山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

キノコの季節

2012-09-30 21:15:15 | キノコ狩り
岩魚の夏が終わりを告げました。
あんなに輝いていた夏を見送るのは寂しいものですね。
とりわけ岩魚と戯れる時間が限られている僕の歳になると尚更のことです。

残酷にも時は過ぎて行くけれど新しい季節が巡り来るのもまた嬉しいものです。
山が色づき始め、キノコの季節が到来し、やがて白銀の世界、山は四季折々の魅惑に満ちた世界です。




今年もみずがきの森を散策してみました。






ハナイグチが姿を現し始めるとカラマツ林はいつにも増して華やぎを醸します。
生きとし生けるもの、みな目覚める時を知る、これが季節の不思議というものでしょうか?
幼菌のハナイグチ、なんと愛らしいことでしょう!









雑木林ではクリタケとヒラタケを見つけました。
ミズナラの大木の根元を丹念に探してみたものの舞茸は一株も見つけることが叶いませんでした。









今日のダイニングは森の中の小さな枝沢のほとりにしつらえました。







今日の収穫、2時間ほど歩いてハナイグチとヒラタケを渓で食べる分だけ摘みました。
きのこの知識に乏しい僕にはこれが精一杯ということろです。
石突きを取って、きれいに洗ってから食べる準備です。





ハナイグチは軽く湯がいて沢水で冷やしてから、もみじおろしと醤油でいただきました。
つるんとして、コリコリした食感がなんとも言えず美味しくてビ-ルがすすむのです。







ヒラタケとハナイグチの幼菌は、みそ仕立てきのこ鍋にしてみました。






ビ-ルのつまみにちょっと味わってから、うどんを煮込んでキノコうどんに。






自然の恵みを僕なりに味わえたひとときでした。







あとひと月もすれば、木々は色づき、この小さな流れに岩魚が身を寄せ合って産卵の準備を始めます。






人生の折り返し地点をとおに過ぎた僕はあとどのくらい、このみずがきを歩けるのだろうか?

そんなことを思うと、これからの時間、これからの日々が今までになく貴重に思えてくるのです。


コメント (22)
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黒部逍遥

2012-09-17 16:56:09 | フライフィッシング
膝の具合が思わしくなくて4泊5日の雲の平行きはやむなく中止せざるを得なくなりました。
南アルプス天泊釣行も雲の平も流れたままでは今シ-ズンもジンクスどおり悲惨な結末になってしまいます。

いま南アは本流も支流も大渇水との情報を得ていたので黒部に賭けてみることにしました。
14日金曜日、朝一の黒部ダム行きトロリ-バスは平日のためか運よく座席に着くとができました。
今回も大きなザックを背負った天泊縦走の山オンナの姿が目立ちます、なんと逞しいことでしょう。







この登山道も10月になれば美しい秋の気配に包まれることでしょうね。


 




登山道から見える黒部湖、こんなに減水した黒部も稀なことであろうと思います。
この渇水の状況でイワナたちは谷に遡上できるのだろうかと不安がよぎります。







急ぐ旅でもありません。
いつものように登山道の脇をあちこち探しながら歩いていると、ありましたタマゴタケ。
傘の開いたものを数本摘んでソテ-にしていただきました、大きくて食べごたえがあるのです。
タマゴタケは茎も黄色なので素人の僕でも猛毒のベニテングタケと見間違えることはありません。


 




うひょひょ~、なんという幸運、これは舞茸様ではありませんか?
ありがたく一株だけ頂きました、僕一人で食べるならこの一株で充分です。







やはり峪は渇水状態、これじゃ岩魚はムリかもね?







午前11時、朝方の曇天が嘘のようにピ-カンの灼熱地獄になっています。







岩魚の活性は思いのほか高くておもしろいようにフライを咥えます。


 





しばらく釣り上がっていると厚い雲がもくもく湧いてきて雨に変わります。







岩魚の活性は更に上がって入れ食い状態
尺オ-バ-は2本だけでしたが久しぶりに数釣りを堪能できました。


 





魚止めに辿り着く頃にはまたピ-カンに、黒部の天候は気まぐれだと覚悟しておきましょう。







さて、川飯です。
途中で摘んできた黒部の天然舞茸が楽しみです。
ニンニクと油で炒めて、塩、コショ-と少々の醤油で味付け、こりゃ美味しくない訳がありまへんな!
天ぷらも舞茸そばも食べたいなあなんて欲張りなことを考えてみたりして、、、、


 





今日はこの沢で一日のんびり過ごします。
ビ-ルと焼酎がすすんで昼寝の時間が待ち遠しいくらいです。


 




〆てすぐに捌いた岩魚の身は本当に美しいものです。
今回は尺オ-バ-2本を捌いてありがたくいただきました。







まずは岩魚のタタキ
ショウガ醤油にミョウガと大葉を和えてあっさりといただきます。

くうぅぅ、黒部に来てよかった!






