橡の木の下で

俳句と共に

「桃の日」令和6年「橡」5月号より

2024-04-30 13:08:08 | 俳句とエッセイ
桃の日   亜紀子

豆ひひな遠く住む子も達者らし
尾を立てて影も忙しや笹鳴ける
桃の日や軽ろく大きな御伽犬
雨よりも細く柳の芽吹きたる
水鳴つて揺るる木五倍子の金鎖
いや生ふる台座も高き仏の座
震災の日のけふ辛夷真白なり
乙女らにコリアンコスメ春の雨
はなのきの離りて見れば花盛り
風音に父母恋し彼岸荒れ
雨の後森は一途に芽吹くかな
春うれひ辛夷並木もくたびれて
雨降ればたやすくつのる春愁
公園に子らの来ぬ日々菜種梅雨
水一日張れば目覚むる菖蒲かな
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