つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

吉田善彦におもう。

2021年11月08日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日はお休みをいただいて、お寺の行事に伺いました。
普段はスルーしてしまうことの多い行事ですが、こういう時、神社の前を素通りできなくなったり、お墓詣りに熱心になったりするのが人の弱さというものでしょうか?

それと同時に、大変方向音痴の私はどこへ行くのでもずっと佐橋の後ろを歩いたり、車で連れて行ってもらったりしているので、この機会に「ひとりでできるもん!」の可能性を広げておきたいと思ったのも事実です。

お寺は私の住む名古屋市西区からバスと地下鉄で小一時間ほどの千種区本山にあります。

お墓参りを済ませた後、ちょうど同じ方向の古川美術館さんにも寄らせていただきました。

先日もお伝えいたしました通り、印象派展からエコードパリの時期についての作品の展示内容です。

古川さんは決して大きな美術館さんではありませんが、一階、二階に作品が並べられ、これらが全て個人蔵となっていることをあらためて知りました。

そういえば、展覧会のご紹介にもそう記述がありました。

展示作品の中には、確かに各美術館所蔵の作品に比べ、その画家の特性が弱く感じらるものもありましたが、特にルソーの作品2点とシャガールの2点はとても見応えがありました。








私の記事掲載が遅くなり会期が終了してしまい大変失礼してしまいましたが、先日東京の山種美術館さんに出掛けられたお客様よりお便りをいただきました。速水御舟と吉田善彦の展覧会。「速水御舟と吉田善彦ー師弟による超絶技巧の競演ー」のご感想をお寄せくださったのです。



が、どうやら善彦と御舟の師弟関係やその影響力、また善彦の作品自体や技巧の紹介が御舟のそれに比べ弱く感じられたということでした。やはり、善彦の作品は地味で一般観覧の皆様にはご興味をお持ちいただきにくいということかもしれません。


吉田善彦については、佐橋が一人息子にyosihikoという名前をつけたことも、以前こちらに書かせていただきましたが、先日その息子のお誕生日に際し、佐橋が下記のようなメッセージを書きましたので、ご本人には内緒で🤫💦こちらに転記させていただこうと思います。彼らしい、文章であり、また私にとっては感動の文章でした。


〜〜〜〜💐

「ヨシヒコ」の名を頂いた画家「吉田善彦」の画法に、ほぼ描き上げた絵を丸めてそれまでの絵の具を粗方落としてしまい、それを画板に水貼りして一から書き直すというのがあります。そうすることで一度落としたはずの絵が後から浮かび上がって来て、作品の奥行きを増してくれるというものです。

今回の僕の病気は乗り越えるにしても流石に大きく見えて、まだ枯れる年じゃないと思いながらも、ついユズリハについても考えてしまいました。しかしそれぞれの人生そんなものでもないだろうし、息子にとっても迷惑な言いがかりみたいなものでしかない。

何しろ盲目的に歩んで来た道なので、最後に眼を点す場所なんて端(はな)から考えてこなかったから…。
しょうがないので、これまで描いた絵を丸めまして、ただいま一所懸命延ばしております。落とした絵が奥行きになるまでの時間が残されているのか分かりませんが、一歩一歩足を前に出すところから生き直してみようと思っています。

この半年近く皆さんに多大なご心配をお掛けしてきましたが、やっと展望が開けてきました。(昨日の血液検査でも頗る良い数値が出ていました)

誕生日に相応しい言葉ではなさそうですが、ヨシヒコの名前の由来のお披露目とともに、僕自身のささやかな復活宣言とさせて頂きます。

お誕生日、おめでとう。
〜〜〜💐



画家には画家の覚悟があり、画商には画商の覚悟が必要です。そして、何よりもコレクター様にはコレクター様としての色々な意味での覚悟が必要ではないか?と昨日の古川美術館さん訪問、そして今日、冬支度をしながら考えてみています。




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2 コメント

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Unknown (k)
2021-11-09 17:13:02
月並みな言い方ですけど、佐橋さんの手紙、感動しました。
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Unknown (なつみ)
2021-11-11 06:12:38
このKさんのコメントを佐橋に伝えました。
ちょうど、「そうは言ってみたものの、、」リハビリに頑張り過ぎて疲れて落ち込んでいたらしく「ありがたい」
と深く感動していました。ありがとうございます。間もなく退院できそうです💐
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