こちらは今月仕入れたばかりの土田麦僊のお軸です。
「嬉雀」
箱書きに 己羊 臘月 とあります。
つちのとひつじ は1919年 大正8年。
臘月 ろうげつ は師走のことを指しますので、まさに今の時期になります。
土田麦僊は新潟佐渡の生まれ、京都の竹内栖鳳の門下生となり、のちの大正7年村上華岳などと国画創作協会を結成し、
京都画壇で新しい時代の日本画を模索しました。
肝臓癌で49歳で他界してしまいますが、その斬新な画風作品は各美術館さん、コレクターさんの収集目標と
なりました。
緑を基調とした表装や金糸で織られた梅の花の柄の一文字など、大変洒落たしつらえです。
大正8年は、麦僊33歳。雀を得意とした師竹内栖鳳を意識してか?或いは対抗してか?
半ば抽象的に描かれた3羽にこそ、土田麦僊の個性が強く感じられます。
渓仙と印象の雪の図から
麦僊の「嬉雀」と土牛の書「寿」へ
いよいよ令和4年師走も後半に入ります。
土田麦僊 軸 嬉雀 絹本 共箱 大正8年 275,000
画面サイズ 44×36㎝
軸サイズ 137×57.5㎝
栖鳳の寒雀は少し怖い顔をしていました
麦僊のそれは怖さがない??
麦僊の雀には目が描かれていませんので、逆に怖いと感じる事も
あるかもしれません。が、実際の雀も案外怖い顔をしていますね。