橡の木の下で

俳句と共に

草稿09/30

2009-09-30 06:46:56 | 一日一句
そぼ降るとその名かなしき鉦叩  亜紀子

雨の朝もどこかで虫の音

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「橡」平成21年10月号より

2009-09-29 08:34:52 | 俳句とエッセイ
永々と原爆の日の照り蔭り
新涼や木刀で切る紙ふたへ
新聞の一面に先づ秋立ちぬ
せいれいと呼べば蜻蛉の透きとほり
ただふた夜離れをりしが虫の庭
               亜紀子

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草稿09/28

2009-09-28 06:16:51 | 一日一句
秋の日の日暮れはいつも空を見る  亜紀子

ガラスの雲、
夕焼け色の飛行機の航跡、
暮れ際の空は日ごと透明に。
ひと日の終わりの日ごと切ない季節。

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草稿09/27

2009-09-27 06:51:41 | 一日一句
固き門の閂をさす月明し  亜紀子

錆びついた門扉を閉ざす、
昨日によく似た一日の終わり。
月は皓々。

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草稿09/26

2009-09-26 07:28:25 | 一日一句
女子高生ことばの不思議昼の秋  亜紀子

現代ことばは女子高校生が作っていると言っていた人があったが、言い得て妙。


地に興り空に満ちたる虫しぐれ  亜紀子

階下で聞けば地に満ちて、
階上に上がれば星空までも満たす虫の音。
昼のさなかであっても耳を澄ませば必ずどこかで鳴っている。
ひとときも絶えることのない声。





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