空色のリボンに束ぬラベンダー 亜紀子
籠り居 亜紀子
手放しで雲とお喋り朴の花
美容師も客も五月にマスクして
八重桜花房重く自粛の夜
籠り居に黴取り道具一揃ひ
並ぶまじ餅屋端午の行列に
子を容れず若葉に沈む学舎かな
街薄暑一見何もなきやうに
巣鴉も人も青葉に籠りをる
風薫る不要不急の我が身にも
頬白のさへづる一枝そよぎをり
腹据はる鴉の面も営巣期
健やかに糞を降らせる燕の巣
つばくらめ茅花の風に翻る
夜の窓辺思ひ出遠く椎の花
竹落葉しやらしやら風の慰みに
籠り居 亜紀子
手放しで雲とお喋り朴の花
美容師も客も五月にマスクして
八重桜花房重く自粛の夜
籠り居に黴取り道具一揃ひ
並ぶまじ餅屋端午の行列に
子を容れず若葉に沈む学舎かな
街薄暑一見何もなきやうに
巣鴉も人も青葉に籠りをる
風薫る不要不急の我が身にも
頬白のさへづる一枝そよぎをり
腹据はる鴉の面も営巣期
健やかに糞を降らせる燕の巣
つばくらめ茅花の風に翻る
夜の窓辺思ひ出遠く椎の花
竹落葉しやらしやら風の慰みに