電車がくるまでの間、ホ-ムのあちこちでイス取りゲ-ムやらババ抜きゲ-ムが始まっちゃったりしたら
通勤時間が楽しくてやめられなくなっちゃったりしてね。



さてここからが本題です。
皆さん、死刑廃止論をどう考えますか?

私はね、死刑廃止論者の論理が良く分からないんですよ。
殺人者にも人権があるって、例外はあるにせよ人を殺しておいて人権もなにもないでしょ。
家庭があり、家族があり、平穏に暮らしていた人を殺めて、その人の尊い人生を奪い
家族を不幸のどん底に陥れたとしたら、死をもって償うのが当たり前ですよね。

更に言えば、殺人を犯すというDNAを持った人間はこの世から抹殺すべきと言ったら言い過ぎでしょうか?
このDNAを持った人間は、たぶん再犯を繰り返すでしょう。

また多くの尊い命が奪われることを考えたら、このDNAを持った人間を抹殺してしまう方が
遙かに理にかなっているように思うのですがいかがでしょうか?

以前、若い女性を見ると殺したくなるという男がいました。
何人かの女性を殺して逮捕され、その刑事裁判の場でその男は言ったそうです。
『私を死刑にして欲しい。死刑にならずに服役して出所したら、また女性を殺してしまう。お願いだから死刑にして欲しい』と。

この男は、死刑にならず、出所後にまた若い女性を殺してしまいました。
この罪は、この男にあるのでしょうか?

この男を死刑にしなかった判決の罪だと、私は考えています。



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ふる里の小川でリ.クリエ-ション

2008-06-16 01:05:24 | フライフィッシング
先週のこと、事務所のコンピュ-タを入れ替えましてね。
搬入、設置、ソフトウェアのインスト-ルと技術の方が3人がかりで丸1日かかる訳でして。

今日は1日仕事にならないし、機械に疎い私がいても役に立たない訳でして。
結局、アンタはいなくてもいいということになりましてね、平日釣行と相成った次第です。

せっかくの平日ですからね、普段行けない所に行けばいいのに、足が向いたのは何故かふる里の小川。
やっぱりふる里の自然が一番落ち着くと言う訳でしょうかね。



こんなたわいもない流れに癒される訳でして。
レクリェ-ションなんてえことを言いますが、これ、リ.クリエ-ションなんですね。
つまり、自分の体の中に創造性を蘇らせるには適度な休暇が必要だってことなんですね。
疲れ切っていては創造性なんて発揮できませんからね。

ここ、林道からわずか30秒のサンクチュアリ、だれもいない私だけの居場所です。

今日は、ここから上流20メ-トルの区間だけを釣るのです。
釣れても釣れなくても、後はビ-ルを飲んでお昼寝しようと決めているのです。



ここ、このポイント。
20メ-トルもいかないうちにヤマメが顔を見せてくれました。



8寸。
この小川にしては言うことありません。
集落の人たちが自主放流を続けてきた成果がこれなんですね。
この1尾で私は十分満足なんですねえ。
優しい環境に育まれたヤマメは顔までも優しくなるんですね。



あとは、ちょっと山を歩いてビ-ルの食材とデザ-トを探しましょうかね。

長く伸びたウドも、柔らかい茎の部分をかるく茹でてきんぴらに。
醤油と一味で簡単においしい酒肴が一品できあがり、ビ-ルがおいしいのです。



今日のメインディッシュはラムチャップ。
味付けは、塩とコショウとたっぷりのガラムマサラ。
どうですか、この焼け具合、カンペキではあ~りませんか!

でもね、ラムは脂がたっぷり出て地面に脂のかたまりができますからね。
溪を汚さないように十分注意いたしましょうね。



ビ-ルと焼酎で、ほどよく酔いがまわったら。
この季節の溪はそうめんで決まりでしょ、でも今日はひやむぎ。
呑んだあとはこれしかないのですわ。



そしてテザ-ト。
山の恵み、自然の恵みはなんと美しいものなのでしょうね。
赤と黄色と緑の配色、もうこれだけで素敵なア-トではないですか?



