この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

逆算して作られた傑作『アルキメデスの大戦』。

2019-08-02 22:02:38 | 新作映画
 山崎貴監督、菅田将暉主演、『アルキメデスの大戦』、8/2、Tジョイ久留米にて鑑賞。2019年32本目。


 山崎貴監督作品を劇場に観に行くことは決してあるまいと思っていました。
 元々百田尚樹が大っ嫌いなんですよね(理由は長くなるので割愛)。
 その百田尚樹の代表作を二作も映画化しているのですから、原作に思い入れがある『寄生獣』を除いて、観たいと思うことすらないだろう、そんなふうに思っていたのです。
 フィルモグラフィーを見ても『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『SPACE BATTLESHIP ヤマト』など、まったく見る気が起こらない作品ばかりでしたからね。
 この先もきっとそうなんだろう、そう考えていました。

 そんなアンチ山崎貴と言ってよい自分ですが、この『アルキメデスの大戦』には食指が動きました。
 劇場で観るべき映画なのではないか、そう思ったのです。
 そして実際に観て、傑作だと思いました。

 戦艦大和は1941年に就役し、1945年に沈没しています。
 それは史実です。
 そして映画『アルキメデスの大戦』はその史実から逆算して作られています。
 どういうことなのかというと、現実にはその船が沈むことがわかっていて、あえて建造する人間はいません。
 しかしもしすべてわかった上で、なお建造する人間がいたとしたら、その人物にはどんな大義名分が考えられるというのか、という逆算です。
 実際にはあり得ないのですが、作品の中ではその大義名分は充分説得力を持っていたと思います。

 冒頭の大和沈没のシーンも、二転、三転する展開も、ラストの出撃する大和を見て主人公が涙を流すシーンも、よく計算されていて、とても感心しました。

 山崎監督はとても良い仕事をしたと思います。
 次回作も是非頑張って欲しいところなのですが、『アルキメデスの大戦』の次回作が『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』なんですよね。笑。
 やっぱりしばらくは山崎監督の作品を劇場で観ることはなさそうです。

 
 お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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