橡の木の下で

俳句と共に

「秋日和」平成30年『橡』12月号より

2018-11-26 11:29:10 | 俳句とエッセイ

秋日和   亜紀子

 

一町の木犀ひらくひと日あり

肩触れて秋が隣りに木のベンチ

金風や祭の沙汰もひとめぐり

横丁に子供神輿の御成りなり

鋏の音けさやや鈍き松手入

柚子坊も肥ゆる日和の二三日

草刈るや初風の径生まれたる

信号も鳥の声出す鵙日和

風蘭や鈍き五感の夜は聡き

やうやうに蚊もしをらしくなりにけり

ほほゑみに微笑みかへし秋深む

芸術家若し大人し秋うらら

みぞそばや京白川に釣るは何

白川に釣るはじやこちふ秋日和

じやこちふはおひかはのこと鮠のこと