橡の木の下で

俳句と共に

平成24年「橡」3月号より

2012-02-26 10:08:57 | 俳句とエッセイ

 冬麗      亜紀子

 

冬麗の翼ささらに飛びたてり

ふくしまの珠といただく寒卵

悼桑花先生

冬日さす木椅子に座して笑まれけり

悼白泡先生

白梅の頃に会はむと思ひしが

なづな粥噴いて明るき厨窓

日だまりの落葉に座して詩を綴る

受験子の戯れごとを言ひ寝につけり

ははそはの母に母あり霜強し

平和の火ときをり熾り凍て厳し

原爆のドーム瓦礫に霜をおき