橡の木の下で

俳句と共に

草稿05/31

2010-05-31 09:50:27 | 一日一句
満つるものなく暮れもせで夏ゆふべ   亜紀子

日一日夕暮れが長くなる
今日はもう終わった筈なのに
振り返ったまま、引っ掛かっている夕日
鷺が一羽足を水平に伸ばして消えて行く
空のまなかで、時は満ちる事を知らず
揺蕩うばかり

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草稿05/30

2010-05-30 10:07:28 | 一日一句
あさがほの宙を漕ぎゆくつるの先  亜紀子

朝顔の花は秋、苗は夏
子供たちが鉢の朝顔を学校から持ち帰ったのも遠い思い出
今年は色違いの幾苗かを、一人植えてみた
物理法則に上手にのり、蔓の先が竿まで伸びて、巻き上がっていく

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草稿05/29

2010-05-29 11:25:50 | 一日一句
草引きも楽しからずや道具あり  亜紀子

誰が思いつくものか
どんなものにも、様々にその道具がある
よく考えられているものも、そうでないものも

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平成22年「橡」6月号より

2010-05-28 10:46:01 | 俳句とエッセイ
清明や草引けば声かけらるる
朝つゆに若葉の天地満ちゐたり
ひとりづつ良き声もらひ百千鳥
炊ぐにも野山を思ふ春野菜
桜蘂降る追憶の細き道
              亜紀子

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草稿05/28

2010-05-28 10:39:54 | 一日一句
忍び音の青葉籠りに月まどか  亜紀子

昨夜は満月
青葉の打ち重なりが
月明かりに綾なす影

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