癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

山陽道6日目・11有年宿~12三石宿~13片上宿~伊部駅〈32km〉(8時間30分)

2020年11月20日 | 登山・旅行

 夜から降っていた雨が朝には止んでいた。非常についている。11時過ぎに少し降られたが、すぐに止んでくれた。

 今日は、昨日までと違って、宿場と宿場の間は峠越えが続いた。名前があるだけで3ヶ所、その他に国道歩きでもそれらしいところがあった。したがって、時間の割には距離が稼げなかった。

 また、今までは人家がほとんど切れることはなかったが、今日は人家のない所を歩く方がずっと多かった。

 相生から電車で有年駅へ移動。暗いうちの6:00、駅前から旧街道に出て、スタート。

11有年宿~三石宿

 相生駅から有年(うね)駅へ電車で移動。6:00、まだ暗い旧街道をスタート。すぐに国道、さらに旧道と繰り返して進むうちに明るくなってきた。

 有年宿に入ったら、これまでと旧家の造りが違っている。これまでは、道に対して横長の家が多かったが、ここは、道に対して縦長で屋根の形も違う。

 「有年宿本陣跡(旧柳原家宅跡)」の標柱と「明治天皇駐賛記念碑」が立っている。この先に、「有年番所跡(旧松下家宅)もあった。

 

 まもなくして、「八幡神社」がある。普通なら寄らないのだが、そばに立っていた「山城へGO」の登りに煽られた。上の城趾に八幡宮と船灯台があるという。それほど高くなさそうなので、朝のうちで元気があるので登ることにした。

 石段の上は、岩盤を削った自然道である。上には夜にライトアップされている船灯台があり、奥には八幡神社が建っている。眼下には有年の集落が見えた。

 やがて、右手に「有年(ありとし)家の長屋門が建っている。こちらの名前は地名とは読み方が違っていた。有年家は江戸時代、大庄屋を務めた家柄であった。赤穂市に残る長屋門は赤穂城内の大石良雄跡宅門、近藤源八宅跡とここの3軒しかなく、母屋と一体となって、赤穂藩の庄屋の屋敷構えを残す貴重な文化財とのこと。

 有年宿を抜けると、今日一つ目の「有年峠」へ。

 7:55、害獣避けのゲートを開けて、自然道の峠道を登っていく。そばに「西国街道(近世山陽道)」の説明板があった。

 この峠は、明治18年の明治天皇の巡行の際に、現在の国道2号の方に新しい道が造られて、役割を終えている。

 当然昔のままの状態で残っているわけで、登山モードとタイムスリップを楽しみながら歩いた。

 途中の分岐に丁寧な標識がある。この先から、荒れた道が続く。落ち葉が下の石を隠しているので、非常に怖い。

 峠にのピークには、標識が設置されていた。下りの方が距離が短く、急だった。出口にもゲートがあった。

 入口から出口まで、50分間の登山モードだった。 

 梨ヶ原の集落へ下りていく。

 梨ヶ原は、間(あい)の宿で、ここにも「明治天皇駐賛之地」碑が立ってあいた。

 

 小さな集落で、すぐに通過してしまった。今度は船坂峠越えである。丁寧な標識がうれしい。

 こちらは、落ち葉の絨毯で覆われているが、舗装されていて、国道の船坂山トンネルができるまでは、旧国道だったようだ。

 峠のピークには、「県界 東宮殿下仰星記念」の碑が立っている。ここで、兵庫県から岡山県となる。

12三石宿~片上

 船坂峠を下ると、三石宿へ入っていく。ここにも一里塚跡の碑がたっている。

 三石宿も小さな集落で、本陣跡に建つ家が一番立派だった。

 今度は、長い国道2号歩きが続く。幸い、歩道が設置されていて助かった。しかし、人家もなく、1時間以上ものアップダウンの続く、山中の国道歩きは気が滅入る。

 国道歩きの途中で1軒だけコンビニがあった。イートインスペースで昼食を食べた。

13片上宿~香登駅

 片上宿へ入っていく。宇佐八幡宮の前に、「山陽道 片上宿(方上津)」の碑が立っている。両面に有年宿からの距離と、藤井宿までの距離が書かれていた。

 片上宿の中には、いろいろな史跡の標柱が立っている。

 宿の中心部の先の辻の奥まった所に「片上駅本陣小國氏邸宅跡」の石碑が立ち、辻には古い道標が立っていた。

 片上宿を抜けると「葛坂峠」へ差し掛かる。墓地の入口に「悲恋の灯花 お夏の墓」の標識が立っている。

 お夏は、井原西鶴の「好色五人女」に書かれているお夏清十郎事件の主人公である。峠の茶屋の娘で、天性の美貌と知れ渡った評判の店は随分はやったといわれる。浄瑠璃などで演じられて有名になった。

 峠の上には、「お夏の茶屋跡」がある。下っていくと、今日のゴール、伊部(いんべ)の町並みが見えてくる。

 この伊部地区は「備前焼の里」で有名な所である。歩きながら目についた窯元の看板をカメラに収めたが、20軒以上もあるらしい。

 伊部の旧道の中心部へ入っていくと、一里塚が立ち、旧家が並んでいる。

 伊部の旧道の中心部は「備前焼本通り」と言われ、大きな窯元や陶商が軒を並べている

 14:30、ゴールの伊部駅も入っている、大きなビルに到着。今日のやどは岡山駅前に取ってあるが、岡山行きの電車は15:13だった。時間があるので、備前焼の展示会を見て、ブログの下準備をした。

 駅の入っているビルの2階で備前焼展示会を見る。

 16:15、今日の宿「サウナ&カプセル ハリウッド駅前店」に到着。

 2食とワンドリンク付きでGoTo割引で2925円。地域クーポン券付きとお得感満点。

 夕食は、8種類の定食から選べるので、野菜炒め定食を食べた。ワンドリンクサービスは、着いてすぐに風呂に入ってから飲んだ。

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