橡の木の下で

俳句と共に

「ゆく年」平成27年「橡」2月号より

2015-01-28 15:25:31 | 俳句とエッセイ

 ゆく年  亜紀子

 

落葉降りしきる歳末ジャンボくじ

将軍塚めぐる小径の霜ゆるぶ

外套に講の半袈裟しまひけり

睨めらるる寒さひとしほ青不動

霜晴れやはつか雲おく京五山

冬木の芽つばらに響く護摩太鼓

葛焼きの熱きが甘き新小豆

手も足も五体総身着ぶくるる

つとひらく心氷雨に目白きて

冬将軍小庭荒して征きにけり

うすうすと世を隔つかに薄氷

ひとり居て日がな古屋の隙間風

何を為すともなく暮れし柚湯かな

大年やふるさと遠く暮れにけり

ゆく年や時雨にぬれし月の道