時間をかけてじっくり素揚げにすると中骨も尾びれも全部美味しく頂けるのです。






〆めは岩魚寿司
すしのこを和えた酢飯の上にワサビをちょんとつけた岩魚の刺身を置いただけのなんちゃって岩魚寿司
岩魚の内臓の匂いのついた手で握るよりも実はこの方が簡単だし旨いと信じているのですが、本当に旨いのです!

いやあ、黒部に来て本当によかった~!







今日の宿泊者は2組5名、水晶から下りてきたご夫婦、某山雑誌の元編集者2名と僕
11時半まで呑んだあと、あす上の廊下をやる二人のために小屋主の佐伯さんがフライをちょちょいと数本巻いてます。
岩魚のこと、釣りのこと、峪ごとの特徴など長い経験に裏打ちされた理詰めの話は実に説得力があってしびれます。







午前7時、平の小屋に別れを告げました。
奥深い山を歩いていると痛いほど有難さを感じることがあるのです。
そこに山小屋が佇み、スト-ブの煙があるだけで何故こんなにも温もりと安心感に満たされるのだろうかと。







下界と隔世したいがために、来年もまたこの道を歩いてくるんだろうな。







4時間の道のりが、4時間半になり5時間になり、やがて8時間かかっても黒部を訪れてしまうんだろうな。









帰り道でまた雨になりました。
雨に降られても、ミズナラやブナの大木に覆われた登山道で雨に打たれる心配はありません。
ときおり落ちてくる雨の雫が火照った体にほどよい心地よさを分け与えてくれるのです。


釣りシ-ズンの終焉とともに僕の夏も終わりを告げようとしています。
終わりゆく夏を見送る寂しさと、色ずく秋を迎える高揚とが複雑に混沌する季節でもあるのです。


黒部逍遥!
気ままに歩き、気ままに遊んだ黒部の旅。
衰え始めた僕にとっての理想の旅になりました。








コメント (28)
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神の川 無為無策!

2012-09-09 17:08:11 | フライフィッシング
今週は3年ぶりの南アルプスの渓、熊さんと佐久のじじさんの3人で天泊釣行の予定でしたが
連日の雨予報でやむなく中止したというのに蓋を開けてみればなんじゃこりゃの好天ではありませんか?

毎度当たらぬ天気予報に恨み節のひとつも唸ってやりたい気分ですが
せっかくの休日を無為に過ごすのももったいないのでそそくさと支度して神の川に向かいます。
渓に立ったのは8時半、イワナが一つ釣れたらロッドをたたもうと決めておりました。





今日は穏やかな日蔭沢でのんびりいたしましょう。
先週入った伊勢沢、午後からのゲリラ豪雨に叩かれてエライ目に遭いましたからね。
鉄砲水に飲まれたらひとたまりもないだろうと崖を這いずり登って避難した怖~い記憶がトラウマになっておりまして。





ほどなくガツンと岩魚が食いついてきました。
この引きはデカイぞとしばし格闘を楽しんで上げてみればこのとおり。


 





3寸ちょい、こんなサイズはめったにお目にかかれるものではありません。
これから沢山の川虫を食べていずれ軍艦岩魚に成長するかも知れません、リリ-ス!






1尾釣れちゃったので釣りはオシマイ!
いつもの矢駄沢ダイニングに向かいます。







今日は殆どがコンビニ調達食なんですが、それなりに、、、
まだ9時10分だというのにビ-ルと缶チュ-ハイが空になってます。






冷蔵庫から拝借したナスでプレモルもう一本追加!




 





ちょいと早いのですが昼寝の時間です。
なんともまあ無為無策、こんな一日があってもいいではありませんか。

目の前に広がる自然だけは泰然自若、寂然不動!
山や木や岩は姿を変えることなくそのままそこに居続けてくれています。
もし、風景が変わったと感じるならば、それは人の心が変わったということかもしれません。

我が癒しの空間よ、ここに永遠なれ!






今シ-ズンもあと20日となりました。
どうぞ皆さん、良きフィナ-レを迎えられますように!




コメント (20)
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