ブログ 「ごまめの歯軋り」

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地球温暖化より氷河期の方が恐ろしい!東大丸山先生 スパコンと地球温暖化を切る

2010年11月09日 | 時事問題
asahi.com 010年11月9日5時1分
太陽活動停滞で0.7度寒く 13年以降にミニ氷河期?
 太陽活動が停滞すると、北半球の平均気温が0.7度ほど下がることが東京大などの研究からわかった。地球に降り注ぐ宇宙線を遮る太陽の磁場活動が弱まるためだという。日本では梅雨の湿度が1~2割高まり、降水量が増えることもわかった。宇宙線の変化による地球の気候への影響が初めて確かめられた。今週の米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。  太陽活動は2013年をピークに数十年の停滞期を迎えることが予想されており、地球がミニ氷河期に入る可能性もあるという。

東京大学教授 丸山重徳氏は地球温暖化説を切る
「今はみんな、気温が異様に上がることを心配している。 その理由の一つは、スーパーコンピューターの過信ですよ。僕はあんなものは予測にも何にも役に立っていないと思う。数値実験よりも、古気候の解析の方が、遙かに精度がいいんですよ。 何故かと言うとね、大気の運動とか海流とかは、ほんの小さな熱容量で運動が大きく変わってしまうんです。パラメーターの数も何百もある。それらが相互作用している。それをきちんと計算して動きを予測するなんてことは不可能ですよ。いまようやく大気結合モデルとかやってるけど、あんな幼稚なものでは予測はできません。科学的とみなせるような相互作用もパラメーターの中に入っていないしね。今のモデルだと、単に今のサイクルが激しくなりますよ、ということを言っているに過ぎないわけです。・・・・・・・地球の表層の気温は、非常に高温であった時代から、基本的には冷却してきたわけですが、人類が誕生した500万年前くらいから氷河期に入ったわけです。で、その時代から4回くらい気温が落ちている。これが氷河期です。現在は、最後にいったん下がったあとの一瞬の小春日和なわけです。つかの間の間氷期です。でも基本的には氷河期なんですよ。いつ寒冷化するか、それが問題なわけです。どんなことをしても、地球は寒冷化するんです。ところが、いまみんなが問題にしているのは温暖化です。僕は、狂っていると思いますね。いいですか、暖かくなるっていうのは「良い」んですよ。寒くなると、膨大なエネルギーが必要ですけどね。それはですね、過去のデータを見ると歴然としているんです。 ・・・・・この1万年の間の小さな温度変化を観察すると、6000年前にピークを向かえ、その後冷却してきている。もっと小さな周期を含めて予想すると、そろそろ氷河期に入ってもよい時期に来ている。 ところがたまたま産業革命が起こり、人類は化石燃料をせっせと炊いてしまった。それでほんの少しだけ寒冷化に対抗している、というのが現状なんですね。で、そうであるとしたら、何もしなくなったら、いきなり気温は急降下ですよ。そういう微妙な位置に我々はいるわけね。」という。
(NetScience Interview Mail 1998/06/18 Vol.008)より

読書ノート 正田 彬著 「消費者の権利」新版 岩波新書

2010年11月09日 | 書評
消費者庁施行時点で、消費者の権利を再検討する 第8回

1)消費生活の安心、安全、自由の権利 (2)

 2005年までに松下電器産業(パナソニック)の温風暖房機(FF式石油温風器)の給気管の劣化による一酸化中毒死亡事故が三件発生した。4月経産省の指導の下に製品のリコールを開始したが、半年たっても回収率は36%(全数15万台)に過ぎなかった。経産省は「消費生活用製品安全法」による「緊急命令」を松下電器産業に2回出したが11月にはさらに4件目の死亡事故が発生した。2006年7月14日経産省はパロマ工業製瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故が16件発生しうち14名が死亡していたことを発表した。その後の調べで1985年から2005年までに中毒事故は28件、うち21人が死亡、36人が重軽傷を負っていたことが判明した。緊急命令を出したのは2006年8月28日というあまりに遅きに失した経産省の対応であった。2008年パロマ工業の対応の悪さに対しては経産省は2008年6月25日に「危害防止命令」が出されている。

 市民生活の自由の権利を侵す「訪問販売」は、他人の生活の場を販売活動として用いるのは、消費者からの依頼があったときに限定されるべきで、「呼ばなければ来るな」というのが、居宅、住居における事業活動の基本原理であるべきはずである。ところが現法律「特定商取引法」が一定の制限の下(再勧誘の禁止など)で認められているのである。選挙でも戸別訪問は禁じられている。日本でも特定商取引法によって訪問販売を容認するのではなく、むしろ全面禁止の法制度が必要である。また訪問販売だけでなく電話による勧誘なども禁止すべきである。商売は事業所のみで行うことにすべきである。未公開株や先物取引など各種悪質な商法を阻止するためにも電話による商取引は禁止すべきで、高齢者や認知症患者の契約には規制を設けるべきではないだろうか。
(つづく

文藝散歩 永井荷風 「断腸亭日乗」

2010年11月09日 | 書評
永井荷風42年間の日記 個人主義者の孤独な生 第32回

永井荷風著 磯田光一編 摘録「断腸亭日乗」岩波文庫 第15回 

1925年(大正14年 荷風47歳)

元旦雑司ヶ谷墓地に父の墓参り。 
1月15日三菱銀行の預金1万円を超えたので利殖のために、兜町に行き東京電燈会社の株を買う。 
6月16日三一氏に誘われて足が遠のいていた歌舞伎座へ行く。「下谷叢話」などを刊行する。 
8月31日曝書、薄暮行水。 
10月8日タクシ-の運転手の話として、霊岸島の隠売女の斡旋の話を記す。又淫蕩の血が騒いでいたようだ。 
10月24日出版社の文人に対する態度は商品を注文するが如きで、最も憎むべきは菊池寛の如き売文専業の徒のなす所なりと攻撃する。 
12月3日荷風の誕生日で、47歳となったと記されている。 
12月5日押入れに突っ込んであった寄贈雑誌の類を売り払ったという。元来荷風は雑誌は読まない主義で、「史記」、「通鑑」などまとまった著書のみを読む。雑誌は時間の浪費だという。終日独炉辺に閑座し心のままに好める書を読むことを得るは、人生無上の幸福にあらずや。この年淫業ますます盛んで、赤坂の野中女、新橋の松菊、氷川町のお浪、桜川町の女の名が見えるが、悪所での一夜の女数知れず。
(つづく)

筑波子 月次絶句 「晩 秋」

2010年11月09日 | 漢詩・自由詩
秋老送寒飛将軍     秋老い寒を送る 飛将軍

梧桐落盡已紛紛     梧桐落盡して 已に紛々

簷傍柿樹有丹葉     簷傍柿樹に 丹葉有り
   
峰上青霄多断雲     峰上青霄に 断雲多し


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(韻:十二文 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)

CD 今日の一枚 ワーグナー 歌劇「タンホイザー」

2010年11月09日 | 音楽
ワーグナー 歌劇「タンホイザー」(CD3枚組)
ダニエル・バレンボイム指揮 シュターツカペラ・ベルリンと合唱団
ジェーン・イーグレン、ワルトロード・マイエル、ペーター・ザイフェルト、レネ・パペ、トーマス・ハンプソン
DDD 2001 TELDEC 


1844年に完成、中世騎士道と歌合戦を描いた。ワーグナーの歌劇楽劇の筋書きは一切述べない。歌舞伎と同じく馬鹿馬鹿しいほど荒唐無稽だから。毎年「ローエングリーン」と一緒に上演されている。