夏俄か空むしむしと茹であがる 亜紀子
花の宴 亜紀子
十二単こぞの襤褸より現るる
清掃隊往き来三分の花堤
鷹揚に鴉巣ごもる花のかげ
花の宴抜けて水鳴る五条川
かわほりも一さし舞へり花の月
山吹や林明るく水鳴れる
丸ひと日谷戸を離れぬ初音かな
灌仏の雨総身に老桜
櫛笄ひさぐ玻璃戸に花の冷え
前撮りの新婚花の辻ごとに
花過ぎの愁ひを額に若き日々
鼬出て葉桜の闇ざわざわと
春愁の眼をさますミントの芽
新緑や雨を歓ぶ池ひとつ
忽と来てついと帰る子蝶うらら
花の宴 亜紀子
十二単こぞの襤褸より現るる
清掃隊往き来三分の花堤
鷹揚に鴉巣ごもる花のかげ
花の宴抜けて水鳴る五条川
かわほりも一さし舞へり花の月
山吹や林明るく水鳴れる
丸ひと日谷戸を離れぬ初音かな
灌仏の雨総身に老桜
櫛笄ひさぐ玻璃戸に花の冷え
前撮りの新婚花の辻ごとに
花過ぎの愁ひを額に若き日々
鼬出て葉桜の闇ざわざわと
春愁の眼をさますミントの芽
新緑や雨を歓ぶ池ひとつ
忽と来てついと帰る子蝶うらら