橡の木の下で

俳句と共に

草稿03/31

2012-03-31 10:00:08 | 一日一句

街かどの緑づたひの初音かな

この道や雲と木蓮光り合ひ

あたらしき鍵手にかろし初燕

春宵や菓子くさぐさを家苞に

亜紀子


平成24年「橡」4月号より

2012-03-28 10:00:16 | 俳句とエッセイ

  暖かし     亜紀子

 

ビルの端の夕日見てをり建国日

日和得て菰開けそろふ寒牡丹

きさらぎの葬りかさねし週明くる

空々しく愛の日の句を念じたる

椋鳥大挙して食みこぼす楝の実

春暁や甍に力満ちきたり

病むといふ文の短く冴返る

弥生の雀のやうに母と娘と

暖かく木々もくつろぐ夜なりけり

卒業の光まぶしきにはたづみ

星うるむ今宵夜学を卒業す