橡の木の下で

俳句と共に

令和6年「橡」8月号より

2024-07-28 12:19:25 | 星眠 季節の俳句
嫋嫋とのぼる緑やホップ畑  星眠
             (営巣期より)

 昭和五十年代、出羽での旅吟。この描写、まさにホップ畑そのもの。山形におけるホップ栽培は戦時下まで遡る歴史があるそうだ。  (脚注・亜紀子)

令和6年「橡」7月号より

2024-06-30 12:56:21 | 星眠 季節の俳句
樅秀で梅雨爽涼の月あかり  星眠
                   (テーブルの下により)

 星眠先生には梅雨の文字を使った句がかなり多い。雨が好きだったとも思えないが、雨をちっとも厭わない人ではあった。男の孫が生まれた時、この句の爽の字をその子に与えた。
                            (亜紀子・脚注)


令和6年「橡」5月号より

2024-04-30 12:56:05 | 星眠 季節の俳句
鄙住に妻も古りけり桜飯  星眠
            (テーブルの下により)

 ここで言う桜飯は桜花を炊き込んだ仄くれないの雅なもの。
東京を恋い慕っていた母も人生の大半が田舎での生活となり、
大正生まれの父が時には妻を労る言葉を口にするようにもなった。
                         (亜紀子・脚注)

令和6年「橡」4月号より

2024-03-28 11:30:25 | 星眠 季節の俳句
山茱萸に碓氷ふるみち曇りけり  星眠
                (営巣期より)

 旧中山道碓氷峠越は群馬と長野を繋ぐ古道。古来より難所として知られた。
山茱萸の黄の花だけが季節の到来を告げている。
                           (亜紀子・脚注)