登るときは、滑走面にシールを貼り、靴を歩行モードにして、ビンディングの後ろを開放する
いわゆる「山スキー」とは、スキーを履いて山を登り、滑り下りることことである。最近よく見聞きする「バックカントリースキー(BCスキー)」も同じ範疇である。
ただし、こちらの方は登らないで、リフトやゴンドラを利用して、ゲレンデ以外の斜面を滑るだけのことも含むので、ゲレンデスキーと同じビンディング(金具)を使っている人も多い。
今日の新聞にも載っていたが、最近急増している外国人スキー客のスキー場コース外での遭難事故もこの類である。
「山スキーの用具って、ゲレンデのスキーとはどのように違うのですか?」と、訊かれることが多いので、ここに詳しく紹介しておこうと思う。
自分の山スキー用のスキーとストック
スキーは深雪滑降がしやすいようにゲレンデのスキーより幅広で、長さも長い。幅広の利点は、歩く時も埋まりが少ないこともある。歩いて登るので、ゲレンデ用のスキーより軽い。
ストックは、深い雪の中で使うのでリングが大きい。ビンディングは見た目はゲレンデ用に似ているが、踵の方が固定も開放もできる。やはりゲレンデ用のものよりだいぶ軽い造りになっている。
流れ止めは、ゲレンデ用はストッパーだが、深い雪の中で外れたときに探すのが大変なので、紐状のものが多い。
自分の兼用靴
兼用というのは、歩行モードと滑降モードにも兼用できるという意味である。踵の方にその切り替えレバーが付いている。
登りや歩きに利用するので、ゲレンデ用の靴よりだいぶ軽い造りになっている。
スキーで登れなくなったようなとき(アイスバーンや細く急な尾根など)は、スキーを脱いで、アイゼンやカンジキも装着して歩くこともできる。
歩行モードと滑降モードの切り替えレバー
歩くときは、レバーを上に上げると、足首が開放されて前後に動きやすい(左)
滑るときは、レバーを下に下げると、足首が固定される(右)
ビンディングに靴を填めた状態。爪先部分は固定されて、踵部分は、歩くときは開放し、滑るときは固定する。
ビンディングが固定されたとき(滑るとき)(左) ビンディングが開放されたとき(歩くとき)(右)
少し急な斜面を登るときは、踵部分を高くして歩きやすくする(左) もっと急な斜面を登るときはもっと高くできる(右)
登りに使うシール。ケバが後ろに向いていて、後ろに滑らないようになっている。
シールを貼ったところ。シールの裏側には糊が付いていて、滑走面に貼りつくようになっている。
シールのトップ部分の固定(左) シールのテール部分の固定(右)
滑るときは、シールを剥がし、ビンディングの踵を固定して、ゲレンデスキーと同じように滑る。