世の変はるやうな気もする若葉雨 亜紀子
しやぼん玉 亜紀子
野の鳥も鳥屋につきたる静けさよ
縄文の遺構を濡らす芽出し雨
啓蟄の雨すべらかす百日紅
軒寄せて春の花苗並べをり
早春の花こそよけれ地にひらく
まだ寒き風をうかがふクロッカス
日を浴ぶるうなじ恥ぢらふヒヤシンス
秘するものなしと貝母の花ひらく
クリスマスローズ愛なき世に開く
曙の名の春蘭のけさひらく
大根のフレンチカンカン花盛り
しやぼん玉吹かれゆくなり平成も
しやぼん玉ゆくを見てをり平成子
粉はたきめかぶじやきじやき千六本
身のかろし昨日の初音を聞きしより