電飾の街を離るる冬の星 亜紀子
月のもと 亜紀子
行く先のどこも木犀香りをり
はたはたの蕗葉の屋根は穴だらけ
秋風やマリーナ裏に蜑の路地
ぺらぺら嫁菜御用邸裡に入るを得ず
浜に咲く小待宵草小さかり
そこばくの稲架かけに子も手を貸せる
漆黒のワイン葡萄の棚低し
覚めて聞く青松虫の四面楚歌
影を得て動くものなし月のもと
深秋や悩みにつどふ人の群
蝶も来て庭に羽干す台風過
杜鵑草尻尾をあげてこぞり咲く
木の実降る留学生寮けふひそか
秋果得し鵯のきりなき節まはし
月のもと 亜紀子
行く先のどこも木犀香りをり
はたはたの蕗葉の屋根は穴だらけ
秋風やマリーナ裏に蜑の路地
ぺらぺら嫁菜御用邸裡に入るを得ず
浜に咲く小待宵草小さかり
そこばくの稲架かけに子も手を貸せる
漆黒のワイン葡萄の棚低し
覚めて聞く青松虫の四面楚歌
影を得て動くものなし月のもと
深秋や悩みにつどふ人の群
蝶も来て庭に羽干す台風過
杜鵑草尻尾をあげてこぞり咲く
木の実降る留学生寮けふひそか
秋果得し鵯のきりなき節まはし