犯人はだれだ！

すると高い前線の上で１羽のヒヨドリがチュンチュンと鳴きました。
白に黒のまだらがあり尾の長いそのヒヨドリは、尾をいそがしそうに上
下に振っています。この鳥が犯人かと一瞬思いましたが、今確かにサイ
ドミラーから物陰がこの木に消えたので、犯人はこの木にいるはずと思
い直しました。木の高さは３ｍ程で、葉っぱと枝が覆い茂って木の中は
見えません。でも必ずこの木から飛び出てくるはずと見ていると、たま
らずにあぶり出されるように１羽のスズメがその木から飛び出てきまし
た。そのスズメは羽を逆立てて丸くなっているので、雛鳥か思いました
が雛がミラーを蹴ったり器用なことはできないはずです。穴があったら
入りたい心境が毛を逆立てて丸くさせているのかもしれません。
「犯人はわたしじゃ～ないよ～」といいながら私の前から飛び去ってい
きました。今のスズメが間違いなく犯人だと確信をしました。何も悪い
ことをしていないスズメが丸くなってカモフラージュする必要がないか
らです。すると高い前線から一部始終を見ていた先ほどのヒヨドリが
チュンチュンと鳴きました。「あいつが犯人だよ」と言ってそのヒヨド
リも飛び去って行きました。先ほどスズメがいたサイドミラーを見てみ
ると、やはり今したばかりの置きみやげが残っていました。
わが家に居候をしているスズメは決してこんなことはしないのに、所変
われば品変わると言いますが、スズメも人間と同じように色々な性格の
持ち主がいるようですね。先ほどのスズメは私からばれた以上は、２度
と同じ過ちを犯さないような気がします。今度また同じことが起こせば
秘策を考えました。そして続編で紹介しようと思います。

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