黄金週椋鳥の餌さがし余念なき 亜紀子
日差し 亜紀子
春足踏みビルの狭間の猿田彦
梅咲いて老いに香煙朦朦と
青鷺の十字のよぎる春の月
芽吹きまへ小啄木鳥一羽の早鼓
夕焼け雲乗せて欅の芽吹きそむ
小箒や路地のさへづりそこかしこ
特設の棚にあふるる春野菜
安倍川が目処よ車窓に春の富士
ふるさとの春も辛夷に始まりし
恋すてふ鴉も詩人榛の花
盛大に音立ててをり芽出し雨
ちらちらとあおじつき来る梅林
ゲートボールルールないよと長閑なり
供花に来て虻も日差しをよろこびぬ
初蝶のやあこんにちはさやうなら