国道の大安在付近から望む丸山(457m)と撫付山(429m)
道南全山219座完登まであと残り8座になっていた。奥尻の2座以外の上ノ国町の3座とせたな町の3座は積雪期に登るつもりでいた。
ところが、最近藪山にハマっている
JYUNさんから、4/28にこちらの未踏の撫付山に登って来たという連絡をいただいた。彼に言わせると、「いつもお世話になっているので、何か恩返しというかお役に立てれば」と思って、彼なりのルート工作でトライしてみたという。結果、それほど手こずる薮もなく楽に登れたとのことだった。
早速、それを参考に、撫付山だけでなく、尾根で繋がっている未踏の丸山へも登れたら登る計画で出掛けた。結果、薮漕ぎ登山では割と楽な部類で2座ゲットすることができ、JYUNさんに感謝!感謝!である。
GPSトラックログ。もしやと期待した点線の作業道はほとんど痕跡すらない薮だった。
6:20、JYUNさんが取り付いた階段からスタート。ここから西尾根を目指して登った。この階段に目を付けたJYUNさんに感心する。
階段を登ったら、その上はまだ耕作されている畑があり、さらに先は薮に埋もれているが、やはり畑の跡だった。
その先を登って行くと、JYUNさんの記録にも載っていた農作業小屋(廃墟)があった。その先からいよいよ本格的な薮尾根に取り付く。
JYUNさんのテープ・・・心強い。まっすぐ上の西尾根を目指して前進。薮は簡単に手で掻き分けられる程度でほとんど気にならない。
6:55、西尾根に乗ることができた。尾根の先に目指す撫付山が見える。笹薮は場所によって濃淡はあるが、高いところでほぼ胸の高さぐらいなので、手と足で簡単に掻き分けて登ることができる。その先にもJYUNさんのテープが所々に付けられていた。
細い尾根には鹿道もできていて、非常に助かる。
頂上が近くなると、薮も薄くなってきた。ただし、そのあとの頂上直下の笹薮は少し濃く、ツタが絡みついて、すんなりとは登らせてもらえなかった。
7:35、わずか1時間15分で撫付山頂上到着。JYUNさんが苦労して探して掘り出した三等三角点と彼が立て直してくれた測量用のポールが迎えてくれた。JYUNさんに撫付山ゲットのメールを入れる。
遮るもののない360度の展望が広がる。青空の下に広がる日本海と海岸線の集落の眺めが気持ち良い。
◎丸山を目指す
まだ時間はたっぷりある。丸山とそこまで繋がる尾根をじっくり眺める。多分、薮もここまでと大差はないものと思われる。ネマガリダケさえなければ楽勝のはずである。
これまでの経験から、あまり期待はしていなかったが、稜線に出れば地図上の点線の作業道があるかもしれない?
10分ほど休んで、迷うことなく前進。稜線までの吊り尾根の下りに掛る。ほとんど気にならない薮だった。
コル付近には、ヒバ(アスナロ)の林が残っていた。その先の地形は少し複雑で、尾根の方向が良く分からなかったがGPSに助けられる。
吊り尾根の・450地点を目指して登って行く。これまでの経験から平坦な地形は笹薮が濃いことが多い。案の定、・450付近と稜線までの間は背丈より高く、密度の濃い笹薮漕ぎが続いた。今日のコースで最も辛いところではあったが、細いので手で簡単に掻き分けられるのが助かる。しかし、帰りここを戻るのはちょっと億劫だと思った。
稜線に出たが、ちょっと期待していた地図上の点線の作業道跡は、案の定、痕跡すらなかった。しかし、その点線のところを漕いで行くと、ところどころに赤や青のテープが結ばれている。比較的新しいテープだが、踏み跡等は見当たらない。薮はほとんど気にならない程度である。
途中の高い地点から、その先に目指す丸山が見える。すでに撫付山からの中間地点は過ぎていて、直線距離で750mほどである。小さなアップダウンはあるが、急な登りがないのが気楽である。
稜線上に、このような測量か何かの調査の標識や記号が書かれたポールも所々にある。道はないが、人が通った痕跡があるだけでうれしいものだ。同じように薮漕ぎをして調査でもしたのだろう。
大きなカラマツの木には「カラマツ」と書かれた青いテープや幹にはたくさんの番号札のようなものが貼られている。
ダケカンバにも赤い番号札が付けられている。このような所がたくさんあったので、稜線上の植生の調査でもしたのだろうか?
しかし、頂上のだいぶ手前で、左に下りて行くような作業道の痕跡があり、その先から頂上までは一切見当たらなかった。
地図上の点線は頂上には続いてなく、下を通っているので、直接頂上を目指す。
9:15、撫付山から1時間40分で丸山到着。まずは、越えて来た撫付山を眺める。ここには三角点はないはずなので探すこともしなかった。
山頂から北に延びる海岸線や風力発電の風車や、反対側の歩いてきた稜線や尾根を眺めてしばし休憩。ここでも、JYUNさんにメール。
さて、下山は同じコースを戻るか、直接尾根を下って国道を目指すか、地図を見て検討する。稜線から続く地図上に記載されている点線は、少し北へ進み、下に向かう西尾根に続いている。先ほどまでの続きなので作業道は期待できない。いくら藪が濃くても、下りは非常に楽である。おまけに登り返しがないのも助かる。しかも、その点線の尾根は、冬に登る予定でいたルートである。国道へ出てから1.5kmほどの歩きはあるが、そのコースを下りることに決定。
◎丸山から直接下山
9:30、地図上の点線をGPSで辿って下山開始。少し北上して西尾根を下る。薮は概ねこんな楽勝モードである。
途中から頂上を振り返ったら、山頂にガスが懸っていた。このときは撫付山もガスで覆われていた。
・196地点付近で尾根が細くなると、鹿道なのか昔の作業道跡なのか分からない踏み跡も現れる。この辺りから下の尾根には、確かに作業道があったような痕跡も見られる。
やがて、尾根の下に汐吹漁港が見える。
10:55、丸山頂上から1時間25分で国道に出た。1.5kmほど国道を歩き、スタート地点へ戻る。
11:15ゴール。トータルで約5時間で2座ゲット。薮山にしては、辛いところもほとんどなく、非常に効率のよい歩きだった。積雪期に同じコースを回ってもそれほど違わない所要時間だったと思われる。JYUNに無事下山と感謝のメールを入れた。
一気に2座ゲットでき、未踏はあと6座となった。同じ上ノ国の滝澗山(480m)も薮漕ぎで登ろうと考え、その下まで走り、地形図と地形を照合しながら、取り付き地点とおおよそのルートを決めて帰路に就いた。こちらは急登が続くが、ネマガリダケでなければなんとか登れそうである・・・?
昨年リニューアルオープンした上ノ国町営の花沢温泉で入浴(うれしい200円)。
なお、往路は江差回りで来たが、復路は木古内回りで帰ることにした。その目的は、上ノ国市街地からのそれぞれの距離の違いの確認であった。昔から、上ノ国市街地や海岸線に住んでいる人は、「函館に出るときには江差回りの方が、木古内回り良い近い」と言っていたので、いつも上ノ国へ行くときは江差回りで走っていた。
しかし、新吉岡トンネルができたことや茂辺地からの高速道路もできたので、距離感的には木古内回りの方が近い感じがする。しかし、結果は、江差回りが77.5kmで、木古内回りが高速を使ったこともあり84kmだった。高速を使わなくても、やはり江差回りの方が近いようだ。