米屋の廃業

地域に親しまれてきた街の米屋が相次いで廃業している。
インターネット販売やスーパーとの厳しい競争にさらされてい
た中小の米穀店が、昨年からの米価高騰に対応できず、コメの
入手も難航したためだ。様々なコメを提供してきた米穀店の廃
業が続けば、コメ食文化に影響を与える可能性もある。
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１９３４年から親子２代にわたり約９０年間営業してきた福岡
市中央区の「たしろ米穀店」が４月末に閉店した。「仕入れ値
が急激に高くなり、コメ自体も確保できなかった」。店主の田代
さんは悔しさをあらわにした。同店はこれまで、中華料理店や
すし店など店ごとの注文にあわせ、店で精米した銘柄米をブレ
ンドして提供し、個人宅も含めバイクで配達。各顧客の要望に
応じたサービスを提供してきたという。
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販売先の飲食店からは「どこで米を手に入れればよいのか」と
ただされ、常連の高齢女性からは「足が悪くてスーパーには行
けない。」田代さんは「求められても配達できなかったのは本
当に心苦しかった」と打ち明ける。
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福岡市の「金山米穀」は飲食店などに年間約３５０トンを納め
ていた。ところが、昨年以降、農協などから購入できる米の量
が希望の６割に減り他の業者から高嶺で仕入れざるを得なくな
った。販売価格は抑えてきたが仕入れ高騰が続き廃業した。
廃業が続けば日本の米食文化が失われかねない。






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