寒締めや身の養生を先づもつて 亜紀子
暖冬 亜紀子
良き衣を着てつどひ来る針供養
蒟蒻の鎮座まします針供養
十二月八日の日差し雪蛍
暖冬のもみぢ狩なり渡月橋
水仙やどの路地行くも塵のなき
怪しかり師走なかばのこの温さ
熱演を終へて咳くツィメルマン
節々を風邪の神に操らる
暖冬の受験子いささ生温く
ぞろぞろと地下鉄を出る白マスク
三人四人煤逃げらしき日向ぼこ
徳川の雄松雌松の大飾
照ら照らと誰かれの顔初篝
軒を立つ雀の声や初旦
四日はやネクタイ締めて四十雀
暖冬 亜紀子
良き衣を着てつどひ来る針供養
蒟蒻の鎮座まします針供養
十二月八日の日差し雪蛍
暖冬のもみぢ狩なり渡月橋
水仙やどの路地行くも塵のなき
怪しかり師走なかばのこの温さ
熱演を終へて咳くツィメルマン
節々を風邪の神に操らる
暖冬の受験子いささ生温く
ぞろぞろと地下鉄を出る白マスク
三人四人煤逃げらしき日向ぼこ
徳川の雄松雌松の大飾
照ら照らと誰かれの顔初篝
軒を立つ雀の声や初旦
四日はやネクタイ締めて四十雀