帯なして山かひつなぐ冬の靄
付知峡ともしく低き掛大根
木守柿日に三本のバスが来る
霜晴のこけら落しの木曽の空
地芝居や恵那山頂に雪の衣
仰山な五平餅売る村芝居
駐在と掛け声かかる村芝居
みしみしと板廊冷ゆる芝居小屋
地芝居のいささ温もる二階席
木曽源流をちに雪嶺まぶしかり
亜紀子
帯なして山かひつなぐ冬の靄
付知峡ともしく低き掛大根
木守柿日に三本のバスが来る
霜晴のこけら落しの木曽の空
地芝居や恵那山頂に雪の衣
仰山な五平餅売る村芝居
駐在と掛け声かかる村芝居
みしみしと板廊冷ゆる芝居小屋
地芝居のいささ温もる二階席
木曽源流をちに雪嶺まぶしかり
亜紀子
若冲羅漢 亜紀子
十二帝陵守る白樫の実の若き
若冲の墓に千草の風渡る
秋の蚊を追へと団扇を出しくるる
五百羅漢小鳥木の実を友がきに
若冲羅漢背に憂ひを秘むる秋
秋霖や無頼鴉も黙しをる
夕映の綿虫湧きてきりもなや
木の葉髪残る芒もさんばらに
常行かぬ小路すゞろに縷紅草
朝な夕な何かれとなくかぼす汁
公開の茶の湯の宝櫨日和
門を出でて小路の果の十三夜
ひと陰りして冬の居る窓辺なり
火打うつ鶲に庭の白みそむ
塵を選る鴉降り来る文化の日