電線のカラス

昨日車に乗って移動中に、街中で信号止まりになりました。
コンクリート電柱から伸びた高さ５ｍ程の電線があり、その上にハシブ
トカラスが１羽止まっていました。下を向いてさかんに首を前後に振っ
ていたので「カァーカァー」と鳴くのかなと見ていますがなかなか鳴き
ません。カラスは人目がない静かなところで鳴くのが普通だから、こん
な街中のうるさいところで鳴くはずがないかと思いました。では、あの
モーション何なんだろうかとふたたびカラスを見ると、また下を見なが
ら首を上下に振っています。電線下に何か獲物でもあるのだろうかと見
渡しましたが、獲物らしきものは見当たりません。時間は刻々と過ぎ
てゆき、赤信号から青信号に変われば、否が応でも車を進行しなければ
なりません。じれったいなと思っていると、ようやく次の行動を起こし
ました。そのカラスは電線から２ｍ程下の細い木の枝に飛び移ったので
した。小さな小鳥ならいざ知らず、大きなカラスがあんな細い木に飛び
乗れば重みで落ちてしまいそうですが、これが落ちないんですね。
カラスは首を前後に動かして、細い枝先に体重をできるだけ加えないで
止まるためのデモンスレーションをしていたのでした。か細い枝に飛び
乗り、その木に無数になっている５ミリ程の赤い実を食べ始めました。
「これは　おいし～い」と満足そうです。このカラスは木の実が熟れる
のを待ち続け、そして枝にもうまく乗れるだろうかと以前から考えてい
たことをようやく今実行にうつしました。木の実の量から考えれば当分
はここで食事にありつけそうです。野生の鳥は食べるために、常に色々
な情報網を張りめぐらしているのでしょうね。

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