草稿07/31 2010-07-31 12:07:26 | 一日一句 日本民藝館 緑さす壺屋の壺のやや傾ぐ 古伊万里の藍の涼しき山水図 夏汐の皿絵の帆舟すべり出し はちす葉の一筆書きのそよぎをり 空蝉の鼈甲色の飴の艶 亜紀子
草稿07/30 2010-07-30 06:26:00 | 一日一句 夜すすぎの隣家もまはす洗濯機 亜紀子 盥や洗濯板は博物館の収蔵品になった 昔の電気洗濯機はガラガラと単調に回っていた 昨今の電子制御の洗濯機は且つての手洗いの動きを追っているのか 音にも不思議な抑揚やリズムがある
草稿07/29 2010-07-29 10:22:07 | 一日一句 猛暑日に句点打つ雨大雨なる 亜紀子 猛暑も8日間連続に一旦休止 今朝は断続的に強い雨 一日の最高気温35度以上が猛暑日 一時間に20mm~30mmの降雨量で強雨 大雨は大雨注意報基準以上の雨 今日の強雨は警戒が必要とのこと
平成22年「橡」8月号より 2010-07-29 10:10:55 | 俳句とエッセイ 梅雨鴉 山あぢさゐ瑠璃の眸に露をおき 摩訶不思議呪文呟く梅雨鴉 ごきぶりの館意匠を凝らしをり 街ひとつ青水無月の雨の中 髪あづけ憚りもなき昼寝覚 亜紀子
草稿07/28 2010-07-28 09:51:10 | 一日一句 へうへうと酷暑にいます生御魂 亜紀子 電話もめったにはできなくなったが 時折は打たずともりんりん響くようなことがあり 大方は渺渺たる大海のようであり だんだんと掴みどころが遠くなるようである 中島敦の『名人伝』 巧緻なレトリックの中に真実があると信じていたが ひとつひとつが、唯に真実であると分かり、 驚きだ。