そして、まったりお昼寝。
今日は、この花が添い寝してくれました。



そして事務所に帰ってみると、すべて新しいコンピュ-タに入れ替わっておりました。
モニタ-も大きくて、ええじゃないですか?
でも、これでまた1千万円の借金が始まると言う訳なんですな。
3年1度のサイクルでコンピュ-タを入れ替えるので、3年ごとに新しい借金が付いてまわるのですわ。



さあ借金に負けないで頑張りまっしょい!
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日本のバレ-ボ-ルが弱体化してしまう

2008-06-13 00:19:39 | 独り言
SPEEDO社製の水着の解禁は当然の成り行きですよね。

だって、スポ-ツは道具の善し悪しで90%が決まっちゃう。あとは選手の力量でしょ。

私がゴルフ場に足を運ぶのは2年に1度、しかも嫌々。
そんな私のことだから道具になんて気を遣う筈もなく、ずっとお下がりのパ-シモンを使ってた。
4年前、たまたま頂いたチタン製のクラブでプレ-してみたら、
これがなんと突然腕が上がっちゃって驚いちゃったのなんのって。

だって、ボ-ルがまっすぐ飛ぶんだもの。しかも遠くへ飛んじゃう。
しかもしかも芯に当たらなくったって飛んじゃう。
『ボ-ルを真芯でとらえて、、、』というパラダイムが完全に転換してしまったんだよね。

水泳だって同じですよね。
日本のメ-カ-は選手のニ-ズに沿って水着開発をしていたそうな。
着やすくて圧迫感がなくて動きやすくい。SPEEDO社の発想は全然違う。
着るのに人の手を借りても20分かかる、締め付けがきつくて着心地が最悪、でも早い。

水泳の世界でもパラダイムの転換が起こった瞬間ですね。
これからは中学生だって競泳選手は皆SPEEDO社製を着るよね、だって勝ちたいもの。

携帯電話だってすごいよね。
ユ-ザ-のニ-ズを聞きながら開発していたらどうだったろうか?
『もっと小型軽量で、感度がよくて、安くて』、まあ精々こんなところでしょうね。
ところが今ではテレビもゲ-ムもインタ-ネットもできて、キャッシングまでできちゃう。



つまり製品開発というのは、今までの既成概念を完全に覆してしまうような発想で、
しかも開発する側でニ-ズを創造していかなければあっと驚くようなものは生まれないということなんですよね。

さて、日本のバレ-ボ-ル、このままでいいのでしょうか?
北京オリンピックの出場を決めたのは確かに目出度いことだと思いますが。
でも、ホントに強かったから出場権を獲得できたのでしょうか?

TBSとフジテレビの金の力で出場権を獲得したようなものでしょ。
確か、五輪出場権をかけた4度の国際試合はすべて日本で開催されたのでは?
これって異常事態ではありませんか?

日本以外のチ-ムはすべてアウェイで試合を強いられたことになりますよね。
渡航や時差の疲れ、練習時間の差、アウェイでの応援の差、これらのハンデは大きいですよね。
しかも日本は開催国の利点とかで試合の組み合わせまで有利にしてしまったとか。
それでも他国のチ-ムはアウェイである日本で早ばやと勝ち抜いていったのに、
結局日本チ-ムは最後の最後の最後っぺだったものね。

こんなことを続けていたら、いずれ日本はバレ-ボ-ルの二流国に成り下がってしまうでしょ。
北京は日本チ-ムにとってアウェイだからね。
そこでホントにまともな試合ができるのかと心配になってしまう。

そんな日本チ-ムが世界と渡り合うための切り札は?
そう、ドクタ-中松しかいないでしょ。

中松先生が開発したジャンビングシュ-ズ。
コレをシュ-ズの中に組み込んで3メ-トルのジャンプを可能にしたらどうだろうか?
しかも空中で1秒間のホバリングができたら、もうこれはアタックナンバ-ワンの世界じゃないか。
しかもしかも、シュ-ズ自体が、履いている選手の国籍を判別して、
日本選手以外は30センチしかジャンプできないようにプログラミングしちゃうのだ。

まあ、こんなことでもしない限り今の日本は勝てないであろうね。
人生をかけて励んでいる選手や監督は決して悪いわけではない。
日本のバレ-ボ-ルを弱体化させている根源は他にあるのだ。

日本バレ-ボ-ル協会よ、早くそれに気付け!
あまたのスポ-ツジャ-ナリストよ、勇気をもってそれを指摘せよ!
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箱根の熱い夜 そして道志の美溪へ

2008-06-08 16:28:02 | フライフィッシング
金曜日、少し早めに仕事を切り上げて箱根のとあるホテルに向かった。

今日は半年に一度、高校時代からの仲良し3人組の旅である。
部屋に入ると、いきなりベッドル-ムのなまめかしい光景が飛び込んできた。

いったい今夜、オレにナニをさせようと言うのか?



