橡の木の下で

俳句と共に

「子鴉」平成26年「橡」7月号より

2014-06-27 09:59:31 | 俳句とエッセイ

 子鴉   亜紀子

 

朝湯して五月連休終盤戦

するすると縄立つごとき松の芯

今年はも粽小さくなりにけり

蝿虎ももの考ふる机上かな

つどひ来る日比谷に緑感謝祭

新緑を裾に明るき雪の富士

青嵐や鴉双翼かがやける

椋鳥夫妻野盗鴉を追ひはらひ

つぎつぎに若葉しづくと四十雀

いつも見る小窓に梅雨の兆しをり

やうやくにリラの咲けりと便り来る

青蔦の照りわたり暑の俄なる

子鴉の高き梢の胴間声