暖かし 亜紀子
ビルの端の夕日見てをり建国日
日和得て菰開けそろふ寒牡丹
きさらぎの葬りかさねし週明くる
空々しく愛の日の句を念じたる
椋鳥大挙して食みこぼす楝の実
春暁や甍に力満ちきたり
病むといふ文の短く冴返る
弥生の雀のやうに母と娘と
暖かく木々もくつろぐ夜なりけり
卒業の光まぶしきにはたづみ
星うるむ今宵夜学を卒業す
暖かし 亜紀子
ビルの端の夕日見てをり建国日
日和得て菰開けそろふ寒牡丹
きさらぎの葬りかさねし週明くる
空々しく愛の日の句を念じたる
椋鳥大挙して食みこぼす楝の実
春暁や甍に力満ちきたり
病むといふ文の短く冴返る
弥生の雀のやうに母と娘と
暖かく木々もくつろぐ夜なりけり
卒業の光まぶしきにはたづみ
星うるむ今宵夜学を卒業す