この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『グリーン・ホーネット』、久しぶりに…。

2011-02-04 21:08:17 | 新作映画
 ミシェル・ゴンドリー監督、セス・ローゲン主演、『グリーン・ホーネット』、2/4、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2011年6本目。


 久しぶりに観てる途中で退出しようかと思いました。笑。
 セス・ローゲン扮する「グリーン・ホーネット」ことブリットが観てると本っっっ当にイライラする奴なんですよ。それこそ吐き気がするぐらい。

 ブリットは基本的に甘ったれのボンボンで、何一つ取り柄がないんだけど、父親が亡くなって、そのあてつけのためだけにヒーロー業を始めるんですよ。
 過去にここまでしょーもない理由でヒーローになろうとした奴がいたでしょうか、いや、いたかもしれんけど。
 ともかく、まったく感情移入が出来ないキャラクターで、何一つ取り柄がないけれどヒーローを目指すというのは『キック・アス』のデイヴと一緒だけど、デイヴが取り柄がないなりに、信念を持って、必死に体を張ってヒーローにならんとしていたのに比べると、どこまでもブリットはおちゃらけているんですよ。
 しかもおちゃらけている割にはギャグが何一つ笑えない。
 大事な場面で録音を失敗しちゃいました、ボクちゃんったら何たるドジ!!
 それって全然面白くねーよ!!!!!

 脚本もきわめてテキトー。
 敵との戦闘で肩を撃たれたブリット。仲間が病院に連れて行こうとすると、「グリーン・ホーネットとバレるから連れて行くな」と抵抗する。
 じゃ、どうするかというと翌朝になって公衆の面前で他でもないグリーン・ホーネットから撃たれたように自作自演するんです。
 あのさ、銃で撃たれた痛みって一晩耐えられるものなの?っていうか、一晩放っておいて平気なの?
 医者だって銃創を見れば、たった今撃たれたものなのか、それとも撃たれて時間が経ったものなのか、一目瞭然だろうに。
 腐るほど金を持ってる(という設定な)んだからさっさともぐりの医者にでも連れて行けばいいのに。
 一事が万事こんな感じで、およそ脚本に関して褒めるようなことは何一つなかったですね(書いたのはセス・ローゲン本人!)。

 いいところがまったくなかったってわけでもないんですが、例えばカトーの戦闘シーンは悪くなかったとか(それでも『キック・アス』のヒットガールのそれに比べるとはるかに見劣りする)、敵の首領が発したグリーンホーネット抹殺指令の広がっていく様が画面が分割されることで表現されるところとか、それでも否定要素の方が多すぎで、全体的なプラス評価にはまったく繋がりませんでした。

 思うに、人それぞれ相性のいい映画監督、そうでない映画監督がいるんでしょうけれど、自分とミシェル・ゴンドリー監督のそれは最悪みたいです。
 世間的な評価の高い『エターナル・サンシャイン』や、プロットだけを抜け出せば自分の好みっぽい『僕らのミライへ逆回転』も大して面白いとは思えなかったので。
 この先ゴンドリー監督の作品を観に行くことってたぶんないだろうな…。


 お気に入り度は★☆、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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