この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『セクシー田中さん』について思うこと。

2024-01-30 21:16:38 | テレビ
 1月はバリバリドラマとアニメを見るつもりでした。
 が、週末は何やかやと忙しく、1月開始で見ているドラマは『アストリッドとラファエル4 文書係の事件録』と『不適切にもほどがある!』、アニメは『僕の心のヤバイやつ』の3本だけです。
 『アストリッド~』と『僕の心~』は前シリーズから見ているので、純粋に1月スタートのドラマで見ているのは『不適切にもほどがある!』だけってことになります。
 『不適切にもほどがある!』はさすがクドカンって感じのドラマでした。
 ハラスメントに対しては自分も思うところがあって、ひどくやつれて見える人に「痩せたんじゃないですか?」と聞くのも「セクハラ!」というのは如何なものかと思います。

 ドラマといって触れずにはいられないのは『セクシー田中さん』の原作者である芦原妃名子さんが自殺されたことですね。
 『セクシー田中さん』、好きなドラマでした。
 最終回を除いて。
 最終回は「何じゃこりゃ」って言いたくなるような終わり方でした。
 ただ、そのような終わり方になったのにはそれなりの事情があったようです(そのことについては割愛)。

 この件についてはいろいろ言いたいことがあるのですが、まず言いたいのは脚本家の相沢友子氏は悪くないということです。
 どの記事だったか、見つけきれないのですが、最初に(喧嘩を)ふっかけてきたのは脚本家の方だ、というコメントを目にしました。
 (相沢氏の投稿は読みましたが)そうじゃないと思います。
 一つのテレビドラマに脚本家として携わることになったが、最終話と第九話の脚本を執筆することは出来なかった。
 そのドラマが絶賛されたとしても、もしくは酷評されたとしても、自分の立ち位置をはっきりさせておきたいと思うのは人として当たり前のことなんじゃないでしょうか。

 今回の件で一人悪者を見つけるとすれば、それはドラマのプロデューサーでしょう。
 ドラマ化に際し芦原さんの出した条件を安請け合いしてしまった。
 おそらく、ドラマが始まれば芦原さんが折れる(妥協する)、ぐらいに考えていたのでしょう。
 でも芦原さんは折れなかった。
 だから話がここまでこじれたのでしょう。
 プロデューサーに責任がないということはないと思います。

 ただ今回の件で一番間違っていたのは誰かというと、それは他でもない、亡くなられた芦原妃名子さんではないでしょうか。
 芦原さんは『セクシー田中さん』のドラマ化に際し、いくつか条件を出しました。
 その一つが「漫画に忠実であること」だそうです。
 どのような結末を迎えるかわかっていない作品であるのにドラマが原作に忠実であることなんてそもそも出来るはずもありません。
 「ドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様にすること」という条件も同様です。
 そのような条件を出すのであれば、ドラマ化を打診された際に「漫画が完結していないから」という理由で話を断ればよかったのです(芦原さん自身、話を受けたことを悔いているようですが)。

 また、最終話と第九話の脚本を執筆したことも間違っています。
 漫画の連載を抱えながら同時にドラマの脚本の執筆なんて出来るはずがありません。
 出来たとしてもまともなものになるはずがないです。

 でも一番間違っていると思ったのはやっぱり自殺したことです。
 自分がドラマの『セクシー田中さん』が好きだったのは、主人公が周囲の無理解や理不尽さに決してめげることなく、真摯に、そして前向きに生きていくところでした。
 原作は未読ですが、原作もそうだったんじゃないですか。
 それなのに原作者自ら主人公の生き方を、作品のテーマを、作品から読み取れるメッセージを否定してどうするんですかね?

 芦原さんが採るべき選択は唯一、思った通りにならなかったドラマには見切りをつけ、漫画の連載に全力を傾け、完結させ、ドラマも悪くはなかったけど、漫画の方が断然面白いよね、といわれるようにすることしかなかったのではないでしょうか。

 日本人は死者を鞭打つのを嫌うようで、今ネットを見回しても芦原さんを悪く言っている人はあまり見かけません。
 自分は生者は鞭打ってよいが、死者は鞭打ってはいけないという考えがよくわからないので、読んでもらったような文を書きました。
 ドラマの『セクシー田中さん』の結末には納得がいかなかったので、漫画が完結したら読んでみようかなと思ったりもしたのですが、それが出来ないのは残念です。
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