秋だねと告げにいつもの四十雀 亜紀子
半夏雨 亜紀子
新しき墓濡らすなり半夏雨
長崎揚羽扇づかひに失せにけり
幣なして貴船の道の鴨足草
梅雨霧も京へと下る貴船川
貴船川水清ければ鮎棲まず
つちあけび一茎咲きて梅雨暗し
青鷺の眉の涼しきひとりぼち
地下鉄のちょん髷力士名古屋場所
蝉と湧く野球少年雨一過
就活も受験も無休蝉しぐれ
熊蝉の煮え湯を浴ぶる路のあり
蚊の毒にいささか慣れて草を引く
新保育士子らの夏風邪もらひたる
細長き実を結び初め西瓜なり
炎天やナゴヤドームのまろき腹