こんなの見せられたらナゼか心がときめいてしまうではないか。

ドリャア~!年甲斐もなく、助走をつけて大の字になってベッドに突っ伏してみた。
イッテェ~!顔面をしこたま打ち付けてしまった。鼻が一番イテェ~。

なんじゃこりゃあ。
ベッドが思いっきり固いぞ。ベッドっちゅうもんは、もちっと柔らかいんとちゃうんか?
トナカイのように赤くなったオイラの鼻を眺めながら、MちゃんとOちゃんが嬉しそうに傍らでほほえんでいた。

オイラも笑うしかなく、ベッドを蹴飛ばしながら『ビ-ルにすっかあ』と街の中へと消えていくのであった、、、、。



明るいうちからやっている居酒屋を探して暖簾をくぐった。
箱根の山に置いておくにはもったいないような娘が迎えてくれた。

むひひ、これは熱い夜になりそうだ、と期待だけがふくらんで、、、、。
『お客さん、どうしたんですか、その鼻、赤いですよ?』
余計なお世話じゃい。せっかく脳裏に浮かんだアノなまめかしい光景も、瞬く間に消え去るのであった。

久しぶりに友と交わすグラスは格別なものがありますな。
積もる話はアッチに置いといて、いつものように下世話な話に興じながら
テ-ブルの上には空になった酒肴の皿とビ-ル瓶だけが増えていくのでありました。



夜の箱根をそぞろ歩き、最後の坂道で一気に酔いがまわり、倒れ込むように温泉になだれ込んだのでありました。
『アッチィ~。この温泉ちょっと熱くない?』
そうか、これが箱根の熱い夜っちゅうことかいなと、妙に納得してしまった訳で、、、、。



あの可愛い娘は、箱根の山に放し飼いにしておくことにして、、、、。
我らは我らで熱い夜を楽しもうではないか?
あんなことやこんなことやそんなことなんかして、むっひっひ、、、、。

いやいやこんなことしてる場合ではないのだ。
明日のために、もう一度呑みなおそうではないかと浴衣のままでバ-へ、、、。
あとはとんと記憶にござんせん。





一夜明けて。
聖人君子に戻った我らは、まだ酔いが覚めやらぬままMちゃんは仙石原のゴルフ場へ、
Oちゃんは鮎を追って狩野川へ、そして私はヤマメの里道志村へと散ってゆくのでありました。



乙女峠越えのドライブを楽しみながら、いざ道志へ。
9時半到着は完全に出遅れでしたね。川はどこもかしこも人ひとヒト、、、、。
いくら名川とはいえ、これじゃ魚はつれませんはなあ。



私は釣り人を避けて遙か上流の長又地区を狙って、、、、。
いやはやここにも車がいっぱいで、、、、、、まいりました。

しかしまあ絵に描きたくなるような素晴らしい溪相ではないですか?




第一投目でこのチビヤマメが。
でも後がつづきません。これだけ人が入ってるとね。



いやあ素晴らしい!
ため息が出てしまうほど見事な溪ですが、魚は一向に出る気配がないのです。



もちろん、ここも。



2時間釣り上がって、もう諦めム-ドです。
が、これじゃ殆ど○ボですからね。これで終わる訳にはいきませんものね。
最後の手段、アレしかありませんな。ずっと封印していた禁じ手のニンフを使いましょ。

マ-カ-代わりにオレンジ色のどでかいカディスを使い、MSCスペシャルを沈めます。
さすがニンフ、来ましたよガッツ~ンと。



このヤマメ、走り回って瀬と落ち込みを2箇所下ってやっとランディングできました。
まるで潜水艦が浮上したような感じです。



体高のあるシャ-プな魚体が見事でした。



『ニンフなんか使いやがって、お前なんかフライマンの風上にも置けねえやい。
許してやるから一杯おごっておくんな。人間と一杯やるのも乙なもんじゃねえか』

仕方ない、一緒にひとっ風呂浴びて、馬刺しと蕎麦と生ビ-ルをご馳走してあげました。
ヤマメも大層喜んでいたのは言うまでもありませなんだ。



道志の上流部は、こんなに溪が狭まって、緑のトンネル。
素晴らしい美溪が続きます、これで釣り人がいなければねえ。



今年の道志、これが最初で最後です。

鮎がふっくらと成長した真夏、刺身とうるかと鮎飯が楽しみですね。

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賑わいの『神の川』

2008-06-02 22:39:53 | フライフィッシング
『なんじゃこりゃあ!』
松田勇作が生きていたら、きっとこんな風に吠えたはずである。

日曜日、午前6時、薄曇り。
神の川林道の車止めはヤケにごった返していた。
いつもの休日は精々5~6台だというのに、この日は私が42台目。
荷造りをしている間にも次から次と押し寄せて林道の両側は車で溢れている。

