この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

サブウェイ123 激突。

2009-09-04 23:59:21 | 新作映画
 トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン&ジョン・トラボルタ主演、『サブウェイ123 激突』、9/4、Tジョイ久留米にて鑑賞。2009年34本目。


 まず、本作の邦題について一言いいたいことがあります。
 『サブウェイ123 激突』の「123」がダサい、読み方がわからない(「ワンツースリー」なのか「いちにさん」なのか)、意味不明といった声を耳にしますが、それに関してはそれほど気にならないんですよね。何しろ原題が『The Taking of Pelham 123』ですから、原題に敬意を払った、といえなくもないわけです。
 問題は『サブウェイ123 激突』の「激突」の方。
 このタイトルであれば当然地下鉄が(地下鉄同士で、もしくは壁にでも)激突するお話だと思うじゃないですか。
 ネタバレになって恐縮ですが、本作では地下鉄は激突しないんです。
 地下鉄の激突シーンを期待して観に行ったお客さんがいたとしたら、これって詐欺にならないですかね。
 それともこの場合の「激突」はデンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタの二大俳優が激突するという意味でしょうか。
 だとしたら、二人以上メジャーな俳優が出演する映画はすべて「激突」になっちゃいますよね。
 『アマルフィ 女神の報酬 激突』とか、『ショーシャンクの空に 激突』とか、『マンマ・ミーア 激突』とか、『善き人のためのソナタ 激突』とか。
 邦題のダサさについては昔からいわれていることですが、最低限内容に不適なタイトルにはして欲しくないものです。

 今のはまぁ邦題についてのクレームなので作品の内容、出来とは無関係ですけどね。
 本作は映像作家としてのトニー・スコットの面目躍如といった感があります。
 ともかく魅せる魅せる、冒頭からまるっきりMTV。
 ごく単純な銀行から地下鉄駅までの現金輸送シーンですら緊迫感溢れるものに仕上がっています(そこに犯人一味が絡むというわけでは全然ないのに)。
 おそらく、トニー・スコットが撮れば、芋の煮っころがしを箸で取り損なって床に落とす、というような日常風景ですらスリリングなものになるに違いないです。

 そんなわけで、映像がストーリーよりも優先される作品なので、よくよく考えると「はにゃ?」ってはに丸くんになってしまう場面もないではないですが(脱出経路などを含め犯人たちの計画がお粗末きわまりない)、トニー・スコットの作品だからな、という理由で許せなくもありません。
 ともかく、アクション映画としてもサスペンス映画としてもそれなりに楽しめる作品にはなってはいるので、そういった単純な娯楽作品を観たいという方にはお薦めしてもいいかな、と思います(くれぐれもあんまり深く考えてはいけません)。

 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。 
コメント (2)
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