錦之助ざんまい

時代劇のスーパースター中村錦之助(萬屋錦之介)の出演した映画について、感想や監督・共演者のことなどを書いていきます。

近況報告(12月上旬)

2013-12-13 00:02:42 | 錦之助ファン、雑記
 12月第一週は、電話で書店営業。上映会の期間中はまったく出来ず、中断していたのでその続き。
 毎日午後1時過ぎから3時間ほど行なう。担当者が不在だったり、接客中で電話に出られないことも多く、空振りばかりで、嫌になってくる。1冊しか注文をくれない書店も多かった。それでも、紀伊國屋書店とジュンク堂には、ほぼ全店舗に置いてもらった。
 3冊以上、注文をとった書店は以下の通り。
 ジュンク堂岡山店(3冊)、三省堂名古屋高島屋店(3冊)、宮脇書店高松本店(3冊)、紀伊國屋玉川高島屋店(3冊)、紀伊國屋徳島店(3冊)、丸善ラゾーナ川崎店(3冊)、丸善多摩センター店(3冊)、カルコス岐阜本店(3冊)。
 11月に納品した分が完売になり、追加注文をもらった書店は、紀伊國屋新宿本店(7冊完売で5冊補充)、丸善&ジュンク堂梅田店(3冊完売で10冊補充)。
 とはいうものの、全般的に「錦之助伝上巻」の売れ行きはボチボチである。
 ジュンク堂と丸善のホームページで「錦之助伝」の販売状況を検索してみたところ、歌舞伎コーナーに置いてある店が数店あって驚いた。上巻は歌舞伎時代の話が三分の二を占めているとはいえ、錦之助の伝記が歌舞伎のジャンルに入れられてしまうとは思わなかったし、著者としては心外である。若い書店員は、錦之助が映画スターだったことを知らないのだろう。帯に載せた二代目錦之助さんの言葉もこの本が歌舞伎コーナーに置かれる原因になったようだ。
 土曜日に三省堂の神保町本店へ行ってみると、歌舞伎コーナーに4冊平積み。ここに置いても売れないことはないと思うが、担当者に映画コーナーに移動するように依頼。三省堂本店へは5冊配本したので、1冊売れていたが、実はこの1冊を買った人が先日判明し、予期せぬ嬉しい事態に発展することになる。結局、歌舞伎コーナーに置かれたことが、ツキを呼ぶことになったのだから、面白いものだ。
 
 12月第二週。
 12月9日(月)午後、ある人を介して映画プロデューサーの中沢敏明氏に会い、恵比寿のコーヒー店で1時間ほど歓談。私がシナリオを書いて企画中の映画『ガラクタ区お宝村物語』の製作の件。中沢さんは『おくりびと』を製作して大ヒットさせた大物プロデューサーである。最近製作した『おしん』が不発で、がっかりしていたが、来年は挽回を期して頑張るとおっしゃっていた。中沢さんとはこの日が初対面で、彼が私の映画に協力するかどうかも不明だが、今度いっしょに食事をしましょうと約束して別れる。帰宅後、すでに私の映画のプロデューサーを買って出てくれている永井正夫氏(森田芳光監督作品『失楽園』『武士の家計簿』の製作者)に電話。私が主役にどうかと思っている有名俳優へぜひ出演交渉をしてほしいと頼む。

 12月10日(火)、介護施設にいる私の母が風邪を引いて熱があるという連絡をもらったので、会いに行く。母は94歳で、数年前からボケてしまっているが、私が息子であることは憶えていて、大変喜ぶ。熱も下がり、食欲も出て来たと介護師さんから聞いて、ほっとする。
 夕方、雑誌「演劇界」の女性編集者のKさんという方から電話をもらう。「錦之助伝」を新刊のおすすめの一冊として紹介したいとのこと。「演劇界」は歌舞伎雑誌なので、意外な申し出に驚く。話を聞くと、彼女は三省堂本店で「錦之助伝」を買って、興味深く読んだという。
 こんなこともあるんだなあ! 歌舞伎コーナーに置いてなければ、彼女の目に留まらず、買わなかったにちがいない。書店に置かれた本というのは誰が買って読むか分からないし、本にも運の強さというものがあって、人との縁を結ぶから本当に不思議なものだ。これまで私が出した本にも2冊ほど強運の本があって、1冊は「ダジャ単」で、もう1冊は「やさしいドイツ語カタコト会話帳」である。「ダジャ単」はテレビ番組のディレクターが買って、テレビで紹介されたことが二度ある。フジテレビの朝の「とくダネ!」ではキャスターの小倉さんが紹介してくれ、また、日テレの「ぶらり途中下車の旅」では、「ダジャ単」といっしょに私まで出演した。「カタコト会話帳」の方は、6年前にあの堀北真希ちゃんがスイス旅行の番組で会話の手引書として使ってくれた。その時、私は堀北真希を知らず、若い人たちから時代遅れだと馬鹿にされたが、以来私は彼女のファンになった次第。
「錦之助伝」も出版早々幸先がいい。Kさんが本を一冊寄贈してくださいというので、明日、貴社のある神保町へ行くので、タンゴ喫茶ミロンガで待ち合わせ、手渡しすることにする。
 脚本家の石森史郎さんから手紙を、沢島忠監督からハガキをいただく。石森さんも沢島監督も「錦之助伝」を大変褒めてくださった。
「なんだか錦之助サンの夢を見そうです。感無量の境地です」(石森さん)
「丹念な下しらべが光っています。下巻が大変です。どうぞ御自愛の上、おきばり下さい。感謝」(沢島監督)
 大学時代からの私の友人がブログで「錦之助伝」を取り上げ、感想を書いてくれた。持つべきものは友である。彼の評は、さすがに的確で私にとって最高の賛辞だった。曰く、
――この本の魅力を一言でいえば、「愛情の込もった料理が美味しいように、愛情のある本は面白い!」である。

 12月11日(水)午後4時、タンゴ喫茶ミロンガで演劇界の編集者のKさんに会う。若くて(25,6歳?)、超美人なので驚く。ボーイッシュな髪型で、明朗快活、心から歌舞伎を愛している女性だった。30分ほど歓談。紹介文は140字程度らしいが、Kさんが書いてくれるという。幸せな気分になる。