ブログ 「ごまめの歯軋り」

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老老介護の悲劇を繰りかえさないで

2006年08月15日 | 時事問題
asahi.com 2006年08月15日12時06分
73歳夫が73歳妻を殺害 介護疲れで 神奈川・藤沢
 「介護疲れから寝たきりの妻を殺害したとして、神奈川県警藤沢北署は15日、藤沢市長後、無職山口清容疑者(73)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。山口容疑者が隣家に駆け込み「妻を殺してしまった」と話したため、住民が110番通報した。山口容疑者は「妻が『殺して』と言った」と供述しているといい、自分の胸などを刺していた。系子さんは2年前から寝たきりで、山口容疑者が1人で介護していたという」

こういう場合どういう手があるのか
 こういった場合、色々なことが考えられるが、①どうしても自分が自宅で死ぬまで面倒見るという強い信念でやっている場合 ②お金がなく、年金では介護施設或いは病院に入れられない場合 ③行政(市役所、区役所)に一度も相談にいったことがなく公的支援について全く無知であった 
 今回のことは恐らくは②のケースで、少ない年金額では介護施設に入所出来なかったと思われる。それでも③の公的支援の相談に行くべきだ。この前の京都の事件では母親を介護している息子が失業して生活保護の相談にいったにもかかわらず役所の冷たい対応をうけ断念した。(役所にも言い分があるだろうが、本当に相手の身になって考えていたなら何らかの手はあったはず。それほど日本の制度は過酷でない)そして生活がどうにも行き詰って母親の同意を得て殺害したという涙を誘うような話だった。今回の場合にも何回も役所に足を運んで、妻を施設にいれ夫の負担を軽くすることが出来なかったのか。こういったケースを防ぐため役所は存在するはずだし、憲法にも生活権が謳っている。見殺しにすることはないはずだが、役所の怠慢か意思疎通が出来ていないとこちらの窮状が役所の担当者を動かさない場合もある。③のケースのように介護システムを全く知らず自滅する場合もあるが、黙っていては役所も動かない。老老介護を支援するネットワークがあれば、地域の人の相談相手になるようなボランティアが問題の早期発見になることを期待したい。


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