マイケル・マン監督、クリス・ヘムズワース主演、『ブラックハット』、5/16、TOHOシネマズ天神にて鑑賞。2015年19本目。
この映画、自分は前売り券を購入して鑑賞しました。巨匠マイケル・マンの5年ぶりの新作だし、ハズレってことはないだろう、そう思って前売り券を購入したのです。
しかし自分はそのことをひどく後悔しました。
なぜかというと、前売り券を購入後、こちらの映画レビューブログで
この映画のレビューを読んだからです。
世に辛口と言われるレビュアーは多かれど、【ただ文句を言いたくて】の管理人映画男さんほど辛口の人はいないと思っています。
自分もつまらない映画を観たときは全力で酷評するように努めていますが、映画男さんには負けます。
映画男さんのレビューはただ辛口というだけでなく、実に的確なんですよね。いつも参考にさせてもらっています。
前売り券を買って2日後ぐらいだったかな、映画男さんの『ブラック・ハット』のレビューを読みました。評価点は100点満点中18点でした。前売り券を買って失敗した!と強く思いましたよ。
で、実際鑑賞しての感想ですが、自分はこの映画、それなりに楽しめましたよ。
ダメ映画でしたが同時に惜しいと思いました。
どこらへんがダメだったか?
まず主人公ハサウェイのキャラクターですね。
完璧すぎるんですよ。イケメンで、腕っぷしも強く、侠気があり、フェミニストで、天才ハッカーで、しかもアウトロー。スーパーマンかよ、って言いたくなります。ハサウェイが実は空を飛べたとしても不思議はないですね。笑。
『ドラえもん』で主人公ののび太はどうしようもないダメ人間ですが、逆にいえばのび太がダメ人間であるからこそ、『ドラえもん』は面白いのだと思います。
『ドラえもん』の主人公がのび太でなく出木杉くんだったら、『ドラえもん』は面白いですかね?面白いかどうか以前に出木杉くんが主人公だったらそもそも物語が成立しない気もしますが(完璧なるが故の悩みみたいなものはあるかもしれませんが)。
主人公が完璧であるという時点で、物語がつまらないことは確定したといっても過言ではないでしょう。
ダメなのはもちろんそこだけじゃありません。
中国からの捜査官ダーワイとハサウェイは大学時代のルームメイトで親友同士という設定です。
でもダーワイの妹リエンとハサウェイには面識がなく、二人は初対面なんです。
現実の世界では親友であっても家族を紹介しない、家族構成を説明しないということは充分あることなのかもしれませんが、それならそれで何かしら理由があるはずです。
物語の中で親友の妹と面識がないというのは自分にはめちゃめちゃ不自然に思えました。
面識がないのは妹だけではありません。
物語の後半になって敵組織の黒幕が現れ、その男も天才ハッカーなのですが、やはりハサウェイと面識がないのです。
同時代に生きる天才ハッカー同士が相手の存在についてよく知らない、意識していないというのはちょっとおかしいだろうと思いましたよ。
例えて言えばボクシングのパッキャオとメイウェザーが互いのことをまったく知らなかった、というのと同じぐらい変です。
おかしいのはキャラクターの設定だけでなく、展開もまた充分変でした。
ハサウェイとリエンは行動を共にしていて恋に落ちるのですが、二人がいつ互いに好意を抱いたのか、まったく観ていてわかりませんでした。いきなり二人がラブシーンに突入するのですが、あまりの唐突さに一瞬「え?何か重要なシーンを見落としたっけ?」と思いましたよ。
自分が脚本家だったら、この映画の脚本を次のようにしますけどね。
まず、主人公のハサウェイをアルコール依存症だったという設定にします。
さらにリエンとはかつて恋仲であったことにします。
アルコール依存症であることが災いしてリエンはハサウェイの元を離れ、リエンを失ったことで自暴自棄になったハサウェイは犯罪行為に走る。
その後、犯罪事件の捜査で再会した二人は行動を共にするうちに再び恋に落ちる。
そういう流れにすればずいぶん物語としては自然だと思います。
さらに敵ハッカーもハサウェイと直接の面識はなくても、彼のことを前から意識していた、そしてハサウェイのハッカーとしての才能に嫉妬していた、というふうにします。
原発にハッキングしたのも、大豆市場を高騰させたのも、すべてハサウェイを表舞台に引っ張り出すためだった、すべてはハサウェイを破滅させるための壮大な復讐だった、そういうふうにすればお話としてずいぶん面白くなったんじゃないだろうか、と夢想しました。
まぁ自分の夢想は夢想として、純粋に1本の映画として観た場合、『ブラックハット』は本当に典型的なダメ映画だったと言ってよいと思います。
お気に入り度は★☆、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
この映画、自分は前売り券を購入して鑑賞しました。巨匠マイケル・マンの5年ぶりの新作だし、ハズレってことはないだろう、そう思って前売り券を購入したのです。
しかし自分はそのことをひどく後悔しました。
なぜかというと、前売り券を購入後、こちらの映画レビューブログで
この映画のレビューを読んだからです。
世に辛口と言われるレビュアーは多かれど、【ただ文句を言いたくて】の管理人映画男さんほど辛口の人はいないと思っています。
自分もつまらない映画を観たときは全力で酷評するように努めていますが、映画男さんには負けます。
映画男さんのレビューはただ辛口というだけでなく、実に的確なんですよね。いつも参考にさせてもらっています。
前売り券を買って2日後ぐらいだったかな、映画男さんの『ブラック・ハット』のレビューを読みました。評価点は100点満点中18点でした。前売り券を買って失敗した!と強く思いましたよ。
で、実際鑑賞しての感想ですが、自分はこの映画、それなりに楽しめましたよ。
ダメ映画でしたが同時に惜しいと思いました。
どこらへんがダメだったか?
