橡の木の下で

俳句と共に

平成24年「橡」7月号より

2012-06-27 10:00:27 | 俳句とエッセイ

 五月   亜紀子

 

 

若かりき眠かりき五月ありにけり

橡咲いて宝ジェンヌを追ふ乙女

かほほりがノック連打の音に出づる

山あぢさゐ瑠璃深まれば雨がちに

夜ごと出て守宮もの言ふ厨窓

薔薇盗人夜明けの花を愛でをらむ

鵯の人を怖ぢぬは子なるべし

黄鶲やキャンパスの森深からず

あぢさゐはががんぼ館踊り出て

青蔦を洩るる月あり稿措きて