丁度この季節、犬越路から檜洞丸はトウゴクミツバツツジの赤紫と
シロヤシオの純白で山はひときわ華やぐのである。



先方で準備中の二人がザックにヘルメットを取り付けるのを見て嫌な予感がした。
駆け寄って話を聞くとI沢に入るという。アチャ~やられた~。
すでにI沢には釣り人がふたり、沢屋さんも2パ-ティ入ったという。

最深部のK谷やH谷にもいくつかのパ-ティが入ったと言う。
何と言うことだ、せっかく沢をやる準備をしてきたと言うのに全滅ではないか。

と、どこからか耳元でささやく声がした、ような気がした。
『お主の体はまだ癒えていないじゃろう。無理せんことじゃ。
のんびり沢でも歩いて、酒でも呑んでまったり眠るがよい』

神のご託宣であろうか?
素直にその声に従うことにしてH沢に向かった。



シロヤシオをめでる人たちや沢屋さんの他にも山の楽しみ方は多士済々である。
北丹沢12時間山岳耐久レ-スのトレ-ニングに向かうトレイルランナ-たち。
今日は神の川~犬越路~大室山~鐘撞山~神の川を4時間弱で駆け抜けると言う。
山駆けなんてオイラお金もらったってヤダもんね~。ヤマカケなんて試験のときだけで充分だもんねえ。

この人、K谷へ向かう地元の源流釣り師。キマッテます。



今年の耐久レ-スもたくさんのランナ-が訪れるはず、それまでにヒュッテを復興させなくっちゃね。



機先を削がれて一向にテンションが上がらぬままH沢に入った。
溪も木々も新しい生命を謳歌し、まばゆいばかりの輝きを放っていた。
そうさ~、オレもここで生き返るのさ~。



でも、、、、ヤマメの反応は、、、、、まったく、、、、、ない。



行けども行けども、、、、まったく、、、、ない。



ロッドを振り始めて2時間、ヤマメの溪は終わった。
とその時、見上げたその先に釣り人がひとり目に入った。
くっそ~、こんなことだろうと思ったぜ。
しばし岩に腰掛けて話し込んだ。彼もアタリなしだったという。
9時30分、岩魚の溪まで遡行する気力はすでに失せていた。



今日は○ボか~。
神様もささやいてくれたではないか。
酒でも呑んでまったり眠るが良い、、、と。
さぁてと、ちょいと早いけど酒でも呑んでまったり眠るのさ~!



仕事に疲れた男には、やっぱ肉だわねえ、肉ニクにく。
家の冷蔵庫からかすめてきた肉は、塩とガ-リックだけで充分旨いのさ~。
でも家に帰ったらカミさんが怖いのさ~。







肉ともやしラ-メンとビ-ルと焼酎で川飯は簡単に済ませた。
あとはまったり眠るだけ。午後2時まで、オイラはこの時間が一番好きなのさ~。


目覚めると、美しいオンナが私の顔をのぞき込んでささやくのです。
『もう帰りはるのどすか?ボ-ズはイヤどすえ~』
この赤紫に私は世界で一番弱いのです。




さあ、気を取り直して、もういっちょやりまっか。



やっぱり『神の川』には神が宿るのです。
そして、いい男にはドラマがいつも待っているのです。



ここから、、、、尺ヤマメが、、、、現れたのじゃあ~。(って、目寸ですけどね)
重~い、ロッドが弓なりじゃあ~、上がらねえ~、でもウレピ~!



お前は美しすぎる~。いじめたくなってきたぜ~。水攻めじゃあ~。
『うっ、くっ、苦しい。あたい、水って大っ嫌いなんだから~。
息できないよ~、死んじゃうよ~、早く上げてちょうだいよ~、うぐぐぐう~っ』



『うっぷぅ~、はふはふひ~。やめてったらやめてよ~。
死んじゃったらどうしてくれるのさ~』



『うぐぐっ、もうだめ。お願いだからやめてぇ~。
なんでもするから、水攻めだけは絶対イヤなの、ねっねっねっ』



『あぁん、もう。ホントに死ぬかとおもったわよ~、意地悪なんだから~』



ヤマメと遊んだひととき、楽しゅうございました。



帰り道、木いちごもそっとささやくのでした。
『来週辺り、アタシすっごくオイシくなってるわよ~ん。絶対に食べに来てねん』

山や溪は誘惑で充ち満ちて、くらくらしてしまうのです。

また来るね。
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