まず主人公ハサウェイのキャラクターですね。
完璧すぎるんですよ。イケメンで、腕っぷしも強く、侠気があり、フェミニストで、天才ハッカーで、しかもアウトロー。スーパーマンかよ、って言いたくなります。ハサウェイが実は空を飛べたとしても不思議はないですね。笑。
『ドラえもん』で主人公ののび太はどうしようもないダメ人間ですが、逆にいえばのび太がダメ人間であるからこそ、『ドラえもん』は面白いのだと思います。
『ドラえもん』の主人公がのび太でなく出木杉くんだったら、『ドラえもん』は面白いですかね?面白いかどうか以前に出木杉くんが主人公だったらそもそも物語が成立しない気もしますが(完璧なるが故の悩みみたいなものはあるかもしれませんが)。
主人公が完璧であるという時点で、物語がつまらないことは確定したといっても過言ではないでしょう。
ダメなのはもちろんそこだけじゃありません。
中国からの捜査官ダーワイとハサウェイは大学時代のルームメイトで親友同士という設定です。
でもダーワイの妹リエンとハサウェイには面識がなく、二人は初対面なんです。
現実の世界では親友であっても家族を紹介しない、家族構成を説明しないということは充分あることなのかもしれませんが、それならそれで何かしら理由があるはずです。
物語の中で親友の妹と面識がないというのは自分にはめちゃめちゃ不自然に思えました。
面識がないのは妹だけではありません。
物語の後半になって敵組織の黒幕が現れ、その男も天才ハッカーなのですが、やはりハサウェイと面識がないのです。
同時代に生きる天才ハッカー同士が相手の存在についてよく知らない、意識していないというのはちょっとおかしいだろうと思いましたよ。
例えて言えばボクシングのパッキャオとメイウェザーが互いのことをまったく知らなかった、というのと同じぐらい変です。
おかしいのはキャラクターの設定だけでなく、展開もまた充分変でした。
ハサウェイとリエンは行動を共にしていて恋に落ちるのですが、二人がいつ互いに好意を抱いたのか、まったく観ていてわかりませんでした。いきなり二人がラブシーンに突入するのですが、あまりの唐突さに一瞬「え?何か重要なシーンを見落としたっけ?」と思いましたよ。
自分が脚本家だったら、この映画の脚本を次のようにしますけどね。
まず、主人公のハサウェイをアルコール依存症だったという設定にします。
さらにリエンとはかつて恋仲であったことにします。
アルコール依存症であることが災いしてリエンはハサウェイの元を離れ、リエンを失ったことで自暴自棄になったハサウェイは犯罪行為に走る。
その後、犯罪事件の捜査で再会した二人は行動を共にするうちに再び恋に落ちる。
そういう流れにすればずいぶん物語としては自然だと思います。
さらに敵ハッカーもハサウェイと直接の面識はなくても、彼のことを前から意識していた、そしてハサウェイのハッカーとしての才能に嫉妬していた、というふうにします。
原発にハッキングしたのも、大豆市場を高騰させたのも、すべてハサウェイを表舞台に引っ張り出すためだった、すべてはハサウェイを破滅させるための壮大な復讐だった、そういうふうにすればお話としてずいぶん面白くなったんじゃないだろうか、と夢想しました。
まぁ自分の夢想は夢想として、純粋に1本の映画として観た場合、『ブラックハット』は本当に典型的なダメ映画だったと言ってよいと思います。
お気に入り度は★☆、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。