伊坂幸太郎著、『陽気なギャングの日常と襲撃』、読了。
まぁ映画『陽気なギャングが地球を回す』の公開に合わせての刊行、というのは間違いないところですよね。
アンチ映画派の自分からすると、本作は『陽気なギャング』ワールドは決して映画のようなものではないぞ、という著者の主張のようにも受け取れました。スケジュール的にそんなわけがないのだけれど。
そんなふうに感じられたのは正直本作の出来がぱっとせず、作者も映画公開に合わせて、やっつけ仕事で仕上げたのかなと思えたからです。
点数的には前作が90~100点だとすると本作は60~70点といったところかな。
前作の『陽気なギャングが地球を回す』が「伏線の張り方はこうやるものだ」というお手本のような作品だったのに比べ、本作の伏線の張り方はやや強引で前作のような鮮やかさには欠けていました。
例えば雪子が活躍する謎の招待券事件の昔の彼女に売れっ子の俳優となった元彼が匿名で贈ったという真相はやっぱりどう考えても無理があるし、メール事件の真相もこれまた無理があるというか、、、ちょっと納得できないです。
それに文章も何だかずいぶん雑に思えました。
例えば178p、
『彼女はのけぞり、目をぱちくりとさせた彼女は、「え」と聞き返そうとしたが、それでも久遠の真っ直ぐな視線に呑み込まれたのか「猫派」と言った。』という文章ですが、一つの文の中に同一の主語が二つあるのは、あからさまな間違いとはいえなくても感心はしません。
読みやすさには定評のある、文章巧者の作者にしては珍しいミスだと思いました。
あくまで一例ですが、自分なら二つ目の『彼女は』は削ります。
『彼女はのけぞり、目をぱちくりとさせ(るとorてから)、「え」と聞き返そうとしたが、それでも久遠の真っ直ぐな視線に呑み込まれたのか「猫派」と言った。』
こうした方が読みやすいと思います。
いつものごとく重箱の隅をつついて、点数的にも辛目だけど、伊坂幸太郎ファンの自分としては十分満足しました。
今月末にはそれこそ待望の乙一の新作『銃とチョコレート』が刊行されます!これもまた楽しみです♪
まぁ映画『陽気なギャングが地球を回す』の公開に合わせての刊行、というのは間違いないところですよね。
アンチ映画派の自分からすると、本作は『陽気なギャング』ワールドは決して映画のようなものではないぞ、という著者の主張のようにも受け取れました。スケジュール的にそんなわけがないのだけれど。
そんなふうに感じられたのは正直本作の出来がぱっとせず、作者も映画公開に合わせて、やっつけ仕事で仕上げたのかなと思えたからです。
点数的には前作が90~100点だとすると本作は60~70点といったところかな。
前作の『陽気なギャングが地球を回す』が「伏線の張り方はこうやるものだ」というお手本のような作品だったのに比べ、本作の伏線の張り方はやや強引で前作のような鮮やかさには欠けていました。
例えば雪子が活躍する謎の招待券事件の昔の彼女に売れっ子の俳優となった元彼が匿名で贈ったという真相はやっぱりどう考えても無理があるし、メール事件の真相もこれまた無理があるというか、、、ちょっと納得できないです。
それに文章も何だかずいぶん雑に思えました。
例えば178p、
『彼女はのけぞり、目をぱちくりとさせた彼女は、「え」と聞き返そうとしたが、それでも久遠の真っ直ぐな視線に呑み込まれたのか「猫派」と言った。』という文章ですが、一つの文の中に同一の主語が二つあるのは、あからさまな間違いとはいえなくても感心はしません。
読みやすさには定評のある、文章巧者の作者にしては珍しいミスだと思いました。
あくまで一例ですが、自分なら二つ目の『彼女は』は削ります。
『彼女はのけぞり、目をぱちくりとさせ(るとorてから)、「え」と聞き返そうとしたが、それでも久遠の真っ直ぐな視線に呑み込まれたのか「猫派」と言った。』
こうした方が読みやすいと思います。
いつものごとく重箱の隅をつついて、点数的にも辛目だけど、伊坂幸太郎ファンの自分としては十分満足しました。
今月末にはそれこそ待望の乙一の新作『銃とチョコレート』が刊行されます!これもまた楽しみです♪